初心者が最初に学ぶべきサーブの種類

OBUコーチ サーブ

サーブの種類は沢山あった方が戦術の幅が広がって良いです。

色々なサーブを出すことで、相手を混乱させることも出来ます。

では、やみくもに、サーブの種類を増やせば良いかというと、必ずしもそうではありません。

初心者が最初に学ぶべきサーブの種類は何か、またどうやってサーブという1つの技術に向き合うべきか、考えて行きましょう。

レシーブ中心の考え方

試合はサーブ・レシーブで始まります。

自分のサーブも大切な技術ですが、相手のサーブをレシーブ出来なければ、試合になりません。

ですから色々な回転があることを知り、その対応を1つずつ覚えることが大切です。

初心者には難しくて音を上げそうになるかも知れません。

ただ「正確な角度を出せば正確に返る」事を身体で感じることが重要なのです。

初心者にはその体験をして欲しいのです。

全種類のサーブを最初から完璧に返せなくても構いません。

やられたらやり返せ、ではないですが、立場を変えて今度はサーブを出します。

本当の初心者にとっては、「回転を掛けて相手コートにサーブを入れることが、こんなにも難しいことか」と愕然とすると思います。

でもご安心ください。必ず誰でも出来る様になります。

指導者は根気よく、選手にサーブとレシーブのコツを教えてあげて欲しいです。

その時に、サーブとレシーブをセットで練習するのが、私は良いと思います。

サーブを練習することでレシーブが分かり、レシーブを練習することでサーブが分かるからです。

難しいのは、レシーブ時に、相手のサーブの回転の見極めることを教えることです。

ある卓球指導者は、選手を台横に並ばせて、上手い選手に種々のサーブを出させて、回転を当てさせるゲームをしています。

こういうゲームをやらせるのも良いやり方でしょう。

初心者が最初に学ぶべきサーブの種類

それはずばり「縦回転系サーブ」です。

縦回転系とは、下回転と上回転です。

その理由は、「初心者同士の試合でよく使うから」です。

何故か以前から日本の中学生は、一番最初に教わるのがロングサーブとフォアハンドです。

フォア打ちがある程度出来たら、カットサーブとツッツキです。

初心者同士の試合はほとんどツッツキです。

ミスしない方が勝ちます。スマッシュやドライブやバックプッシュなど攻撃技に結び付けられると、さらに勝てるようになっていきます。

初心者から始める中学生の部活などは、人数が多い関係でこういう傾向が強いのが現状です。

ですからロングサーブとカットサーブは、最初に学ぶべきサーブと言えるでしょう。

では2番目に学ぶべきサーブは?

それは「相手から逃げるサーブ」です。

ここから横回転系の技が入ってきます。

斜め回転も同時に覚えると良いでしょう。

フォアサーブの順横回転を相手のバックへ出すとボールが曲がって飛んで行きますので相手を大きく動かすことが出来ます。

バックサーブの逆横回転を相手のフォアへ送ると、同様に相手をフォアサイドへ大きく動かすことが出来ます。

サーブで相手を大きく動かすことが出来る、サーブで相手を崩せるのだ、ということをこのサーブから学びます。

レシーブを返されても、3球目では逆方向へボールを送ることで相手のミスが高い確率で期待出来ます。

また相手のレシーブのコースをこちらの意図する方へ強制させることを覚えます。

自分のフォア側とバック側のどちらに返って来やすいのか、から入り、相手がこういう体勢になったら自分のフォア(バック)側しか来ない、ということまでを段階的に覚えるのです。

横下系と横上系をサーブの中に混ぜて、エースの取り方と3球目攻撃への繋がりを学んで行きます。

自分の戦い方の形が出来る段階なので、じっくり時間をかけて取り組みたいところです。

3番目はあるの?

もちろん、3番目もあります!(笑)

それは「トリックサーブ」です。

どうせ覚えるのなら、遊び心が満載で、思いっ切りトリッキーなサーブが良いです。相手が一瞬戸惑うものです。

但し、自分ではトリッキーだと思っても試合で使えなかったり、相手に簡単に取られる様ではいけません。

やはりサーブそのもので得点してしまう、得点力のあるものが、ここでは良いのです。

長さよりも回転量を重視します。

代表的なトリックサーブは、しゃがみ込みサーブです。

このサーブの使い方は、試合のヤマ場でここぞという時だけに使うことです。

普段は使わないで隠しておくので、別名「隠しサーブ」とも言います。

飛び道具の様に使うワケですが、これにもコツがあって、同じフォームから最低2種類の回転を出せることなのです。

最初は相手が慣れていないから、1種類でも効くのですが、相手も研究してくるからです。

「あのサーブの時は横上回転だな」と相手は傾向を読み対策を練ってきます。

そう思わせておいて、横下回転を出します。

このように「エサを撒く」ような使い方が上手な使い方です。

サーブは3球目があってこそ

初心者(及びその指導者)に強調して伝えたいことがあります。

それは「サーブは3球目攻撃とセット」だということです。

当たり前ではないかと言われそうですが、意外に見落とされていることです。

サーブの練習ばかりして、その後の3球目に結びつける練習をしていないケースが多いのが事実です。

せっかく良いサーブがあっても、これでは宝の持ち腐れになる可能性が高いです。

威力ある3球目を打たれると相手に思わせてこそ、レシーブをビビらせる効果があり、サーブでエースが取れる確率が上がります。

つまり、相乗効果があるわけです。

1点集中主義という考え方もある

3球目に結びつけるという点で、こんな考え方もあるという一例を挙げます。

古い書籍で私が読んだエピソードです。

記憶が曖昧ですが、およそ以下の話です。

その選手はバッククロスのロングサーブが得意だった。
スピード・回転共に威力があり格下の選手にはノータッチで抜けることもしばしばあった。
来ると分かっていても取れない、という種類のサーブであった。
当時はバックハンドはフォアハンドの補助的技術として位置付けられており、バックハンドでの強打・攻撃は皆無であった。
レシーブは彼のサーブを当てて返すショートが中心で彼はそれを狙い打った。
バックへ来れば回り込んでスマッシュし、フォア来れば飛びついてスマッシュしたのだった。
相手がヤマを張り回り込もうとした時だけ違うコースにサーブを出した。
彼の練習時間のほとんどはその技術の錬磨に充てられた。
相手は何とか彼のタイミングを外そうとしたが、彼にとっては想定内の変化に過ぎなかった。
左利きやカット型にも同じ戦術を採った。
かくして彼は唯一無二にして絶対の戦術を確立していった。
彼のサーブと3球目で決まる確率はほぼ100%であったのだ。
彼はどんな相手にも同じ戦術を採り、勝利の山を築いていった。
ある技術の単純化を深く追求することで、その戦術は鋭利な刃物の様に尖り、格上の強い相手をも倒すことが出来るのだ。

限られた時間の中で最も効率よく得点するための1つの考え方の例として挙げました。

器用貧乏になるよりも、1点集中主義の方が良い成績を残す可能性もあります。

まとめ

以上、サーブについて述べてきましたが、まとめると以下の様になります。

1.初心者が最初に学ぶべきサーブの種類は縦回転系(上回転、下回転)。初心者同士の試合で勝てるようになろう!
2.次の段階として横回転系を覚える。もう1ランク上を目指そう!
3.レシーブを強制させて、3球目攻撃に結び付ける。自分の型・得意技を作る段階。じっくり時間をかけて取り組みたい。
4.必殺サーブを磨く。ここぞという時のためにトリックサーブを覚えよう。しゃがみ込みがオススメ。

サーブから3球目攻撃を覚える段階は、卓球が最も面白いと感じられる段階でもあります。

指導者も最も指導のやりがいがある段階でもあります。

試合で勝てることを夢見て、是非興味を持って取り組んで頂けたらと思います。

 

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この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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