体重移動の仕方について~初心者から脱皮するために~
卓球初心者は、よほど指導者がしっかり教えないと我流の打ち方になってしまいます。
腕だけで打つ、所謂「手打ち」になります。
もちろん卓球には、腕だけで打つ場面もあります。
しかし上級者が腕だけで打つのと、初心者のそれとでは意味合いが違います。
体重移動をマスターし場面により使い分けている上級者と、そもそもの体重移動を知らない初心者とでは雲泥の差があるのです。
まずは正しい体重移動をしっかり覚えて、その上で使い分けることを目指しましょう。
今号では右利きのシェーク攻撃型を想定して体重移動の仕方についてお話します。
大切な体重移動
卓球の球威は、インパクトの瞬間の衝撃の強さで決まります。
これは野球のバッティングやテニスなど、道具を使って球を打ち返す競技全般に、一般的に言えることです。
普通の人が腕だけで打つ力を1とすると、腕の力が強い人でも2か3といったところでしょうか。
ところが、足腰を上手く使うと、腕だけで打った場合に1だった力が、10や20にもなるのです。
分かり易いのは、空手や拳法です。
腕による突きよりも、足による蹴りの方が相手に与えるダメージは大きいです。
ゴルフでも非力な女子選手が、ボールを遠くまで飛ばすのは、美しいフォームで体重移動がしっかり出来ているからなのです。
卓球でも同じことが言えます。
腕だけよりも足腰を使う事、つまり体重移動が大切だという事です。
前陣での体重移動
最近の卓球事情では前陣速攻が主流となり、台からの距離で体重移動の仕方も変わって来ました。
前陣と中陣~後陣では、仕方が違います。
時間的余裕があるかないか、とも言い換える事が出来ます。
まずは前陣です。
ピッチの速い現代卓球では、コンマ3秒でボールが飛んで来ますので、腕だけで打ちます。体重移動はしません。
肩甲骨打法で楕円を描きながら、ラケットを振って行きます。
手の届く範囲で敢えて体重移動するのであれば、左足から右足です。
フォアハンドを打ちながら「右、右」と心の中で呟きながらやると良いです。
バックハンドの時も同じで、左足から右足です、
前陣で身体から遠い所に打たれた時は、近い足を踏み出します。
フォアハンドであれば右足、バックハンドであれば左足です。
この辺りの足の動かし方は、先回の記事「現代卓球に必要な実践的フットワーク練習とは?」をご参照ください。
この時の体重移動の仕方は、踏み込んだ足に体重を乗せます。
フォアハンドであれば左足から右足、バックハンドであれば右足から左足です。
中陣~後陣での体重移動
次に中陣~後陣での体重移動ですが、前陣に比べると時間的余裕があるので、それだけ身体が使えるのが特徴です。
フォアハンドの時は、まず右足に体重を乗せしっかり溜めを作ってボールを引き付け、左足に体重を乗せながら打球します。
振り終わりは完全に左足に体重が乗ります。
左足で蹴ってニュートラルに戻ります。
身体の使い方のポイントとしては、右足の蹴る力をしっかり打球に伝えることです。
バックスイングの時に右ひざを曲げて、やや腰を落とし力を溜めるのです。
身体の中心に軸があり、その軸を中心に身体全体を回すイメージです。
まず膝と腰が回り、それにつれて上体と腕が回ります。
スローモーションだとそうなりますが、全体で見た時にはスムーズで、1つの動きに統一されています。
バックハンドの時は、フォアハンドの様な大きな体重移動はなく、両足に体重を掛けておき、腰の回転を使って打ちます。
まとめ
1.球威はインパクト時に決まるので、インパクトの瞬間に力を集中する。
2.そのためには腕だけでなく身体全体、特に足腰を使って体重移動を行う。
3.前陣と中陣~後陣とは体重移動の仕方が違う。台からの距離、時間的余裕に応じ体重移動の仕方を変える。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)