【混合ダブルス金メダル】水谷隼・伊藤美誠選手の混合ダブルスについて
水谷隼選手、伊藤美誠選手のペアが、オリンピック初種目の混合ダブルスで金メダルを獲得しました。
私も、テレビでずっと観戦していました。
7月28日に、この記事を書いています。
まだシングルス、団体と熱戦が続きます。
気持ちが熱いうちに、混合ダブルスについて皆さんと共有しておきたいと思いました。
優勝までの軌跡
優勝した瞬間、素直にとても感動しました。
まさか決勝で日本があの中国を破って金メダルを獲るなんて、信じられない気持ちがありました。
国旗が掲揚され、君が代が流れ、表彰台の真ん中の一番高いところに2人が立つ姿を、とても眩しく見ていました。
お互いにメダルを掛け合う姿が、何とも微笑ましかったですねぇ。(#^o^#)
決して楽な道のりではありませんでした。
応援している皆さんも、もうダメかと思う瞬間が何度もあったのではないでしょうか。
私もそうでした。
1回戦は無難に勝ったものの、準々決勝のドイツ戦の最終ゲーム2-9とリードされた時は、終わったと思いました。
しかし、そこから奇跡の大逆転。
水谷選手の強打炸裂が凄かったです。
イマイチ波に乗り切れていない伊藤選手を、水谷選手がカバーした形に見えました。
よくあの場面で、水谷選手は強いドライブを何発も打ち込めたものだと思いました。
水谷選手の
- 強い精神力
- オリンピックに懸ける強い思い
そういったものを感じました。
準決勝の台湾戦は、準々決勝のそのままの勢いに乗って勝った印象があります。
勢いに乗ることは、試合に勝つことにおいて大切なのだと改めて思いました。
相手の台湾ペアは、この時点では世界ランキング1位だったのです。
19歳の林選手は、チキータレシーブが強烈で威力があると同時に、数種類の球種を使い分けていました。
パートナーの鄭選手は、男性顔負けのパワードライブを放ち、ラリー戦にとても強い選手でした。
水谷・伊藤ペアが普通に戦えば、おそらく決勝戦の相手並みにに苦戦した相手です。
しかし、この試合は伊藤選手が目覚めました。
まさに「大魔王、覚醒」という感じ。(笑)
ゲーム間の田勢コーチとのやり取りで、伊藤選手が「見える!」と言っていたのが私には印象的でした。
おそらく林選手の球種と球筋が「見えて」、怖くなくなったのでしょう。
苦戦していた林選手のチキータにも、3ゲーム目以降は伊藤選手がほぼミスしなくなり、ボールが合ってきた感じがしました。
最後のポイントも、林選手のドライブ強打を伊藤選手がバックブロックでカウンターし、試合を決めました。
水谷・伊藤ペアが決勝戦で勝てたのは、こういうプロセスを経てきたからではないかと私は思います。
緊張して戦った初戦。
負けられない気持ちが、強かったはずです。
絶体絶命のピンチから、起死回生の大逆転の準々決勝。
ここで初めて吹っ切れました。
自信をもってプレーした準決勝。
「やりたい放題出来た」と伊藤選手。
そして、迎えた決勝戦。
相手は国際大会で何度も対戦している、許キン・劉詩ブン組。
試合前に水谷選手は、「今まで勝ったことがないからこそチャンスがある」と語っていましたが、その通りになりました。
1、2ゲーム目は落としたものの、3ゲーム目から盛り返して、最終ゲームで振り切りました。
両選手が進化したところ
水谷選手も伊藤選手も、「以前よりも強くなっている!」
そんな印象を私は受けました。
水谷選手は、フィジカルが強くなっていました。
あれだけ大きく動いて強振しているのに、態勢が大きく崩れませんでした。
オリンピックに向けて、相当体力トレーニングを積んできたに違いありません。
フォアハンドのナックルフリックも、冴えていました。
速いタイミングで来るので、相手はどうしても普通にドライブスイングしネットミスしてしまいます。
- ナックルドライブ
- ナックルフリック
など、ナックルを上手に織り交ぜる技術は、「水谷スペシャル」ともいうべき技で、世界でもあまり類を見ません。
伊藤選手は、何と言ってもバックハンドフリックです。
ストップする構えからいきなり払うので、何本もノータッチがありました。
決勝戦の最終ゲームの終盤で見せた技が圧巻で、劉選手のサービスをストレートに払いました。
これには許キン選手も一歩も動けず、ノータッチを獲りました。
2つ目は、ラリー戦に強くなったことです。
伊藤選手は小柄なので、台から離れたら不利です。
バック面が表ソフトを貼っているので、あまり台から離れるとバックが弱点になってしまいます。
ダブルスの試合では、どうしても長いラリー戦になる場面があるのですが、今回の伊藤選手は、台から下げられてもとても粘り強かったです。
以前なら台から下げられた時は、簡単に得点を許していたように思います。
この強化により、前で良し後ろでも良し、という状態になりました。
3つ目は、サービスです。
また、新しいサービスになっていました。
トス(左手)の位置が、エンドラインから30センチほど離れた場所にありました。
一流選手の多くは、エンドラインぎりぎりにトスの位置を置きます。
伊藤選手がこの様にした理由や狙いは分かりませんが、このサービスが今大会の混合ダブルスでも威力を発揮しました。
準々決勝と決勝の最後のポイントは、この構えからのロングサービスでした。
過去の記事
以前にもこのメルマガで、隼・美誠ペアのことを書いていますので、併せて読んで頂ければと思います。
以前に、私はこんなことを書いていました。
読み返すと結構当たっていて、まるで予言書の様に思えます。(笑)
水谷選手、伊藤選手には、この勢いで、シングルス、団体戦も頑張って欲しいと思います。(^o^)