【OBUコーチ】自分を変えるとはどういうことか?
私は、自分のプレースタイルを変えようと、今現在取り組んでいます。
この取り組みは楽しいと思う反面、苦しいと感じる時もあります。
あまり、周りに理解してもらえないからです。
自分を変えるのは、とても勇気のいることです。
今までのやり方にすがり付いていた方が、どれだけ気持ちが楽だろうかと思ったこともありました。
ですから、たとえ今は結果が出ていなくても、その勇気を称えるべきだと私は思うのです。
ある大会での出来事
最近、2つの大会がありました。
その2つとも、全国大会へつながる県の予選会でした。
1つ目の団体戦で、こんなことがありました。
5番のラストで、出番が私に回ってきました。
相手は、今までの対戦では一度も勝ったことのない選手でした。
前回までは、こちらがカットで粘ってもミスなく私以上の粘りで打って来て、最後は寄り切られるという展開でした。
同じ様に戦ってもきっと勝てないことは、私は充分に認識しておりました。
3ゲームマッチという超短期決戦ということもあり、私は積極的に攻撃する覚悟で臨みました。
結果、2-0で勝つことが出来ました。
チームも、3-2で勝利することが出来ました。
しかし、ベンチに戻って勝利を喜び合ったのは束の間で、私の至らない点などを皆に指摘されました。
- 無理な3球目攻撃をし過ぎ
- 難しいボールまで決めに行っている
- もっとカットに徹したらどうだ
- カットからの反撃は決まっていたぞ
- ミスするくらいなら3球目は打つな
確かに結果的に勝利は収めたものの、相手の得点の半分は私の攻撃ミスだった事実を考えると言われても仕方ありません。
発展途上、という私の孤独
私は、今までの守備型カットマンから、超・攻撃型カットマンにシフトしようと取り組んでいます。
試合では、その成果を試そうと思って臨みました。
もちろん、勝利も目指していました。
- 現時点でどこまで出来るか。
- 何故そう思ったのか。
- どういうプレーを目指しているか。
- どんな努力をして完成度はどれ位なのか。
ただ、そのことをチームメイトに詳しくは話していませんでした。
全員といつも一緒に練習出来たわけでもありませんでしたので、話す機会も無かった事情もあります。
だから、私の胸中を理解されなくても仕方ないと思います。
「あぁ、分かってくれとは言わないが、そんなにオレが悪いのか♪・・・」
と、10代の不良の心情を歌った歌詞がありました。(懐かしい!)
それと似た様な、捻くれた寂しい気持ちに陥りました。(笑)
しかし、私はこう思っているのです。
「今回の一番の勝因は何か。それは攻めの姿勢を最初から最後まで貫いたことだ」
カットからの反撃があれほど決まったのは、攻撃するぞという積極的な気持ちがあったからです。
3球目攻撃にミスは出たものの、少なくとも攻撃に「迷い」はなく、全て思い切り打ちました。
もし、私が弱気になってカットで粘る戦術を採っていたら、以前のような展開になって押し切られて負けていたでしょう。
同じ内容の負け方を繰り返している様では、進歩・工夫が無いと私は考えます。
道は一つ
周囲を納得させる方法は、ただ一つ。
それは、「攻撃の精度を上げる」ことです。
精度というのは、
- 確実性(ミスがほぼない)
- 球威(回転、スピード、コース)
- 種類(ワンパターンでなく数パターン)
- 戦術(パターンの組合せ)
を指します。
平たく言うと、カットのラリーも含め、どこからでも攻撃出来ることです。
(オールラウンドプレーと言われるもの)
相手に読まれてこちらの攻撃を返された時に
- 次の一手が担保されているか
- 相手を読んで攻撃する柔軟性を持ち合せているか
私の尊敬するミスターカットマン、高島規郎先生の著書「卓球戦術ノート」にこの様な記述があります。
(抜粋)
- カットマンの攻撃はノーミスが絶対条件ちなみに、カットマンが絶対やってはいけないのは攻撃のミスである。
カットマンが攻撃に出た時には100%入らないと勝てない、と思っておく必要がある。
一般的にカットマンが攻撃してミスをすると「なぜ打つんだ。カットしておけばいいじゃないか」と指導者などから言われてしまう。
すると、自信を失ってどんどん打てなくなる。
だからこそカットマンの攻撃は、最初から最後までノーミスで打てるように精度を高めておき、自分にもまわりの人間にも「説得力」を持たせる必要があるのだ。
(抜粋、終わり)
私は攻撃が未熟で、自分にもまわりの人間にも「説得力」がないのだと痛感しました。
試合後にチームメイトから色々なアドバイスを受けた後、私は私自身にこうアドバイスしたのです。
「今のままで良いのだ。いや、もっと積極的に試合で攻撃しろ。ただし、打つボールを選べ」と。
私の「自分を変える」挑戦は、まだまだ道半ばで、これからも続くのです。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)