【OBUコーチ】多球練習を繰り返したことで気づいたこと
最近の私は、先輩のAさんの私設卓球場にお邪魔して、多球練習を沢山しています。
その中で気付いた事がありましたので、今号ではそれらについて述べます。
どんな練習をしているか
多球練習とは、いわゆる「ノック」です。
Aさんにどんどん球を送ってもらい、私はそれを打ち返します。
メニューとしては、
- バックハンド(ブロック)
- バックハンド
- フォアハンド(コース打ち分け)
- バックカット
- フォアカット
- フォア前レシーブ
- バック前レシーブ
- レシーブ+4球目(チキータを含む)
- サービス練習
です。
多球練習の後、ネットを片付けて、
- フォア対フォアでフォアクロスのラリー
- バック対バックでバッククロスのラリー
- フォア対バックでフォアストレートのラリー(交代あり)
をします。
書き出してみると、意外に沢山のメニューをこなしていることが分かりました。(^^;
実際は、日によって付け加えているメニューもあります。
フォアやバックのドライブ練習や、カットのフットワークの練習がこれに加わる事もあります。
多球練習の良さ
多球練習の良い所は、「打球感覚を磨くことが出来る」ことです。
1球練習でやると、球拾いをしている間に打った感覚が薄れて行ってしまいます。
また同じボールが来ることが少ないので、ラリーを再現して打球感覚を確認することが難しいのです。
それに対して多球練習は、同じボールがどんどん来るので、感覚を忘れない間に何回も確かめることが出来ます。
打球しながら高速に頭を回転させて、次はもう少しこうしてみよう、などと工夫を加えることも出来ます。
コツは、自分の打球が入るか入らないかは二の次に考えることです。
ミスの練習をしているわけではないので、あまりに入らないのは問題ですが、多少のミスは気にせずスルーすることです。
それよりも、ラケットにボールが当たる感覚やイメージ通り身体全体が使えているかなど、自分の感覚を大切にします。
何球に1球「これだ!」と感じたら、その感覚で常に打てるようにトライします。
多球練習で気を付けているポイント
多球練習をやる中で、最近特に気を付けているポイントは以下の2つです。
- 自分の打球を追わない
- 戻りを早くする
自分の打球を追わない
- ボールを良く見て打球する。
- 自分のボールがネットを超えるところまで目で追う。
- 超えると分かった瞬間に、相手を見る。
という動作を繰り返す、ということです。
以前の私は、自分の打球が相手コートに入るところまで、ボールを目で追っていました。
自分の狙ったところに入れる練習ならばこれで良いのですが、実際は相手の打球を連続して打ち返さなくてはなりません。
ですので、このやり方ではどんどん遅れてしまうのです。
自分の打球は、狙ったところに入るのが当然で、わざわざそれを目で確かめるまでもない。
それよりも、次に相手が何をしてくるのかを、体勢を見ながら素早く察知するのだ。
という意識を持つことが大切です。
目線を低くネットと同じ高さにすると、この視点の切り替えが素早く出来ます。
視線の先に、相手がいるからです。
戻りを早くする
卓球の基本として、よく言われることです。
多球練習の弊害として気を付けなくてはならないのが、この「戻り」です。
意識していないと、「ただ打つだけ」の「気持ちの良い」練習になってしまいます。
それでは、せっかく練習しても、実際のプレーに活きません。
色々な技を連続して行うのが、卓球のプレーだからです。
効果的なワンツーステップ
戻りを早くするために、具体的に何をするか。
それが、「ワンツーステップ」です。(呼び名は特にこだわりがありません)
小刻みに左足、右足をイチ、ニッで動かし、打球します。
打球後に左足、右足をイチ、ニッで動かして、ニュートラルに戻ります。
左足、右足の順番は逆になる事もあります。
打球の状況により、変わります。
また、細かく言うと3歩になる事もあります。
いずれにしても、打球前と打球後に、左足、右足をイチ、ニッと細かく動かすことなのです。
打球前には自然とやっているのですが、打球後は意識しないとやらないことが多いのです。
だから、意識的にやるべきです。
例1)
右利きがフォア前を処理する時、右(小)→左(小)→右(大)と、最後に右足を大きく踏み込んで打球します。
打球後は、踏み込んだ右足で蹴って、左(小)→右(大)→左(小)と、ニュートラルに戻ります。
細かく言うと3歩ですが、最初の左(小)のカウントを無視して、右(大)をイチ、左(小)をニとしてイチ、ニッでニュートラルに戻ります。
例2)
右利きカットマンがバックカットする時、左(小)→右(小)→左(大)と、最後に左足を左後方へ引いてカットします。
右足へ体重移動しながらバックカットし、左(小)→右(小)で、ニュートラルに戻ります。
この場合は、左(小)がイチ、右(小)がニとしてイチ、ニッでニュートラルに戻ります。
この様に、
- 打球前に細かく2歩
- 打球後に細かく2歩
を行うと、打球がしやすく、かつ戻りが良くなります。
戻りが良くなるということは、次の打球の準備が整っていることです。
チキータの練習も、この方法で足を使って行なうと、リズムが出て調子が良いことがやってみて分かりました。
全ては、「足から行う」ということです。
まとめ
多球練習で気を付ける2つのポイント
- 自分の打球を追わない
- 戻りを早くする
は、最初から分かっていたのではありませんでした。
何回も多球練習をする中で、Aさんと卓球について話し合い、より良い練習を模索する中で生まれました。
多球練習を「感覚を研ぎ澄ます練習」だけにとどまらず、「実戦で活かす練習」にするためです。
実際にやってみると、全てがフットワーク練習の様になるので、体力的にきついはずです。
私も、最初は半分の球数で音を上げました。
しかし、体力的にきついけれども、この練習を続けて行こうと思っています。
通常の練習に戻った時にどんな効果が出ているのか、今から楽しみにしているのです。
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)