【OBUコーチ】初心者のカットマンでも取り入れやすい戦術とは?

OBUコーチ カット 初心者 戦術

初心者のカットマンが、一通りカット技術をマスターしました。

そして、いざ試合に出ることになった時、最初に直面する問題があります。

それは、「さて、どうやって戦ったらいいんだろう」という問題です。

試合での戦い方の事を、戦術と言います。

悩める初心者カットマンが、試合に臨んでどう考えて行ったら良いのか、また、簡単に取り入れられる戦術をご紹介します。

初心者カットマンの戸惑い

初心者カットマンが初めて試合に出る時、何をしたら良いのか分からないケースがとても多いです。

選手は、非常に戸惑っているはずです。

私も最初は初心者カットマンだったから、その気持ちがとても良く分かります。

指導者は「練習してきたことを試合でやれ」と、アドバイスすると思います。

攻撃マンに対しては、そのアドバイスで充分伝わるのです。

何故なら、「練習してきたこと」は、サービス+3球目攻撃であるからです。

またレシーブになって相手に攻められても、ブロックやショートで守ればいいのです。

これも、「練習してきたこと」です。

しかし、カットマンの場合は違います。

初心者カットマンは、こう考えます。

  • 自分が練習してきたことって何だろう?カット?ツッツキ?それから・・・
  • カットのラリーにどうやって持ち込んだらいいのだろう?
  • そもそもカット自体にも自信を持てないしカットのラリーに持ち込んだとしても、どうやって得点するのだろう?

この様に、疑問と不安で一杯なのです。

ですから、初心者カットマンには、もう少し具体的なアドバイスがないといけないのです。

ここから始めよう

初心者カットマンの、3球目攻撃とは何か。

それは、変化ツッツキです。

え?それじゃ得点に結びつかないのでは?と、思うアナタ。

そうです、正解です。

相手が未熟ならば、得点に結びつくことも稀にありますが、まず得点にはなりません。

そもそも、考え方を変えねばなりません。

野球のピッチャーに例えるならば、攻撃マンは剛速球で三振を狙い、相手を力でねじ伏せるタイプです。

一方、カットマンは変化球を駆使して丁寧にコースを突き、相手に打たせて獲るタイプです。

カットマンは、そういう「自分は変化球ピッチャーなんだ」という考えで行かなくてはなりません。

ですから、「いかに自分が得点するか」ではなく、「いかに相手のミスを引き出すか」と考えるのです。

相手を斜めに動かそう

相手のミスを引き出すためには、相手の弱点を研究しなくてはなりません。

一般的に攻撃型は、左右の動きに強いです。

それは何故か。

理由は簡単。

最初に覚えるのが、左右のフットワークだからです。

  • フォアハンド
  • バックハンド
  • フォアへの飛びつき
  • 回り込み

を覚えて、ラリー戦に強くなる練習をするからです。

前後のフットワークを最初に教えるのは、私は見たことがありません。

左右のフットワークの次に教えるのが、普通です。

だから、一般的に前後の動きに弱いのです。

さらに、左右の動きと前後の動きを組合わせた斜めの動きは、さらに弱いのです。

そこに、回転の変化を加えるのです。

相手としては、最も自分が苦手な動きをしている中で、変化に対応しなくてはならないとなると、ミスする確率が高くなります。

「(相手を)動かしながら変化を付ける」は、カットマンの常とう手段です。

作戦その1~フォア前からの展開

では、具体的な戦術をご紹介します。

作戦その1

  1. フォア前にショートサービス
  2. 相手がバック側にツッツキレシーブ
  3. 3球目をバック深くへ変化ツッツキ

1.のショートサービスは、

  • a)切る下回転サービス
  • b)少し切れた下回転サービス
  • c)ナックルサービス

の3種を使い分けます。

こちらの狙いが成功し、こちらのバック側にツッツキレシーブが来たとします。

これに対して、

  • a)の切る下回転サービスを出した場合は、ナックルのツッツキ
  • b)の少し切れた下回転サービスを出した場合は、猛烈に切るツッツキ
  • c)のナックルサービスを出した場合は、上から抑え込むように少し切るツッツキ

を、相手のバック深くに送ります。

相手からすれば、「苦手な斜めの動きを強いられた上にサービスと違う回転の変化ツッツキが来る」ので、非常にやりにくいワケです。

これが、「(相手を)動かしながら変化を付ける」の典型的な例です。

a)の場合は、切れた下回転のイメージが残っているので、3球目のナックルに対して浮いたりオーバーミスする可能性があります。

b)の場合は、それほど切れていないイメージが残っているので、3球目の猛烈に切るツッツキをネットミスする可能性があります。

c)の場合は、ナックルのイメージが残っているので、3球目の少し切るツッツキをネットミスする可能性があります。

5球目以降の待ち方は、以下の3つです。

ほとんどバックに、返球されます。

バック8割フォア2割くらいで待ちます。

  1. ようやく持ち上げるような緩いドライブを返して来たら、よく引き付けて万全の体勢でバックカットする。
  2. 少し強めのドライブで返してきたら、バックブロックでストレートへ返球する。カウンターを狙う。
  3. ドライブは諦めてバックツッツキで返して来たらバックツッツキで相手をバックサイドに釘付けにする。余裕があれば、サイドを切るようにする。ツッツキの勝負ならカットマンの土俵。周り込んでドライブしてきたら、1.や2.で対応する。

作戦その2~バック前からの展開

作戦その2は、その1のバック前バージョンです。

作戦その2

  1. バック前にショートサービス
  2. 相手がバック側にツッツキレシーブ
  3. 3球目をフォア深くへ変化ツッツキ

1.のショートサービスは、

  • a)切る下回転サービス
  • b)少し切れた下回転サービス
  • c)ナックルサービス

の3種を使い分けます。

フォア前と基本的に同じです。

こちらの狙いが成功し、こちらのバック側にツッツキレシーブが来たとします。

これに対して、

  • a)の切る下回転サービスを出した場合は、ナックルのツッツキ
  • b)の少し切れた下回転サービスを出した場合は、猛烈に切るツッツキ
  • c)のナックルサービスを出した場合は、上から抑え込むように少し切るツッツキ

相手のフォア深くに送ります。

相手としては、バック前に体を寄せて処理をした後に、フォア側へ大きく動かなくてはなりません。

この時に、相手が飛びつくくらいフォア側へ鋭く送ることが出来ると、より効果的です。

フォア側へ大きく動きながら、回転を見極めてスイングの力加減を調整するのは、とても難しい技術です。

ナックルに対しては、力が入り過ぎてオーバーミスし易いですし、加減し過ぎると、今度は切れたツッツキをネットミスします。

もし、レシーブがミドル寄りに来た時は、ボールの斜め右横を捉えて横回転が入ったツッツキをし、相手をフォア側へ動かします。

このボールは、逆チキータも狙えます。

5球目の待ち方は、以下の4つです。

ほとんどが、こちらのフォア側半面に来ます。

センターラインから、フォアクロスの間です。

ですから、フォア側に身体を寄せて待ちます。

私の場合は、相手のフォアコーナーからこちらのセンターラインを結んだ線の延長線上に、自分のバックが来るくらいです。(相手のフォアコーナーと正対します)

  1. フォアクロスに強めのドライブが来た場合は、フォアブロックでストレートへ。カウンターを狙う。
  2. フォア側へ緩めの繋ぎのドライブが来た場合は、フォアのカウンタードライブを相手のミドルへ。
  3. センターライン寄り(こちらのバック)へドライブが来た場合は、バックカット
  4. 打てずにツッツキで返してきた場合は、フォアドライブを相手のミドルへ。

レシーブをバック側に返させる工夫

作戦1と作戦2は、レシーブでバック側にツッツキを返させなくてはなりません。

そのためには、サービスを出す時に、バックサイドを大きく空けておくことです。

こうしておくと、相手は自然に「バック側に返しておけば大丈夫」と思って、バック側に返球して来ます。

センターライン付近からバックサービスを出すと、この形になります。

思い切ってフォアサイドからバックサービスを出すと、まず間違いなくバック側に返球されます。

ナックルを送った後のチャンスとリスク

ナックルサービスや3球目の変化ツッツキでナックルを送った時には、チャンスとリスクが存在します。

もし、相手がナックルを切れていると読み誤った場合は、ツッツキが浮いてきます。

多くの場合は、「少し下回転の入った浅いツッツキ」です。

これは、踏み込んで攻撃出来るチャンスです。

逆に、相手にナックルを完全に読まれた場合は、強くフリックされたり、流しレシーブでこちらが態勢を崩されたりするリスクがあります。

この様に、ナックルを送った時は、チャンスとリスクが同時に存在するのだと肝に銘じて次球を待たなくてはなりません。

相手の動きをよく見て、判断しましょう。

強くフリックされるかも知れないとリスクに備えつつ、浮いたツッツキが来れば逃さないつもりでチャンスをものにしましょう。

ツッツキのタイミングの工夫

ツッツキは、通常4番(下降前期)を捉えます。

3球目の変化ツッツキは、1番(バウンド直後)で行うと、より攻撃的なツッツキになります。

変化球ピッチャーが、チェンジアップを使うようなものです。

ゆっくりしたタイミングに慣れていると、ちょっと速いタイミングがとても速く感じられます。

この効果を狙うワケです。

しかし、やたらと1番を多用すると相手に慣れられます。

あくまで、相手の待ちを外すことが重要です。

かえって、4番が相手にとってやりにくいケースもあるのです。

野球の打者がストレート待ちをしているところへ、スローカーブが来るとやりにくいのと同じです。

変化球ピッチャーと同じ様に、相手をよく観察し相手の心理を読む洞察力が必要なのです。

まとめ

長々と説明して来ました。

もう一度、ポイントをおさらいします。

初心者カットマンは戦術として、

  1. 3球目のツッツキで相手を斜めに動かせ
  2. サービスとは違う回転のツッツキを送れ
  3. チャンスを作ってすかさず攻撃しろ

ということです。

後は実践して、自分のパターンを見つけて行きましょう。

この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)