【OBUコーチ】カットマンに向いている人の特徴
卓球の戦型には、
- 向き
- 不向き
があります。
例えば、すぐ頭に血が上りカッカする人は、カットマンには向きません。
では気が長い人がカットマンに向くかと言うと、そうばかりでもありません。
カットマンに向いている人の特徴というのは、どういうものなのでしょうか。
一昔前のカットマンに向いている人
カットマンが守備中心のプレーだった頃、カットマンに向いているのは、とにかく「気の長い人」でした。
「カット=粘り」というイメージが強かったので、ずっと同じことをやり続けることが出来る人というのが、カットマン向きでした。
体力的には、長身の人が良いとされ、マラソンなど長距離走が得意な人がカットマンに向いているとされました。
私が中学生の時はもっと乱暴な決め方で、鈍足で不器用そうな選手は、先輩の一言でみんなカットマンにさせられました。
私も実は、こうしてカットマンになりました。
鈍足で不器用だったからです。
しかし、あれから40年以上たった今では、カットマンになって本当に良かったと思っています。
小学生の頃に水泳をやっていたので、持久力と精神的な粘り強さだけは、当時からありました。
カットマンに向いているかもと思われる資質は、本当にそれだけでした。
でもご安心ください。
どんな人でも、きちんとスポーツマンの身体を作り、正しい努力をすれば、必ず一定のレベルのカットマンになれます。
現代のカットマンに向いている人
現代のカットマンに求められている技術は、まず相手の強打を凌ぎ切る守備力です。
その上に
- 変化
- 攻撃力
です。
特に攻撃力は必須です。
攻撃型と同等以上の威力ある攻撃力がないと、上のレベルになるほど勝つのが難しくなります。
体力面で求められるのは、強靭な足腰です。
さらに持久力のみならず、瞬発力が必要です。
そして、無理な体勢を取れること、またそこから素早く復元できる、体幹の強さが求められます。
脚力で言うと、中距離を高速で走れる脚力。
もちろん、短距離も速い。
しなやかで、総合的な体力が求められます。
精神面では、一番目は粘り強さです。
少々な事ではへこたれない・あきらめない。
そういう意志の強さが必要です。
二番目は、長い目でモノを見る能力です。
一種の気の長さや忍耐力に通じるものです。
発想の転換力と言っても良いです。
例えば、試合の中で1ゲーム目・2ゲーム目を落としても、
「なあにこれからさ。試合は3-2で勝てば良いのさ」
と開き直れるか、またそうなるように戦術転換できるか、ということです。
また、選手としての成長の中で、なかなかカットマンとして芽が出なくても
「カットマンはみんな大器晩成。長い冬を耐えてこそ本物になれるのさ」
と、自分に負けずに向上心を持ち続けられるかということです。
まとめると、カットマンに向いている人は、
- 持久力と瞬発力を兼ね備えている
- しなやかで強い身体的能力を持つ
- 精神的にも粘り強くコツコツ努力をし続けられる
人となります。
能力と努力
以上はあくまでも理想で、こういう能力を持っていないとカットマンになれない、と申し上げているのではありません。
もともと能力というのは後天的に鍛え得るものですので、理想の形に近づきましょう、ということです。
能力が最初から備わっているケースを、「あの人は才能がある」とよく言います。
才能があれば有利ですが、才能がありさえすれば試合で勝てる・一流選手になれる、というものでもありません。
才能が無くても、努力してチャンピオンになった選手も沢山います。
ですので、努力の方向性はとても大事です。
正しい努力をしないと、選手は遠回りばかりしてしまいます。
そういう意味で、コーチの果たす役割はとても重要です。
選手とよく話し合って、正しい方向に導いてあげる必要があります。
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)