【OBUコーチ】卓球の戦型の選び方
卓球の戦型は、どうやって選べば良いのでしょうか。
戦型が決まると、その選手の卓球人生がほぼ決まってしまいます。
ですので、戦型は慎重に選ぶべきだと思います。
一流選手がどのように今の戦型になったのかを聞くと、たまたまそうなったというケースが多くある事を知り、愕然としました。(笑)
一流選手でさえ、最初から今の活躍を予想して戦型を決めてきたわけではないのです。
そうは言っても、戦型の選び方はあります。
そもそも正解のないこの問題に、今回は切り込んでみようと思います。
卓球の戦型を選ぶ(決める)時とは
卓球の戦型を選ぶ(決める)時とは、どんな時でしょうか。
それは、初心者がそろそろ本格的に卓球の練習をやろうとする時です。
もう一つは、戦型を決めて練習を続けていたところ、伸び悩んでもう一度戦型から見直す時です。
今回は、前者の場合について述べます。
卓球初心者は、卓球の戦型に何があるかを知らない場合が多いです。
ですので戦型を示して、自分がやってみたい戦型を選ばせるのも1つのやり方です。
将来ああいう選手になりたい、という憧れの存在の選手がいればベストですね。
卓球の戦型を選ぶ(決める)より前にするべきこと
戦型を選ぶ(決める)より、前にするべきことがあります。
それは、卓球に慣れ親しみ、卓球の楽しさを知り、卓球が大好きになることです。
最初はピンポン。
ルールなどお構いなしの遊びで結構です。
とにかく、ラケットでボールを打つ感触を覚え、卓球って面白いなぁと思う時間をたくさん作ってあげることです。
これが、その選手の原型になります。
大切なプロセスだと私は思います。
卓球のイロハを教えたり、戦型を決めるのはその後でも充分だと思います。
そして、タイミングを見計らった上で、上手な人のプレーを間近で見せます。(間近で見せるのがコツです)
「この人たち、卓球上手だねー。練習すれば君だって上手になれるよ。どうだい、本格的にやってみるかい?」
と声を掛けてあげることです。
たいていの場合、「うん、やる!」と言います。
素直な子供ならば、という条件付きですが。(笑)
その選手の身長にもよるのですが、最初は両面裏ソフトのシェークハンドが良いと思います。
背が高ければ、ペンホルダーもありです。
握り方を教えて、シェークかペンかを選ばせてあげるのも良いです。
しかし将来性を考えると、現代卓球ではシェークが良いかと思います。
この様に、選手にやる気を持たせることを動機付けと言いますが、戦型を選ぶ前にまずこのプロセスを通ることが大切です。
卓球初心者の動機付け
鉄は熱いうちに打てと言われます。
せっかく選手がやる気になったので、今度はそのモチベーションを継続することをしなくてはなりません。(コーチは大変です。笑)
どの戦型にするにしても、基本技術を教え込まなくてはなりません。
- フォア打ち
- ショート
- ショート打ち
- ツッツキ
- ドライブ
- スマッシュ
- サービス
- レシーブ
- フットワーク
どんな時に、初心者が「楽しい」と感じるか。
それは、以下の3つです。
- スマッシュが決まったとき
- ラリーが続いたとき
- ファインプレーが出来たとき
3.のファインプレーというのは、今までは取れなかったボールが返球できた時です。
これらは全て、「成功体験」です。
「やったぁ!自分にも出来た!」というのは、どんな人にも嬉しいことなのです。
そしてコーチは、すかさず「褒める」こと。
- ナイスボール!
- 今のラリーはよく続いたね
- 今、すごいプレーが出たな!
本人に向かって褒めてあげることです。
さらに、その日の練習の終わりに、ミーティングでみんなの前で、また褒めることです。
「今日の○○は、練習の中で今までにない凄いプレーをやってのけた。
みんなに見せたかったくらいだ。
ただ、今日のプレーは、たまたま出来たのかも知れない。
どんな時も出せる様に、これからの練習も頑張ろう!」
と。
みんなの前で褒められた選手は、恥ずかしいけれどもとても嬉しい気持ちになります。
人間には、人に認められたいという「承認の欲求」があるからです。
そして、「またコーチに褒められるようにもっと頑張ろう」、という気持ちになります。
経験のあるコーチが初心者を見ると、どうしても悪い所に目が行きがちですが、良い所を見つけて積極的に褒めましょう。
この様に、褒める(承認する)ことで、選手はやる気を継続することが出来ます。
その上で、「ここを直すともっと良い」という様に悪い点を指摘しましょう。
- 良い点を褒める
- 悪い点を叱る
この両方のバランスが大切です。
卓球の戦型の選び方(決め方)
ここまで選手と関わってきて、初めて戦型を選手と共に選ぶ(決める)ことが出来ます。
- 基本技術を教える
- 良い所を褒める
- 悪い所を叱る
このように選手と関わる中で、もうあなたはその選手の特徴を充分把握していると思われます。
後は、長所伸展の考えで決めれば良いです。
一番大切なのは、選手の性格です。
明るく生き生きと攻撃プレーを楽しそうにする選手は、そのまま攻撃型です。
ドライブ型が良いでしょう。
その中で、頭の回転が速く、他の者よりもさらに気が短そうなタイプは、速攻型の素質があるかも知れません。
いまいち攻撃プレーに覇気が感じられない選手で、性格的にもおとなしいタイプにはカットマンを勧めてみても良いです。
なかなか基本打法を覚えられず、不器用な選手には粒高ショートマンにして、1つの技術を徹底して覚えこませます。
大雑把に言うと以上になります。
基本打法を教えている段階でも、並行して上手な選手のプレーを見せ、「将来、自分はどんなプレーがしたいのか」を常に選手に考えさせるべきです。
選手の方から「自分は、この戦型をやってみたいです」と言ってくれば、しめたものです。
コーチが「お前はこれをやれ」と言うのは、選手が戦型を決められない場合ですが、「これをやってみるか?」というように促し、あくまで選手本人が決めたいところです。
以上、述べてきたことは、私OBUの経験上からのことです。
決してこれが正解というものではないです。
今も正解を求めて模索しているのです。
参考になれば幸いです。(^^)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)