【OBUコーチ】卓球で取り組むべきレシーブにおけるフライングとは?
「フライング」と聞くと、
- 先行
- 先走り
などという言葉を、連想すると思います。
それは、良いイメージですか?
それとも、悪いイメージですか?
陸上や水泳のスタートでは、フライングは失格となるので悪い意味ですよね。
「先んずれば人を制す」という諺がある様に、良い意味もありますよね。
最近、「卓球には良い意味のフライングがある」ことを改めて思いました。
きっかけはA先輩
コロナ禍で公営の卓球場が使えない時に、A先輩がやっている私設卓球場に行かせて頂きました。
Aさんのご紹介を、少しだけします。
Aさんは、仕事の方はすでに引退されていて、日々卓球三昧の生活をしています。
友人の農家さんの倉庫を改造し、卓球仲間で資金を出し合って私設卓球場を作りました。
その卓球場で毎日卓球の練習と研究、そして身体にハンデを持っている数名の選手を指導しています。
私がAさんの取り組みが素晴らしいと思うのは、指導している選手の皆さんが、生き生きして楽しそうだという事です。
卓球の技術だけでなく、身体の機能の一部が以前よりも向上したとのことです。(ご本人がそうおっしゃっています)
ハンデを負ってしまったので、使わなくなっていた身体の機能が、卓球の練習を通じて回復してきたのです。
練習をすることで、使っていなかった身体の機能を使わざるを得なかった、というのが本当のところだそうです。
「人間の身体は使わなければ退化するし、使い続ければ進化する」
そう知識では知っていましたが、身近な人が実際にそうなるのを知り「本当にそうなのだ」ととても驚きました。
レシーブの時の足の動き出し
そのAさんに、足の動かし方を教わりました。
レシーブ時の足の動き出しの、やり方です。
レシーブの構えというのは、一度、身体の動きを止めて静止します。
相手のサービスのトスに合わせて、左、右(人に寄っては右、左)と軽く身体をゆするように体重移動するのです。
軽くステップしても良いと思います。
細かいことで見逃しがちですが、これも実はとても大切なフットワークの1つです。
それまでの私は、陸上選手のスタートの様に、サービスが打たれてからヨーイドンで動き出していました。
ですから、レシーブの態勢を作るのに遅れることが時々ありました。
そうではなく、サービスが出される前に少しだけ動き出すのです。
本格的にパッと大きく動く前の、準備の様な動きになります。
陸上競技なら、完全にフライングです。(笑)
でも、卓球競技はこれをやるべきです。
一流選手の動画を観ると、レシーブの構えで上体を倒して視線を下げ、相手のトスに合わせて上体を起こしながらこの動作をやっています。
心の中で「イチ、ニ」と数えると良いと、Aさんは私にアドバイスをくれました。
レシーブ時に意識して行う様にしてから、私は動き出しが早くなり、以前に比べて格段にレシーブが良くなってきました。
レシーブ時だけではない
このステップは、レシーブ時に限ったことではありません。
- フォア前レシーブをやった後の戻り
- 打球動作と打球動作の間のつなぎ
の時にこれをやると、抜群に良いのです。
私は、サービスを出す前も、足の位置を決める時に心の中で「イチ、ニ」と数えています。
フ~っと息を吐きながら、これをやります。
心が落ち着き頭が冷静になりますので、意識的にやっています。
色々な場面に、このステップは応用出来ます。
調子が悪い時や戻りが遅い時などに、「もっと足を動かせ!」とアドバイスを受けると思います。
具体的にどう足を動かしたら良いかという問いに対する答えが、このステップだと私は思います。
是非、あなたも意識的にやってみてください。
動きがよくなり、プレー全体にリズムが出て、打球に余裕が生まれてくるはずです。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)