卓球台を使わないで1人でできる練習法

OBUコーチ 練習メニュー

卓球台に向かっている時だけが練習ではありません。

卓球の良い所は、いつでもどこでも手軽に気楽に練習できるところです。

今号では色々な台を使わないで1人でできる練習方法をご紹介します。

感覚練習

卓球に一番必要な物は、打球感覚です。(ラケットにボールが当たる感覚の事です)

これは初心者から上級者まで、常に磨いておくべきものです。

例えば、学生なら試験期間中で練習が出来ない時も、社会人なら仕事が立て込んでいる時も、この練習だけは欠かさない方が良いです。

最も簡単なものは、ボール突きです。

コンコンとボールをラケットの上で弾ませます。回数を決めてフォアとバックでそれぞれやるのが良いでしょう。

ラケットエッジやグリップなどで、けん玉の様にボール突きをやるのも飽きが来なくて良いかも知れません。

但し、目的は感覚を養うことで、手に馴染む様にグリップを確認したり、スイートスポットにボールが当たる感覚を感じることを忘れてはなりません。

動体視力

卓球の練習をやらない期間が長くなった時、一番落ちる能力が動体視力です。

あなたにも経験があるかも知れません。

しばらくぶりに卓球をやった時に、やたらとボールが速く感じられることがあります。

これは動体視力が落ちている証拠です。

動体視力は一度落ちると戻すのが厄介です。なので、打球感覚と並んで常日頃から磨いておかなくてはならないのです。

一般的に、卓球技術の向上に応じて動体視力のレベルも上がります。

計測する手立てを私は存じ上げませんが、もし機械で数値として表せるのならば、一流選手の値と一般人の値は差が歴然です。

またこの能力は後天的に伸ばすことが出来ます。鍛えれば動体視力は良くなるのです。

一番良い練習方法は、壁打ちです。

固い均質な壁に向かい、ダイレクトにボールをぶつけてラケットで打ち返すやり方です。

バックハンドの方が壁に正対するのでやりやすいはずです。フォアハンドも半身に構えて行います。

壁打ちは、感覚練習と動体視力の向上の両方を同時に鍛えることが出来るので、とても効率的な練習と言えます。

壁打ちでなくても、動くものを見る習慣を日常的に付けたいものです。

乗り物に乗った時は、流れる景色の中の文字を読み取るとか、瞬時に人や鳥の数を数えるとかをします。

逆に、踏切待ちの時は、車窓の人の表情を読み取ったり、車内の人数を数えたりします。

動体視力が上がると、今まで取れないとあきらめていたボールが取れるようになったり、新しい技が簡単に覚えられたりします。

理由は簡単です。ボールがゆっくりに見えるからです。

一流選手が高速のラリーをするのは、彼らには、一般人が見るよりもかなりゆっくりにボールが見えているからに他なりません。

身体を動かす

机に向かって勉強する学生や、デスクワークの多い社会人は、練習を長く休むと身体が鈍ります。

しょっちゅう身体を動かしている人は別ですが、これらの人は一般的に運動を再開すると「身体が重く」感じられます。

無理して動いて怪我の原因にもなります。

この様な運動不足の解消には、習慣的に身体を動かすことです。

そんなことは誰しも分かっているのですが、なかなか出来るものではありません。

そこで、先日テレビの健康番組で医者が勧めていた簡単な運動をご紹介します。

「ゆるジャンプ」というものです。

その場でぴょんぴょん跳ぶのですが、膝を曲げ踵を上げさえすれば、つま先は地面に着いた状態でも構わないそうです。

縄跳びは、ランニングや自転車漕ぎよりも消費カロリーは高いらしいです。

出来る人は縄跳びをすれば良いのですが、縄跳びはちょっと無理、という人に、「ゆるジャンプ」がお勧めというワケです。

これなら家の中でも出来ますね。

100回を目安に、朝・昼・晩と3回行います。

テレビでは、これと併せて糖質を抑える食事制限をすると内臓脂肪を落とせると話していました。

私にとっては朗報です。(笑)

後は、出来るだけ電車・車・バイクなどの乗り物に乗らず、自転車や徒歩で移動することです。

生活の中で身体を動かすことを忘れない様にするためです。

また、身体の柔軟性もキープしたいところです。

これにはお風呂上りの柔軟体操が良いです。ヨガをやるのも良いですね。精神の安定にもつながり、一挙両得です。

モチベーション(やる気)

ここ最近は、ネット上で色々な卓球の動画が配信されています。

大好きな選手のファインプレーの動画などは観ると大変やる気が出ます。

卓球の研究

卓球動画には、試合の様子の他に技術紹介の動画があり大変勉強になります。

これは良いと思うものは、フォルダに保存しておき必要に応じて何度でも見返すと良いと思います。

実際の自分の練習に活かしたいところです。

感謝の気持ち

練習というイメージからは少し外れますが、台を使わないという意味では該当します。

戦争のない平和な国の日本で、健康に卓球が出来ることは、なんと幸せな事なのでしょうか。

多少の怪我や持病はあるかも知れませんが、多くの人は卓球が出来るくらい健康です。決して当り前の事でなく、有難いことです。

健康な身体に生み育ててくれた、今は亡き両親に私は感謝しなくてはなりません。

あなたが参加している卓球の試合でも、裏方で運営している役員の方や、体育館を貸してくれる方がいるからです。トイレ掃除をしてくれる方もいます。

つまり色々な人のお陰で、私たちは今卓球が楽しめるのです。

こういう感謝の気持ちを育むのには、身の回りの掃除をすることが一番です。

玄関、トイレ掃除、風呂掃除、窓拭き、靴箱やタンスなど収納の整理、普段使っている机の引き出しの整頓など、挙げればきりがないほど掃除の箇所はあります。

一日一か所でも決めてやると良いでしょう。

続けていると、素直で謙虚な気持ちになり、「自分は一人で生きているのではない」「皆さんのためにやらせて頂く」という心境になります。

仏教では、「小我を捨てて大我に生きる」というそうです。

二番目には、お墓参りに行くことです。ご先祖様に今の報告に行くと良いでしょう。

墓を綺麗に掃除をした後、線香を上げたりお水を替えながら、ご両親・祖父母・その上の方たちに想いを馳せると良いと思います。

そのうちの一人でも欠けたら、今の自分はいないわけです。そう考えると今が在るのは奇跡です。

本当の意味での感謝の気持ちを持ち続けるととんでもなく運が良くなる様です。

信じられないチャンスが巡ってきますし、大切なところで試合で勝てる様になります。

私は大切な試合の前には必ずお墓参りをし、ベストを尽くす誓いを立てています。

トレーニングと栄養・休息

体力的に余力がある人は、トレーニングをやると良いです。

ランニングと筋トレを中心に、スポーツマンの身体を作って行きましょう。

しかしやり過ぎは禁物で、練習で疲れているのに義務感でトレーニングをやってしまうと逆効果です。

ハードな練習の後にはダメージが身体に残っていますので、必ず疲労を身体から抜く習慣をつけたいものです。

ですから、積極的に休むことも必要です。良い休養は次の練習のパフォーマンスを上げますので、休むことも練習の1つです。

素振り・シャドープレイ

一番よく試合で使う技の素振りも、とても良い練習になります。

スペースさえ許せば、少し動きを伴った素振り、つまりシャドープレイを行いたいです。

カットマンであれば、櫓漕ぎと呼ばれる、大きく足を踏み出しての素振りも採り入れると良いと思います。

いずれもイメージトレーニングになり、実際の練習に戻った時に役立ちます。

読書をする

一流スポーツマンの伝記をまとめた本を読むのも良いと思います。

その選手の努力の真似をするのも良いし、その選手がその競技を通じて何を成そうとしていたのかを知ることは、今後の選手生活に良い影響を与えるでしょう。

まとめ

台を使わないで一人で出来る練習というテーマですが、卓球にプラスになると思われるものを挙げてみました。

全て私が行ってきたもの、今も継続して行なっているものです。

中には、今のあなたにとっては、ピンとこないものもあるかも知れません。

この中から、今のあなたにとって必要と思われるものをあなた自身で選んで、取り組んで頂けたらと思います。

 

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この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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