卓球上達の過程とは?
卓球の練習をすればするほど、「自分は上達しているなぁ」と感じる時があります。
一方で、「練習をいくらやっても全然上達しない」と感じる時もあります。
今のあなたはどちらでしょうか?
今号では、卓球の上達の過程について経験的に感じることについて述べます。
急成長するのは実は初心者
成長曲線を考えた時に、一番右肩上がりで成長するのは、実は初心者の時です。
真っ白なキャンバスに絵を描く様なもので、何色にでも染まります。一番楽しい時で、あなたの自由に絵が描けます。
ただ、あまり自由にやり過ぎると我流に陥りすぐに成長がストップしてしまいます。
遊びでやるからいい、楽しければそれでいいという人ならば、それでも良いのでしょうがそれでは卓球の本当の面白さを知らずに終わってしまいます。
何事につけ新しく覚えることは初めが肝心でやはり経験豊富な指導者に、正しい基本を教わるのが良いでしょう。
そうすると、初心者は面白い様に順調に卓球が上手になって行きます。
選手の方も自分の成長が実感できるから、ますます面白くなるという好循環が生まれます。
気を付けたい平原(スランプ)
そのまま成長し続けてくれれば、何の悩みも生まれないのですが、そうは問屋が卸してくれません。
右肩上がりだった成長曲線のカーブが次第に緩やかになり、やがて平原(スランプ)になります。
大抵のスランプは知らないうちになります。
自分から好んでスランプになる人はいません。
やがて変わらない日常に飽きが来て、卓球への興味さえも失うことになりかねないのです。
スランプの恐ろしい所はここです。
せっかく今まで頑張ってきたのに、これまでの努力を捨ててしまう事さえあるのです。もったいない話です。
スランプ脱却は意識的に
スランプの原因が体力的なものであれば、体力が向上すれば自然と解決します。
怪我などの原因も同様で、怪我したためにスランプになっているのであれば、それが癒えれば自然と調子も上向きになります。
問題はそれ以外の原因の時です。
何度トライしてもダメな時があります。
こうなるとだんだんやる気もしぼみます。
今までずっと同じような事をしてきて、スランプになったのですから、思い切ってやり方を変えないと脱却は難しいです。
何から手掛けるか
では、スランプ脱却のために何から始めれば良いか。
手っ取り早いのはサーブの見直しです。
相手の影響を受けずに自分の間合いで出せる唯一の技がサーブだからです。
もう一度、自分の得意なサーブに磨きを掛けましょう。
回転、コース、スピード、落下点、長さ、タイミング、トス、モーション、呼吸など、工夫すべき点はいくらでもあるのです。
そして、相手のレシーブをイメージして得意な3球目攻撃に結び付けましょう。
サーブを磨くことは、スランプ脱却だけでなく、通常の状態から飛躍のきっかけにもなります。
もう一段階、自分のレベルを上げたいと思った時には、必ずサーブの見直しをすると良いです。
スクラップ&ビルドの繰り返し
先日、面白い体験をしました。
私は週に2,3回は練習をする習慣をつけて来ましたが、怪我と仕事の関係で10日間程練習を休みました。
練習再開時は、さぞや調子が悪いだろうと覚悟して臨みました。
ところが蓋を開けてみると、打ち始めこそ感覚が狂っていましたが、慣れて来てからは絶好調でした。
卓球の全体感(大局観)が良く、個々の技術で多少のミスが出ても、全体的に技術の選択に間違いはないとの自信を持って練習することが出来ました。
力の抜き加減がちょうど良く、サーブの切れが大変良かったです。
それだけでなく相手の動きやボールがよく見えていたので、打つべき時に打ち、守るべき時に守ることが出来ました。
課題にしてきたことを「次の打球で試してみようか」と考え、実行する余裕もありました。
これは練習をやり込んでいた時には、ついに到達できなかったプレーでした。
それが卓球の練習をしばらく休んだら、ふと出来てしまったのです。
休んでいる間、卓球を全く忘れてしまったワケではありません。身体を動かすことは常に意識していましたし、卓球の事を考えない日はありませんでした。
「卓球が上達するとは、こういう事の繰り返しではないか」
理由は分かりませんが、そう悟りました。
つまり、今まで練習で積み上げてきたものを一度壊して(一旦、手放して執着を捨て)、新たな気持ちでもう一度取り組んでみると思いもよらぬ好結果が現れる、と。
スクラップ&ビルドと言いますが、卓球上達の過程にも言えるのですね。(^^;;
今回出来たから次回も必ず出来るとは限りませんが、それでも今回の練習で好感触を得たことは間違いありません。
さらに新しい課題も見つかりましたし、試合で使える可能性のある展開も見つけることが出来ました。
これらは次の練習に繋がりますね。
忘れないうちにノートに記録します。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)