【OBUコーチ】昔のカットマンの戦い方では、現代卓球では厳しい

OBUコーチ カット

こんにちは。

静岡のOBUです。(^o^)

いつも私の記事を読んでくださって、ありがとうございます。

あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

前号の「最近、衝撃的だった本」の中で、以下のように述べました。

高島規郎先生の「卓球戦術ノート」という本から抜粋したものです。

  • 2点目は、「しかし、結局、彼女はカットが取れるか取れないか、という部分を心配し続けてしまった。」という記述です。
    カットマンが主戦技術のカットにこだわり過ぎてカットで拾うことに執着してしまったということです。
    カットマンにありがちなこと、そしてそれはまさしく私自身であると気付いたからです。

「カットマンにありがちなこと、 そしてそれはまさしく私自身である」

今号では、この私の気付きをもう少し掘り下げたいと思います。

このボールをカットで返せれば・・

カットマンは、相手の強打をカットで拾おうと常に考えています。

そして、最初は相手のボールが取れなくても、何本もトライしているうちに、次第にリズムが合ってきて拾えるようになります。

こうなると、カットからの反撃も決まりだし、試合がカットマンペースになります。

相手としては、

  • 強く打ってもカットで返される
  • ストップなど前へ寄せると反撃される

と、だんだん八方塞がりの状態になります。

焦りがカット打ちの力みを誘い、ミスが出てきます。

カットマンは、カットに余裕が出てくると、ますます変化が冴えて相手を翻弄します。

こうして前半こそ相手ペースですが、後半は完全に自分のペースに持ち込み、最終的に勝利します。

これが昔のカットマンの勝ち方でした。

この勝ち方を理想とする考えが、今でもカットマンの間に根強く残っています。

私などはその典型で、まずはカットを引き相手の出方を見ながら試合を組み立てます。

  • 相手に強打を打たれて得点されても、このボールさえカットで返せれば、必ず後半は自分のペースになる。
  • カットで返す事で、相手に対するプレッシャーになる。

そう考えて試合をしています。

本に登場した女性カットマンも、そうした考えが心のどこかにあったのではないか。

私にはそう思えてならないのです。

11本制では遅い

昔ながらのカットマンの戦い方は、現在の11本制では効果が出るのが遅く、慣れる前に試合が終わってしまいます。

あくまで、21本制だった頃には通用した戦い方だったと思います。

ただ、11本制でもそういう試合展開が出来なくはないですし、その戦い方を否定するつもりは毛頭ありません。

実際、私も従来の戦い方で接戦で勝利した試合がいくつもあります。

しかし、いかんせん勝ち味が遅い。

特に、トーナメント戦のように、試合が続く場合には不向きな戦い方です。

現代カットマンの戦い方

では、現代のカットマンはどう戦えば良いのか。

そのヒントも「卓球戦術ノート」に書かれていました。

  • サービス、レシーブ、3球目攻撃、4球目攻撃で得点を狙う。
    カットマンがチキータを取り入れてもいい。
    チキータをしてはいけないというルールはない。
    レシーブ、3球目、4球目で得点できない場合に初めてカットに変化をつけて得点を狙う。
    それで決まらない場合だけカットのラリーが始まる。
    これからのカットマンはカットのラリーの前にチキータやストップをして相手に3球目攻撃をやらせずに、得点を狙う戦術を使うべきだ。
    (中略)
    今の時代、両面裏ソフトが最も可能性があるかもしれない。表ソフトや粒高というのは台上での戦術が限定されるからだ。
    裏ソフトの方が台上の技術は色々と使える。
    ただし、カットには難しさがあるから、そこは技術でカバーしなければならない。

この本文にある事を体現しているトップ選手が、日本に一人だけいます。

T.T彩たまの英田理志選手です。

スウェーデンリーグから日本に帰国し、現在はTリーグで活躍しています。

両面裏ソフトのカットマンです。

いや、カットマンではないです。

「アタック+カット型」ともいうべき新しい戦型です。

全日本選手権で、ダークホース的存在になり得ると私は思います。

私も両面裏ソフトなので、彼のプレーを真似したいと思っているのです。

この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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