【OBUコーチ】なぜ、カットマンはフットワークが大事なのか

カット フットワーク

カットマンは、フットワークがとても大事です。

フットワークが命と言っても言い過ぎではありません。

では、なぜフットワークが大事なのでしょうか。

カットのリズムを作るため

1つは、カットのリズムを作るためです。

カットに限らず、卓球のラリーはとてもリズミカルで、打球音を聴いていると心地よいものです。

卓球が別名ピンポンと言われるのは、この音の美しさを表しているのではないか。

私はそう思います。(#^^#)

例えば、練習会場に着いて卓球場へ向かっていると、先に練習している人たちの打球音が聞こえて来ます。

  • あ、やってるな、楽しそうだな。
  • 早く私も打ちたいな。

そんなワクワクした気持ちで、一礼して練習場に入ります。

一定のリズムで打っているのは、やはり卓球の上手な人達で、長いラリーが比較的多いものです。

一定のリズムは、聴いていて心地良くなるくらいです。

カットは台から離れて打球するので、リズムを一定にするのが難しいです。

逆に一定のリズムで打てていれば、それはカットが上手だと言えますし、カットを打っている攻撃型も上手な人です。

台から離れれば離れるほど、打球時の数ミリの誤差が十数センチの違いとなって現れてきます。

だから、その違いを埋めるためのフットワークが必要なのです。

私は、たびたびカットの説明をするのに「全体感」という言葉(私の造語です)を使用します。

この全体感を身に付けるのには、フットワークは絶対に欠かせません。

カット打法の技術が未熟な初心者でも、フットワークを使いリズムを意識して練習を重ねると全体感が良くなるのです。

足が止まっていると、一球は良くても次の一球に繋がらず、カットの全体感が出てこないのです。

「カットはリズムの中で流れに乗ってやる」

そうイメージすると徐々に上手くなります。

色々な球種を吸収するため

もう1つは、相手が打ってくる色々な球種を吸収して打球するためです。

言い換えると、どんなボールも自分のボールにして返球するためです。

カットマンは、相手の打ってくる色々なボールをカットしなくてはなりません。

ワンコースのカット打ちですら、一球たりとも同じボールはありません。

理想は、どんなボールが来ても最適な打球点になるように動いて全て同じスイングでカットする事です。

そのために、フットワークが大事なのです。

現実は無理なのですが、少しでも理想に近づくためです。

その上で、スイングやボディーワークで相手打球を吸収します。

カットは台から離れているため、相手打球時の少しの差が大きな差となって現れてくることは先にも述べた通りです。

よって、攻撃型よりもカットマンの方がさらにフットワークが大事になってきます。

フットワークがもたらす恩恵

フットワークが良くなると、良いことが沢山起こります。

1つは、自分のプレーにリズムが生まれ、そのリズムに相手を引きずり込むことが出来ます。

つまり、自分の土俵で戦うことが出来て、自分の良いプレーが出易い状況が作り出せるのです。

仮に相手の力量が上であっても、自分のリズム内で戦うことが出来れば、かなり良い勝負が出来るのです。

もう1つは、今まで取れないと諦めていたボールが拾えるようになることです。

特に、相手のスマッシュなどの強打です。

スマッシュをカットするには、スマッシュを打たれた時のリズムがあって、そのリズムを体得した時に拾えます。

そのリズムを作り出すのが、フットワークです。

だから、フットワークが大事なのです。

いまいちカットが上手く行かないと不調に悩んでいる時も、フットワーク練習をお勧めします。

フットワークの中でカットしていると、カット自体がすごく良くなってくるのです。

文章で読むと不思議な感じがしますが、体験的にそう思います。

私自身も、この方法で何度不調を乗り越えたか知れません。

これも、フットワークの恩恵の1つです。

調子が悪い時はフットワーク練習、と覚えておいてください。(^^)v

私の敬愛する故藤井基男氏は、「カットは足でする」との名言を残しました。

※藤井基男さんは日本で初めてのシェークハンドのカットマンです。
卓球指導書などの著書は多数あり、論理的でとても分かり易い文章で、私も藤井さんから多くを学びました。

この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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