試合の後に必ずやるべきこととは?
2021年全日本選手権マスターズの部に初めて参加して来ました。
私にとっては、とてもレベルの高い大会でした。
この大会を通じて、私が体験した事と学んだ事をお話します。
マスターズまでの準備
私はこの大会の出場が決まってから、胸に期するものがあり、しっかりと準備して試合に臨もうと心に決めていました。
本大会までに4つのローカルの試合があり、すべて出場して試合勘を掴みながら、技を磨いていこうと考えていました。
しかし残念ながらコロナ禍で、緊急事態宣言も発令されたこともあり、4つの大会は全て中止。
しかも、感染対策に敏感な私の職場から、室内スポーツは禁止という指示が出て、普段の練習も出来なくなりました。
そこでワクチンを2回接種しているA先輩とマンツーマンで練習することにしました。私も職場で2回接種済でしたので。
A先輩との練習では、サービス練習と多球練習が中心でした。
お陰でYGサービスが出せるようになり、またサービス自体の切れ具合が、今までと比べて格段に良くなりました。
緊急事態宣言が明けて職場からも、室内スポーツが解禁になり、やっと普段の練習が出来る様になりました。
それが大会の1週間前の話です。
全国大会経験者で、チームで一番の剛球の持ち主のNさんにカット打ちをしてもらい、とにかく強ドライブに慣れるための練習をしました。
以前の私ならば、Nさんと練習した後の数日間は身体にダメージが残りましたが、今回は不思議と数日間続けて練習することが出来たのです。
いざ、試合へ
試合の前日までNさんの豪打を受け、当日の朝もランニング、シャドープレイと充分にウォームアップして臨みました。
相手はオーソドックスなペンドラでした。
お互い緻密なサービスで探り合い、1ゲーム目こそ途中まで競り合いました。
私の3球目攻撃も決まりました。
しかし私のサービスが見切られてからはワンサイドな展開になり、確実に3球目を相手に決められました。
終わって見れば0-3のストレート負け。
つけ入る隙が見当たらない完敗でした。
反省すべき点
技術的に一番反省すべき点は、レシーブ全般です。
つまり、
・前後に足が動いていない。
・顔が離れた位置で打球していた。
・恐々と入れるレシーブになっていた。
・レシーブが浅くなり踏み込まれた。
・精神的にビビッていた。
・戻りが遅く4球目の備えが出来ていない。
です。
場慣れしておらず緊張があったことと体力的なオーバーワークが原因でした。
傾向として、緊張すると、左右は動けても前後に動けなくなることが分かりました。
試合数日前のハードな練習でもへばらない体力を付けることが必要でした。(この程度の練習は最低限必要で、実際は足りないくらいだから)
但し、大きな怪我をしない様にやり過ぎず、やらなさ過ぎず、バランスを取りながら進めていくこと。
二番目に反省すべき点は、流れる様なプレーが出来なかったことです。
つまり、
・打球した後の戻りが遅い。
・そのままの態勢で相手を見ている。
・次の予測が出来ていない。
・凡ミスが多かった。
です。
ランダムなコースへの練習やゲーム練習がやり込めていなかったことが原因です。
殆どがワンコースでの基本練習中心でした。
練習の時間配分をもう少し考えておくべきでした。
剛球を受ける練習に拘り過ぎて、他の技術の練習時間を充分に確保していませんでした。
凡ミスが多かった原因は視力の低下でした。これは試合後の練習で分かったのですが、近くの球が見えにくくなっていました。
疲れが溜まると視力も落ちる様です。
年齢による視力の衰えもあると思われます。
ボールを見る精度が下がっていたのです。
以前ならあり得ないミスも出ていました。
視力に関しては、もう少し経過を見るつもりでいます。
良かった点
まず一番に良かった点は、数か月前からこの大会に向けて強い思いを持って準備してきた点です。
コロナ禍で計画は大きく狂ったものの、これほど長期にわたって試合の準備に取り組んだのは学生時代以来でした。
直前の追い込みでは、自分の体力が向上していることも実感できました。
これは嬉しい誤算でした。
おそらく武道の先生に呼吸法を習い、鍛錬していたお陰だと思われます。
思いを込めて取り組んだ分、負けた当初はショックで落ち込みましたが、気持ちの切り替えも早かったのです。
まだ試合会場のある福島県にいるのに、早く帰って練習したいとさえ思いました。
二番目に良かった点は、磨いてきたサービスを出せたことです。
サービスエース数本。
注文通りの3球目攻撃が数本。
数は少ないですが、全国大会でも私のサービスが通用したのです。
もっと精度と関連性を磨いて行けば、さらに得点を稼ぐことが出来るはずです。
試合の後で
この様に、試合の後には「反省すべき悪かった点」「実行できて良かった点」の2つを見直すことをお勧めします。
日本人は特に前者にフォーカスが行きがちで後者の存在を忘れてしまいます。
負けて自分が情けない、応援してくれた人に申し訳ない、そういう気持ちも大切です。
しかし、くよくよタイムは5分で充分!
そんなことより明日のためのご飯です。(何かの歌にありましたね?)
そして勇気をもって、次の一歩を踏み出しましょう。
あなたの大きな目標を決して忘れてしまってはいけないのです。
そもそも、この試合は自分を成長する機会を与えてくれたのか?
イエス。
それは、この点とこの点。
だから次はもっとこうするのだ。
それだけ言えれば、充分です。
全国大会の醍醐味
マスターズは各年代があるのですが、優勝者はその年代の日本一です。
つまり日本のトップのプレーが間近で見れるのです。
とても刺激を受けます。
観戦しているだけても楽しいのです。
とても上手な女性のカットマンがいました。
一つ一つの技術が丁寧で、流れるような綺麗なカットプレーでした。
ボールを選んで、待ち受けて攻撃するので、その成功率はほぼ100%でした。
あのレベルに一歩でも近づきたいと素直に思いました。(#^^#)
また、知り合いの静岡のSさんが、ある年代の部で優勝していました。
自分の事のように嬉しかったです。
決勝戦のハイレベルな駆け引きに観ていてハラハラドキドキしました。
まだ、あります。
2年前に富山の大会でお世話になった方に再会することも出来ました。
みらくるという卓球場を開いている方で、一度練習をして頂いたご縁があるのです。
私の技術レベルに併せてボールを送って頂きとても充実した練習をさせて頂いたのです。(相手に併せられるほど上手な方なのです)
・・・・・
一期一会という言葉がありますが、その時その場でないと体験できないことがあります。
そういう意味で、私は本当にたくさんのお土産を頂きました。(私自身は初戦敗退なのに、ね。笑)
大変充実した、福島遠征でした。
またこの充実感を味わいたいと思います。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)