【OBUコーチ】最近、衝撃的だった本

OBUコーチ

静岡のOBUです。(^o^)

いつも私の記事を読んでくださって、ありがとうございます。

最近、衝撃的だった本

最近私が読んでいる卓球の本で、衝撃的だった内容のものがあるのでご紹介します。

卓球王国から出している本で、「卓球戦術ノート」という本です。

著者は、有名な高島規郎先生です。

「ミスター・カットマン」高島規郎先生のプロフィールをご紹介します。

  • 高島規郎(たかしま のりお)
    1951年7月17日、大阪市生まれ。
    近畿大学3年の時に、全日本選手権で初優勝。
    トータル3度の優勝を飾る。71年から83年まで7回連続で世界選手権に日本代表として出場し、75年世界選手権では3位に入賞。
    「ミスター・カットマン」として、華麗な守備を見せ、世界で活躍した。
    現役引退後は、93、95年世界選手権で、全日本監督を務めるなど、指導者として活躍。
    卓球理論家としても、技術、戦術、メンタルを総合的に考えた卓球理論を展開している。
    現在、近畿大学名誉教授

上記のプロフィールを読んだだけでも、どれほど凄い選手だったかが分かります。

75年に世界3位になったということは、その時点では世界一のカットマンということになります。

とても綺麗なカットと広い守備範囲で、当時の日本の全てのカットマンは高島選手のファンだったと思います。

卓球を始めた頃の私もご多分に漏れず、高島選手のファンで、憧れていました。

実際に、お会いしたことも数回あります。

私が中学1年生の時、当時住んでいた西宮市に日中交歓大会で模範試合で高島選手が来たのです。

小野誠治選手も一緒でした。

試合後、体育館前で握手したもらったのです。

とても温かく大きな手でした。

二度目は私が高校1年生の時、サマースクールという卓球の合宿に参加した時のことです。

最終日に高島先生がいらして、色々な選手のプレーを見て回る中でたまたま私のプレーも見て頂き、褒めてくださったのです。

それはカットで何本か粘った後、相手のストップをバックハンドスマッシュで決めたプレーでした。

後にも先にもその1本のプレーでした。(笑)

先生はニッコリ笑って「よし!」と一言だけ声を掛けてくださっただけでしたが、当時の私は天にも昇るほど嬉しかったのです。

現役を引退されても私は高島選手のファンで、私の中では憧れの存在であり続けました。

古い卓球レポートに「高島規郎のカット講座」という連載があるぞと聞いては、全部それをコピーして1冊のノートにまとめたりしました。

そのノートは私の宝物で、同じカットマンである私の息子を教える時にも使いましたし、今は私のことを師匠と呼ぶある選手に、大事に思いを引き継ぐように託しています。

そんな高島先生が、現代の卓球について書き下したのがこの「卓球戦術ノート」なのです。

衝撃的だった文章

前置きが長くなりました。(^^;;

私がこの本の中で最も衝撃的だったのは、第6章35節「カットマンは打って得点しろ」という文章です。

その中に「カットの技術的部分は考えず、戦術に集中する」という一節がありますが、ここが私にとって一番衝撃的でした。

以下、抜粋します。

————————–(ここから)—
過去の全日本選手権で、私はある女子選手のベンチコーチについたのだが、攻撃している時はほとんど得点できていて、一生懸命カットを引こうとしている時には、ほとんど失点する、という展開の試合になった。

ところがその選手は、相手がバーンと打ってくるボールに対して、ちゃんと返さないといけない、という気持ちになり、そこに100%の神経を注いでしまっていた。

ハッキリ言って、カットなどどうでもいいのだ。

打たれる展開になったら、とりあえず入れておけばいい。

それより、いつ打つか、どうやって打つチャンスを作るか、どの球を打つかを常に考えろ

私はベンチでそういう指示を出した。

カットに集中しろなどとは、ひとことも言わなかった。

しかし、結局、彼女はカットが取れるか取れないか、という部分を心配し続けてしまった。

そうなると、せっかくのチャンスが来た時に「あ、打たないといけない」と思っても、もう遅い。

打つという作戦を頭の中のメインに置いていないから、体が反応しないのだ。

このようなパターンに入ってしまっては、勝つことは難しい。
(以下、略)
————————–(ここまで)—

いかがでしょうか?

この文章で私にとって衝撃的な記述が2点ありました。

1点目は、ミスターカットマンと言われたほどの高島先生が、試合中に

「ハッキリ言って、カットなどどうでもいいのだ」

とアドバイスしたところです。

相手の強打をカットでなかなか上手く返球できない選手に対して、

  • 「もっと速く大きく動け」でもなく
  • 「スイングをコンパクトに振れ」でもなく
  • 「練習通りカットすれば取れる」でもなく

「カットなどどうでもいい」と言ったと言うのです。

2点目は、「しかし、結局、彼女はカットが取れるか取れないか、という部分を心配し続けてしまった。」という記述です。

カットマンが、主戦技術のカットにこだわり過ぎて、カットで拾うことに執着してしまったということです。

カットマンにありがちなこと、そしてそれはまさしく私自身であると気付いたからです。

高島先生は続く文章で、

  1. 自分が得点出来ている展開は何か、相手が嫌がっていることは何かを戦術の柱とすることの重要性
  2. 主戦技術のカットは試合の中で調整するものでなく練習段階で「何も考えなくても入る」レベルにまで完成しておくべきもの(そのためには相当ハードな練習が必要)

と述べています。

私流に解釈し、厳しい言い方をすると、

「試合で得点に結びつかない様なカットならば捨ててしまえ(試合で使うな)。悔しかったら、練習で、そこまでカットを高めてみろ」

ということです。

相手の攻撃を、カットで拾い切れず負けた試合を、私は幾度となく繰り返して来ました。

自分の練習に甘さがあったのだ、と痛感した次第です。

この他にも・・・

この他にも私にとって衝撃的な記述が沢山ある本でした。

コロナ禍で充分な練習が出来ない分、この本を読んで自分の卓球を今一度見つめ直そうと思います。

年の初めは何かを決心するのに、ちょうど良い機会です。

新年から、いや、年の瀬の今から、戦い方の引き出しを増やせるように自分の卓球を変えて行きます。

この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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