『2で入り、7で打つ』
タイトルを見て、何のことだろう?と疑問に思った方が大勢いらっしゃるのではないかとと思います。
今号は、攻撃の際の脱力の話です。
と言われても、何のことだかワケが分からないと思いますので、早速お話を進めて参りましょう。
私の課題、攻撃力
私は守備型カットマンから、超攻撃型カットマンに変身しようとしています。
カットで粘り、相手のミスを誘う戦術から、全てのラリーが自分の攻撃で終わるような戦型に変わろうとしているのです。
もちろん、今までも攻撃をしてきましたが、もっと攻撃の比率を上げて行きたいのです。
今までの私の攻撃は、一撃必殺の様なやり方でした。
一発で打ち抜こうとし過ぎていたのです。
しかしこれからは、戻りを早くし、何発でも打たなくてはなりません。
特にプラスチックボールになってから、回転・スピードに於いて減衰が激しくなりました。
身体を上手く使い、タイミングを早くし、弾む用具を利用して、攻撃の手数を増やす方が有利です。
話は少し逸れますが、これからの試合では抗菌ボールが使用されることが決まったそうです。
早速打ってみましたが、やはり打球感が違いました。
試打したのはNittakuの抗菌ボールですが、少し柔らかく感じられました。
ラージボールほどではないにせよ、また一歩近づいた感じがしました。
ですので、
- 台から近い位置で連続して攻撃する
- 相手の打たせて前陣でカウンターする
という卓球がますます主流になっていくでしょう。
球威を出すために
一発で抜けるような強い球を打つ、というクセがついていたため、打球前からかなり力が入っていました。
例えて言うと、10ある力のうち、バックスイングの時点で6使っていて、10で打ち終わっているのです。
全力を使ってしまうので戻りも遅い。
これではダメで、
- 軽く2の力で入り
- インパクトの瞬間に7出力し
- 残りの1ですぐに戻る
ことを意識すべきです。
球威を出そうとして、かえって力が入り過ぎてしまっているのです。
- 10 – 6 = 4
- 7 – 2 = 5
で、後者の推進力の方が大きいのです。しかも次の打球に備えられるのです。
バックスイングからインパクトの直前まで可能な限り力を抜き、インパクトの瞬間と振りに力を集中し、可能か限り早く戻る。
スッと入って、パンっと打つ。
そんなイメージです。※稚拙な表現ですみません。イメージを言葉で表すのは難しいです。
これを意識し出してから、早速効果が現れました。
攻撃に力が要らないということが身体で分かってきたのです。
以前はカットマン用のラバーにマークV中を貼っていましたが、攻撃用カーボンラケットにテナジー19特厚(バックは厚)に変えたところ、力が要らないのです。
以前の半分程度の力でも、回転スピード共に倍の威力が出るのです。
さらに早い打点、すなわち頂点前(2番)や頂点(3番)を捉えるようにすると、面白い様にボールが決まる様になりました。
さらにコースを工夫して、ミドルやストレートを狙うと、ノータッチとなります。
自分でチャンスを作って自ら仕掛ける攻撃と相手にわざと打たせてカウンターする攻撃を組み合わせるとさらに効果的です。
相手は攻撃している時が一番守備が手薄になるからです。逆に自分は攻撃しながらもすぐに戻るので連続攻撃できます。
こういう自分有利の展開を創り出す元となるのが「2で入り、7で打つ」という力の使い方なのです。
脱力はこんなところにも
大事なのは、力の入れ方ではなく、力の抜き方(脱力)だったのです。
これが分かってから色々なところに応用出来ることが分かってきました。
1つは、サーブです。
バックスイングまではスーッと力を抜き、インパクトの瞬間だけキュッと力を入れます。
サーブの切る切らないに関して言えば、指の力がポイントになります。
え?手首じゃないの?と思われるかも知れません。
違うのです、手首ではなく指なのです。
ラケットをブラブラさせるくらい力を抜いて持ち、指に力を入れてキュッと握ると、瞬間的にラケットが動きます。
それにつれて手首も少し動きます。
そうです、指と手首は連動しているのです。指に力を入れれば、ほんの少し手首も動くということなのです。
手首を柔らかくしろと言われると、手首ばかりをぐるぐる回したりしますが、実は指の関節を柔らかくしてあげると手首を柔らかくするのに効果的なのです。
インパクトの瞬間に指の力を入れると、サーブの切れ味が良くなります。逆に力を入れずにそのまま出すと、切れないサーブになります。
これも「2で入り、7で打つ」力の使い方なのです。
サーブを切るには、
- ボールを薄く捉える
- ラケットの端に当てる
など他にも要素がありますが、これに
- 瞬間的に指に力を入れる
を是非加えて頂きたいです。
もう1つは、カットです。
腕だけでなく身体全体を使ってスイングするのですが、インパクトはソフトタッチを意識しながら指に力を入れて打球します。
上手く行った時には、低く深い非常に良いカットが入ります。
これを完全にマスターするにはまだまだ練習が足りないのですが、1つのきっかけになっています。
これらの練習を通じて気付いたのですが、「2で入り、7で打つ」は、卓球の全ての打ち方に使えるのではないでしょうか。
以前は攻撃の練習を沢山やった翌日は、腕の筋肉が必ず痛くなりましたが、最近はそれも無くなりました。
私にとっては、疲れにくくなったことも大きな副産物の1つでした。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)