伊藤美誠選手のポジショニング

OBUコーチ

前回「全日本選手権を終えて」という題で、伊藤美誠選手のポジショニングについて書かせて頂きました。

要旨を復習すると、こんな内容でした。

・東京オリンピックまで伊藤選手は台から下がった位置でフォアドライブを打っていた。
・粘り強いラリーとなり、特にダブルスでその良さが発揮された。
・しかしシングルスでは逆に相手にやり易くなってしまい、伊藤の持ち味であるフォアハンドスマッシュが消えてしまったのではないか。
・ところが先の全日本選手権で、伊藤本来の前陣速攻が復活してきた。

「東京オリンピックまで」と書きましたが、世界選手権ヒューストン大会まで、伊藤は台から下がった位置でフォアドライブを打っていましたね。

まずここが間違っておりました。

失礼しました。

さて、上記は「私OBUにはこう見えた」という話でしたが、本人は実際どうだったのかという情報が得られました。

結果から申し上げると、大体の流れはあっているのだけれども、根本的な部分は全然違っていました!

やはり正確な事は本人にしか分からない、ということですね。(^^;;

今号では、それをシェアします。

卓球ジャパン、福澤朗氏持ち込み企画

情報源は、BSテレビ東京でやっている卓球ジャパンという番組でした。

タレントの武井壮さんと平野早矢香さんがMCを務めていて、卓球をディープに掘り下げる番組で、私もよく観ております。

土曜日の22:00から放映していますが、YouTubeの「テレビ東京 卓球チャンネル」で観ることも出来ますので検索して観て下さい。

ちょうど2月5日の放送では、フリーアナウンサー福澤朗氏が持ち込みで企画した平野・早田・伊藤の各選手の特集がありました。

読者の皆さんもご存知の通り、福澤さんは「ジャストミ~~ト!」で有名で、超熱血な卓球ファンです。

卓球知識が豊富で、語彙や表現が豊かで、かつ軽妙なしゃべりでとても面白いので、福澤さんの回は、ほぼ欠かさず観ています。

今回は福澤さんと伊藤選手が対談形式で、東京オリンピックから世界選手権までを振り返っていました。

目指していたもの、目指しているもの

台から下がった位置で打ち合う卓球を伊藤選手は確かに目指していたそうです。

しかし、その目的は

「ダブルスで、台から下がる場面を想定して、その準備のため」

ではなく、

「シングルスも含め、中国選手と対等に打ち合うため」

でした。

私はてっきりダブルス仕様だとばかり思っていましたが、もっと積極的な意味があったということです。

自分に足りない部分を補う意味では、「成長できた」と本人も言っていました。

しかし、やはりシングルスでは、元々伊藤選手に備わっていた部分、つまり、相手が「嫌だな」「やりにくい」と感じる卓球が出来なくなっていました。

そこの部分は本人も認めていました。

本人曰く「面白味が無くなっていた」と。勝った試合でさえ自分の中でもどかしさと迷いがあった様です。

早田選手と組んだ女子ダブルスでは、伊藤選手らしさが出ていましたが、シングルスでは存分に発揮出来ませんでした。

では、伊藤選手が目指しているものは何か。

YouTubeの「テレビ東京 卓球チャンネル」では、番組の再放送版だけでなく、対談のノーカット版もアップされていました。

こちらの方が両名の対談の様子や、伊藤選手の考えがより深く分かりました。

ですので、こちらの視聴を私はお勧めします。

今後の卓球の方向性について、福澤さんが伊藤選手に質問していました。

前陣でのトリッキーな卓球に戻すのか、中陣でのパワフル卓球を残すのか、そうであればどう融合させるのか、と。

それに対して伊藤選手は、中陣での戦い方を100%捨て去ることはなく使うシーンも必ず出てくる、としながらも、

「これが伊藤美誠だな」と言われるような面白味のあるファンタスティックな卓球を目指すと答えていました。

相手がどういう動きをしているか、相手がどういう目をしているかを読み、そこに彼女の言う「面白味」が加わった時、最も得点出来ているそうです。

前陣・中陣云々はもはや関係なく、「自分にとってやり易く、相手にとってやり難い卓球」が今は分かってきているとのことです。

だから直後の全日本選手権は強かったのだと私は納得が行きました。

・・・・・

対談はさらにディープな内容に進みます。

伊藤選手がゾーンに入る時の考え方や、2022年5月の世界卓球団体戦での目標や、10年後の伊藤選手について、などです。

伊藤美誠ワールドが炸裂しています。

興味のある方は是非ご覧になられて下さい。

 

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この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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