カットマンに効くサービスを出すときに意識することとは
どんな戦型と対戦するにしても、サービスを効かせていかなければ、試合を優位に進めることが出来ません。
サービスを効かせるためには、まずサービスを磨かなくてはなりません。
サービスを磨く2つのアプローチを、前半で述べます。
後半では、カットマンという戦型を知り、どのようにサービスを効かせていくかについて述べていきます。
サービスを出す時に狙うこと
どのような戦型の相手であっても、サービスを出す時に狙うことがあります。
それは、ずばり「サービスエース」です。
サービスで1本得点できれば、これほど効率的な点の取り方はありません。
変化が全く分からないほど相手を幻惑することが出来れば、サービスで得点することが出来ます。
卓球の3要素は、
- 回転
- スピード
- コース
ですが、それはサービスにも該当します。
- 回転が掛かれば掛かるほど
- スピードが速ければ速いほど
- コースが厳しければ厳しいほど
相手にとって、レシーブがやりにくくなります。
そういうサービスの要素を磨いていく絶対的なアプローチ方法が、1つです。
もう1つの方法が、相対的なアプローチです。
一言で言うと、「相手の予測を外す」方法です。
絶対的なアプローチが
- 分かっていても取れない
という印象を相手に与えるサービスを磨くことならば、相対的なアプローチとは、
- どちらに来るか分からない
- 横上なのか横下なのか分からない
- 思ったよりも切れている
- 思ったよりも伸びてきた
などという印象を、相手に与えるサービスを磨くことです。
そのためには、
- 異なる種類のサービスの組合せ
- モーションや軌道を似せる工夫
などが、必要となります。
絶対的・相対的の両面でサービスを磨くと、次第にサービスエースが取れるようになってきます。
サービスエースを狙うと同時に、狙うことがあります。
それは、「レシーブを強制させ、自身の3球目攻撃に結びつける」ことです。
自分の最も得意とする3球目攻撃がやり易いレシーブを、強制的に返させるわけです。
サービスを、3球目のための準備球として捉えるのです。
例えば、私は少し回転の掛かった浮いたツッツキをフォアドライブで攻めるのが得意です。
また、フォアへ動いて打つよりも、バックサイドに回り込んで打つ方が得意なのです。
だとすると、如何に
- 私のミドルからバック寄りに
- 少し回転の掛かって、かつ、浮いた
- ツッツキ
を、相手に返させるかを考えます。
そうなると、1種類のサービスではダメです。
何種類かを組み合わせて、かつ相手の心理を読み、相手がそうせざるを得ないような状況を故意に作り出すのです。
カットマンの狙いを知る
では、カットマンに対してはどうか。
それには、まず、「カットマンは、どんなレシーブの待ち方をしているのか」を知る必要があります。
一般的にカットマンは、ツッツキやカットのレシーブからラリーに持ち込むことを考えています。
得意の変化カットを送り、それを攻撃マンに打たせて、機を見て反撃することを狙っているのです。
レシーブとしては、台の全面に対してどこに出されてもカットやツッツキで返球出来るようにと考えています。
また、用具はバック面に粒高か表ソフトを使用していることが多いです。
フォア面には裏ソフトを使用して攻撃を兼用させ、バック面の異質ラバーであなたの攻撃を受け止め、変化を付けて対抗しようとしているのです。
以上が、一般的なカットマンの狙いです。
ただ最近は、攻撃力のあるカットマンが増えて来つつあります。
彼らは、レシーブから攻撃して来ます。
不用意に甘いサービスを出すと攻撃で狙われてしまいますので、サービスの長さに特に気を付けます。
強い攻撃をしにくいサービスを出せば、攻撃されたとしてもこちらは怖くないです。
カットマンに効くサービス
- カットマンの狙い
- レシーブでの待ち
を認識したうえで、サービスを効かせていきます。
セオリーとして、全面待ちでカットレシーブをしようとしているカットマンの泣き所は、以下の3つです。
- フォア前
- 深いフォアミドル
- 深いバッククロス
1.フォア前
ロングサービスを警戒させておいてフォア前にサービスを出すと、ツッツキレシーブをしてきます。
ツッツキレシーブはラケット面が上を向いていますので、強烈な横下を見せておいて、横上系を混ぜていきます。
こうしておきますと、かなりの確率でレシーブが浮きますので、すかさず3球目攻撃を相手のミドルまたはバック深くに仕掛けます。
2.深いフォアミドル
カットマンはフォアミドルが弱いので、全面待ちしている時は特に有効です。
出来れば順横回転系サービスで、懐に食い込ませるサービスを送ると有効です。
フォアカットで処理してきた時は、フォアサイドが空くので狙いどころですが、3球目はもう一度ミドル攻撃が良いです。
カットマンに限らずどの戦型でも言えることですが、人間は本能的に弱いところを防ごうとするものです。
この場合では、フォアサイドを守ろうとする意識が働きます。
ですから、守備の意識の薄いミドルを敢えてもう一度突くわけです。
3.深いバッククロス
バッククロスは得意なカットマンが多いのですが、スイングの構造上、身体を捻り大きく動くことは間違いありません。
バッククロスへ大きく伸びるサービスを見せておき、ナックルロングサービスを混ぜていくのです。
大きく動くことに意識が行っていると、回転の変化への意識が薄れます。
それに加えて、バック面の異質ラバーは回転の変化に弱いのです。
ナックルを返球するのは特に難しく、かなりの確率でネットミスをします。
以上のように、セオリーとしての弱点を突くと言っても単純に行うのではなく、相対的な要素を採り入れながら攻めます。
この場合の相対的な要素とは、「エサまき」のようなものです。
1.~3.を上手に組合せてサービスを出すと、カットマンに対しては特に有効です。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)