知る、分かる、出来る、使える

スキルアップ

卓球の技術を覚える段階として、以下の4つがあると私は思います。

1.知る。
2.分かる(理解する)。
3.出来るようになる。
4.試合で使えるようになる。

今号では、チキータを題材に、卓球の技術を新しく覚えるには、どういう段階を経るのかをお話します。

知る

今ではすでに標準装備が求められているレシーブの1つであるチキータですが、最初はセンセーショナルでした。

「台上レシーブの中にバックハンドで先手が取れる技術があるのだ・・」

「森薗選手が凄く上手いらしい・・」

「あんな技術が出来たら良いな・・」

など、色々な感想があったと思います。

今は、卓球雑誌の他にもYouTube動画など新しい情報を得るツールは多彩です。

最初は「へぇ~珍しい技術があるのだ」という新鮮な興味だと思います。

流行など新しいものにすぐ飛びつくのはどうか、などと言う方は、もしかしたら感性が老化しているのかも知れません。(私も気を付けます!笑)

何事にも興味を持って情報を集めるのは、とても良い習慣だと私は思います。

まずはアンテナを高く張り、色々な情報ツールを駆使して、情報を集めるということですね。(^^;;

分かる(理解する)

次にこの段階ですが、

「では、どういう仕組みでチキータという技が出来るのか」

を分かる必要があります。

なるほど、ボールが回転する方向と、ちょうど90度の角度でラケットを振れば回転の影響を受けないのか、と。

実際は、よほど精度が良くないと、90度の角度は出せないはずだから、正確には「ほぼ影響を受けない」という表現になる。

という事は、ナックルサーブに対してチキータするのが一番楽だという事か。

バナナの様に曲がるから、このレシーブの名前が付いたのか。

回転の性質上、4球目はバックに返る確率が高いのか。では、そのパターンを練習しよう。

チキータを打つ構えを見せて、ストップしてみたらどうだろう。

バック前、ミドル前くらいは、チキータで狙って行けそうだ。

などなど。

仕組み、使い方、効果など、チキータの事を知れば知るほど、色々な事が「分かって」きます。

新たな疑問も増え、上手い選手はどう使いこなしているのか、など、さらに深く知ることになります。

小中学生は、この段階はパスしても良いかも知れません。

理屈よりも感覚で技術を覚える年代で、

「よく分からないけど何となく出来る」

ことで、技術を吸収するからです。

そういう年代には後付けで、使い方を教えてあげるとより理解出来ます。

また、他の新しい技術を覚える時に、チキータを覚えた経験が活きます。

高校生以上の大人は、逆に、新しい技術を覚える時に先に理屈を理解した方が良いです。

「頭で理解し、身体で覚える」

ことで、技術を吸収する年代です。

便宜上、中学生以下と高校生以上に分けましたが、あくまでも目安で、人それぞれだと思っていてください。

大人でも感覚が優先する人もいますし、子供でも理解が先行するタイプもいます。

出来るようになる

チキータと言う技があることを知った、その仕組みも分かった、さあ、後はやるだけという段階です。

まずは、見よう見真似でやるのですが、最初から上手く行くはずはありません。

一番良いのは、多球練習で球出ししてもらい繰り返し練習するやり方です。

チキータに限らず、どんな技術にも、「上手く行くためのポイント」があります。※そのポイントが何かを知ることも大切です。

チキータの場合、脚、顔、肘、ラケットの4つが、打球前のポイントとなります。

まず脚を使って、サーブの落下点へ素早く移動出来ているかということです。

これが遅れると十分な体勢で打てません。

ワンツーステップの後、最後に右足を大きく踏み込んで身体を寄せているかが、最初のポイントです。

次に顔をボールに近づけているか、と言う点です。

せっかく脚を使って身体を寄せても、顔を近づけてないとやはり良いチキータが出来ません。目線を下げて狙いを付けます。

3番目に肘です。肘を高く上げて打球の為の空間を作らなくてはなりません。

初めて取り組んだ時は、この肘が上がらず、私は大変苦労しました。

球出しのトレーナーに、自分では気付きにくいクセをチェックしてもらうのが良いと思います。

最後にラケットです。バックハンドグリップで手首を充分に曲げ、指の力を抜き、バックスイングを取ります。

ラケットヘッドを下げ、振り子の要領で手首を曲げます。

打球直前までの、この4つのポイントで、良いチキータが出来るかどうか決まります。

出来るようになるためには、上手く行くためのポイントを挙げて、その1つ1つをしっかりやって行くのだと覚えて頂ければここでは結構です。

どうしても、強く打ってやろうとか、上手くレシーブをやろうなどと、余計なことが頭をよぎり、力みます。

まずは「脚、顔、肘、ラケット!」と呪文のように覚えて、しっかりとしたチキータレシーブの体勢を取ることです。

この体勢を作るところまでが、一番覚えるのに苦労するところです。

体勢作りさえ覚えれば、もうあなたは、チキータを半分以上マスターしたようなものだと私は思います。

打球時のポイント、打球後のポイントとそれぞれあるのですがここでは述べません。

以前のメルマガ、「チキータについて その5」や「チキータの時のフリーハンド」を参照にしてください。

初めてチキータが出来た時は、感動モノでしたよ!自分でもやれば出来るんだと自信になりました。(^^)

試合で使えるようになる

さて、今まで第一段階から第三段階まで、見てきましたが、最後の第四段階が、「試合で使えるようになる」です。

個人的には、第三段階から第四段階が最も乖離がある様に思えるのです。

出来るようになることと、試合で使えるようになることには、大きな差があるのです。

試合で使おうとしなければ、永久に試合で使えるようにはなりません。

まずはゲーム練習で、思い切って使ってみることです。

4つのポイントを頭で復唱しながらボールに近づき、ボールの左横を振り抜いてみましょう。

ミスの原因を分析して、アジャストして行きましょう。

チキータは攻撃準備打なのだという意識で、打球後は次球に備えましょう。
(バックに返って来ることが多いです)

試合で、それも試合の重要な場面で、使えるようになるまで、勇気をもってトライアンドエラーを繰り返しましょう。

PDCA(Plan、Do、Check、Action)を可能な限り早く回すのです。

こうすることで、必ず試合でも使えるようになってきます。

 

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この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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