【OBUコーチ】カットマンになるための初心者ガイド 上達する5つのコツ

OBUコーチ 初心者

卓球を始めたばかりで、カットマンを目指す選手はもちろんいます。

でも、カットマンを目指すには、生半可な気持ちではダメです。

カットマンになると決心する

最も大事なことは「誰が何と言おうとも、自分はカットマンになる!」と決心する事です。

これが非常に大事です。

何故なら真のカットマンになるためには、とても長く険しい道のりを進まなくてはならないからです。

偉大な先輩カットマン達は、全員これを経験してきました。

越えられそうにない壁にぶち当たっては本物の努力でそれを乗り越えることを、幾度となく体験しなくてはならないのです。

攻撃型を選んだ友人はどんどん上達するのに、カットを選んだ自分はたいして上手くならず、試合で勝てない日々を過ごすこともあります

劣等感、挫折感に苛まれることも最初の関門として経験する事でしょう。

自信を無くし、残念ながらカットマンになることを途中であきらめた選手は、実は非常に多いのです。

ところが、それに耐えて乗り越えた人にのみ、卓球を始めた頃の自分では想像もできない素晴らしい世界が開けてくるのです。

ダイナミックなカットプレーをしている、真のカットマンのあなたがそこに居るのです。

そもそも、何故あなたは「カットマンになりたい!」と思ったのか。

そこを突き詰めて考える必要があります。

きっと憧れのカットマンの選手がいて、かっこいいなぁと心の底から思うプレーがあったのだと想像します。

今は出来ないけれども、将来こういうプレーが出来たらいいな、いや、きっとこんなプレーが出来るようになろう!

素直な気持ちでそう思ったのではないでしょうか。

その気持ちを忘れずにずっと持ち続けて欲しいのです。

今は、動画が手軽に見れる時代です。

憧れの選手の憧れのプレーの動画を持ち歩き、あなたが壁に当たるたびに、いや毎日でも観てください。

そして初心を思い出して欲しいのです。

そうすることで、あなたの潜在意識に、そのプレーをしているあなたの姿がインプットされて、きっとあなたの夢を実現できることでしょう。

カットマンは、攻撃型の3倍練習しないと大成しないとよく言われます。

そのためにも、まず「カットマンになるんだ!」と決心し、強い意志を持ち続けることが大切なのです。

“全体感”を大切にする

“全体感”とは私OBUの造語ですが、全体的なプレーイメージの事を指します。

指導者がカットマンを指導しようとして最初にやるのが、カットだけを教えようとすることです。

例えば、フォアカットだけを取り出して、スタンスはこう、スイングはこうと教えて1本打ちなどでそれだけをやるやり方です。

これは分習法という方法で、ある技術を覚えるのには効率が良いやり方です。

これはこれで良いのですが、この分習法ばかりやってしまうと弊害が出てしまう可能性があるのです。

先のフォアカットの分習法では、やり過ぎるとフォアカットがやり易いスタンスをとるという悪い癖がつく可能性があります。

これを防ぐためには、フォアカットとバックカットを分習法である程度習得したら、フォアとバックの切り替え練習をします。

フォアツッツキやバックツッツキを覚えたら、両カットと組み合わせて前後のフットワークを練習します。

こうすることで、カット全体の感覚を磨く事が出来ます。

これが、私の提唱する“全体感”です。

フォアカットやバックカットやツッツキは、カット全体のプレーからすれば1つのパーツであるという認識が生まれます。

そして、1つ1つのパーツを強化するために分習法で磨いていくのです。

実際の試合では、ボールはフォアに来るかバックに来るか分かりません。

1つ1つの技術は未熟であっても良いので、早い段階から全体感を磨いていくべきです。

分習法の対義語として全習法があります。

この練習方法は、いきなり試合から入り、その中から課題を見つけていくやり方です。

こちらの方法も大切でかつ重要な方法ですが、初心者に対してやると課題が見つかり過ぎて逆に課題が散漫になることが多いです。

レシーブと4球目というように、課題を絞った方が最初は良いと思います。

まずは焦らずカットの全体感を磨き、プレーの土台を拡げる努力をすべきです。

そして色々な練習をレベルに応じて、バランスよく組み合わせていく事が大事です。

カットは足でする

これは、日本シェークカットマンの草分け的存在の故藤井基男さんは著書に記している言葉です。

カットマンに大切なのはフットワークです。

フットワークを覚えることで、プレーにリズム感が出てきます。

これが大切です。

基本的な足のさばき方をマスターした上に急に打たれた場合の様な、咄嗟の場合に対応できる動き方の両方が大切です。

ですので体力トレーニングとしては、足腰の強化が中心です。

瞬発力も大切ですが、むしろ持久力が求められます。

不調だったカットマンがフットワーク練習をやりこんだ結果、見事にスランプを脱出した体験例もあります。

先の全体感を覚えるためにも、前後左右、切り替えのステップを覚える必要があります。

カットで一番大事なコツは、「ボールの引き付け(ため)」です。

分習法で練習する時も意識してやって欲しいのですが、すぐに手を出したいのを我慢してボールを手元まで引き付けるのです。

5㎝ボールを引き付けるだけでも、ボールの威力はそれだけ弱まります。

ボールの威力が落ちたところを、自分のボールにしてカットしていきます。

この引き付け(ため)を覚えるためにも、フットワークが必要なのです。

上手なカットマンのプレーを観ていると、待っているところにボールの方から近づいてくる様に見えます。

カットは足でする、とよく覚えておいてください。

ツッツキで絶対の自信を得る

カットマンの指導をする時に、ついロングカットを中心に教えがちなのですが、実は試合で使うのはツッツキの方です。

ですからフォア・バック共に、ツッツキ練習に時間を使うべきです。(もちろんカットの練習もするのですが)

色々なサービスに対するツッツキレシーブも含め、徹底してツッツキ練習をすべきです。

カット同様、低く深く狙ったところに、思うような回転のツッツキを送れるようになるまで繰り返し練習します。

よく引き付けて送る球足の長いツッツキから、バウンド直後を鋭くスイングする攻撃的なツッツキ、さらにはナックルや横回転などツッツキにもバリエーションがあります。

しかし、基本は粘るツッツキです。

カットマン同士で、どれだけ粘れるかツッツキのラリーをやってみるのも良いです。

これは、精神面を鍛える練習にもなります。

「ツッツキが上手くなるにはどうしたら良いでしょうか?」と、ある一流選手が高島規郎先生に尋ねたそうです。

高島先生は、選手時代に全日本で3回優勝、世界選手権で3位にも入ったことのある、素晴らしいカットマンです。

高島先生はこう答えました。

「2万本ツッツキのラリーをしなさい」と。

200本でも2千本でもなく、2万本です。

一流選手と言えどもその敷居は決して低くなかったことが想像できます。

2万本のラリー練習を終えて後日尋ねると、高島先生はこう言ったのです。

「その2万本の中に2,3球、これはと思う ツッツキがあっただろう?」

2万本のラリーを思い返してありましたと答えると、

「そのツッツキの感覚を忘れるな。常にそのツッツキが出せるようにこれからも練習しなさい」

と言われたそうです。

その一流選手がその後もツッツキを練習し、ツッツキに絶対の自信を持ったことは、言うまでもありません。

剣豪宮本武蔵は剣の修行を次の言葉で表しています。

「百日の稽古を鍛とし、千日の稽古を錬とす」

ツッツキに絶対の自信を持てるほど、練習をやり込みましょう。

良い師匠を自分で見つける

卓球は、決して一人では上手になれません。

練習をパートナーはもちろんのこと、自分を指導してくれる師匠が必要です。

それは、カットマンも例外ではありません。

特にカットマンには、カット技術の性質上、マンツーマンで教えてくれる師匠がいることが望ましいです。

最初は、部活の顧問の先生かも知れません。

あるいは外部のコーチやスポーツ少年団のコーチかも知れませんね。

しかし、どの先生もコーチもあなた専属ではありません。

色々な生徒や選手を教えなくてはならない立場にいます。

あなたは、沢山いる選手のうちの一人です。

あなたに、つきっきりで指導してくれません。

しかも、カットを経験している人は少ないです。

ですから、自分から色々な人に積極的に教わる気持ちが大切です。

自分で自分のお師匠さんを探すくらいのつもりでいなくてはなりません。

それは、卓球に関する本や専門誌からヒントを得たり、ビデオや動画も良い先生です。

そして自分にとってのお師匠さんは、時を経てまた自分のレベルに応じて変わっていくのが普通です。

(卓球を始めた頃からずっと一人の師匠がいるのは稀なケースですが、それは多分幸せなことです)

私OBUの場合、中学時代はレギュラーになれず高校時代は弱小卓球部でした。

中学の顧問の先生はレギュラーしか教えない方針だったし、高校の顧問の先生は卓球はド素人でした。

ですからカットマンの基礎を固める時代に、誰かに手取り足取り教わった経験はありません。

負けて悔しかったし、どうしても強くなりたかったので、お師匠さんも自分で探すしかありませんでした。

当時はTVで卓球を扱うことも少なくビデオもなかったので、卓球の本や専門誌だけが頼りでした。

とてもハングリーな状態だったので、卓球にプラスになる事は何でもやりました。

それが大学時代に飛躍的に伸びた原動力になったし、ベテランと言われる年齢になった現在でも生きています。

自分よりもはるかにレベルの高い攻撃型の選手から、上手なカットマンの話を聞く事もあります。

前述の高島先生のツッツキの話も、実は全国レベルの有名選手から伺った話です。

学ぶ気になれば、本や人の話からでも学ぶことが出来るのです。

でも今は情報が沢山あり、指導者も増えたので探そうと思えば必ず見つかるはずです。

良い指導者につくことも、上達するコツの1つです。

この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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