【OBU】カットマンがしたほうが良い筋トレ

OBUコーチ 練習メニュー

  • 広い守備範囲、
  • どんなボールでも返球できる身体バランス、
  • 攻撃マン顔負けの攻撃力・・・

これらは理想のカットマンのスタイルです。

カットマンに求められる身体能力

この理想の姿に求められる身体能力は、どのようなものでしょうか。

まずは、強靭な足腰足の速さが求められます。

短距離を速く走るというよりも、中長距離を速く走れる力が必要です。

中高生から大学生ならば、体力テストの1,500mの持久走を、目安として5分を切って4分台で走り切る走力が欲しいところです。

次に、身体のバランス。

これは、体幹を鍛えることで良くなります。

様々な筋力トレーニング(以下、筋トレ)をすることで自然と鍛えられる面もありますが、現代では意識して鍛えることが重要です。

同時に、身体の柔軟性も求められます。

大きく足を踏み出して、身体をひねる姿勢で打球することもあります。

身体が柔らかいと、その分有利になります。

最後に攻撃力のための瞬発力ですが、卓球はボールの飛距離を競う競技ではないので、平均以上あればカットマンには十分です。(もちろんあるに越したことはありませんが)

身体能力は後天的に鍛えられる

有難いことに、身体は後天的に鍛えられます。

生まれ持ったセンスなど必要ないのです。

つまり、誰でも鍛えられるのです。

必要なものがあるとすれば、

身体を動かすことが好きなこと(極端に嫌いというレベルでなければOK)』

です。

世界チャンピオンになった故荻村伊智朗選手は、高校時代に身体が弱くて他の競技を勧められたと言います。

また、同じく世界チャンピオンになった故長谷川信彦選手も、卓球を始めた中学生の頃は鈍足だったそうです。(いずれも古い例ですみません!)

私OBUも、中学生の時はかなり太っていました。

成長期特有の膝の故障もあり、体力テストの成績はすこぶる悪かったです。

ところが、高校時代に一念発起して筋トレをやり込み、徐々にスポーツマンの身体になって行きました。

最初の、卓球のお師匠さんのSさんから、

「筋トレでスポーツマンの身体を作り、その上で卓球をしなさい」

とよく言われていたからです。

ラグビー部の顧問から、

「お前、いい身体してるな。卓球にはもったいないからラグビー部に来い」

と誘われたほどです。(全力で断りましたが。笑)

高校時代にしっかり身体を作っていたお陰で、その後社会人になってからマラソンに挑戦したり、50歳を超えた今でも現役選手を続けられているわけです。

卓球が上手くなりたい

強くなって試合に勝ちたい

そういう気持ちがありさえすれば、少々辛いトレーニングでも苦にならないはずです。

誰でも何歳からでも筋トレを始めることは出来ますし、それにより身体能力を高めることが出来るのです。

カットマンの総合的な筋トレ

カットマンはフットワークが命ですから、総合的に筋トレをしつつ、同時に下半身の強化をしなくてはなりません。

まず、総合的な筋トレを簡単にご紹介します。

  • ランニング(ジョギング)
    2~5Kmを走ります。2日走って1日休むくらいのペースで良いでしょう。安全な場所では、ダッシュ&ジョグのインターバル走をします。
  • 腕立て、腹筋、背筋、スクワット
    自分で回数を決めて行います。(例:10回1セットを1日に3セット行う)
    回数をこなすよりも、1つ1つの動作を丁寧にゆっくり正確に行うことが大切です。
  • 縄跳び
    かかとをつけずに、1,000回連続で跳びます。
    二重跳びも、100回くらいやりたいところです。
  • つま先立ち
    壁に手を突いて、片足ずつ交互に行ないます。
    100回くらいを目安にすると良いです。
    通勤通学時に、踵を地面に付けずに歩きます。
  • ウェイトトレーニング
    鉄アレイやダンベルを用いて行います。
    カール、レイズ、フライなど。
    上半身の強化が中心になる筋トレです。
  • 体幹トレーニング
    バランス力とインナーマッスルを同時に鍛えます。
    プランク、サイドニ-、エルボーニーなど。
  • 柔軟(ストレッチ&リラクゼーション)
    各トレーニングの最後に、必ずやります。
    ゆっくり息を吐きながら行います。
    深い呼吸(腹式呼吸)を意識し、呼吸と曲げ伸ばす動作を合わせます。
  • 速いものを見る(動体視力を鍛える)
    電車など乗り物に乗った時には、必ず流れる景色を目で追います。
    通過駅の駅名や電信柱の文字を読み取ります。
  • 脳トレ(瞬間的な判断力を養う)
    買い物に行ったら、レジでぱっと暗算します。
    切符を買ったら、数字4桁を四則演算を使って10になるように、ぱっと計算します。
    正確性よりも、スピードを意識して行います。
    瞬時の判断力は、卓球にとても大切です。

カットマンの下半身の強化を目的とした筋トレ

次に、下半身の強化を目的とした筋トレをご紹介します。

カットマンが特にした方が良い筋トレとなります。

櫓漕ぎ

ミスターカットマンの高島規郎先生が提唱するカットマン用筋トレです。

やり方としては、卓球の基本姿勢から、

右足で前、右斜め前、右横、右斜め後ろ、後ろ
左足で前、左斜め前、左横、左斜め後ろ、後ろ

に大きく踏み込んだ後、元の基本姿勢に戻ります。

ちょうど八方向に足を踏み込む形です。

大きく踏み込んだ時に、踏み込んだ足の膝の角度を90度に保つことがポイントです。

慣れてきたら、この動作にカットやツッツキの素振り(シャドー)を入れます。

クロスステップ

横向きに走るのですが、足を前後にクロスさせて走ります。

左方向に走る時に、

左足を出す⇒左足の前を通して右足を出す⇒左足を出す⇒左足の後ろを通して右足を出す

を繰り返します。

右方向に走る時も同様に、

右足を出す⇒右足の前を通して左足を出す⇒右足を出す⇒右足の後ろを通して左足を出す

を繰り返します。

これは、カットマンのフットワーク「交差歩」をスムーズに行うための良い筋トレになりますので、カットのフットワークを意識しながら行いましょう。

後ろを通して足を出す時に、どうしてもストライドが小さくなりがちで、かつ頭の上下動をしがちです。

腰をよくひねってストライドを大きくし、かつ腰の高さを安定させることが大切です。

※くれぐれも広くて安全な場所で行ってください。

限界の伸ばし方

身体能力を向上させるためには、限界ぎりぎりまで力を出し切らなくてはなりません。

但し本当に限界までやってしまうと、回復の時間を多く取らなくてはなりません。

自身が若い時であるならば、この時間が短いので積極的に限界に挑戦しても良いでしょう。

この方がグングン伸びます。

但し調子に乗り過ぎてはいけません。

故障の原因になりますから。

逆に年齢を重ねてからは、あまり激しくやってしまうと回復に時間がかかり過ぎて、かえって停滞してしまいます。

限界を10としたら、7~8の出力をコンスタントにキープする事です。

そして、本当に調子の良い時にだけ、9、10に挑戦するようにすると良いでしょう。

筋トレには、易しい順に

  1. 簡単に出来るレベル
  2. 少し頑張れば何とか出来るレベル
  3. 難しくてとても出来ないレベル

の3つのレベルがあります。

年齢を問わず、負荷の掛け方としては、1と2を上手に組合せる方法が良いと思います。

今出来ることとトライアル的なことを組合せて行うことで、飽きが来ないようにするのが狙いです。

カットマンがした方が良い精神的鍛練

試合において、カットマンはよく苦境に立たされます。

相手に打ち込まれ、傍から見ると絶望的な試合展開になる事もしばしばあります。

実はその時こそ、カットマンの試され時なのです。

「なあに、心配いらない。カットマンは打ち抜かれる時が試合で勝つ時なのさ。これからが俺の本領発揮さ。今に見てろよ」

と精神的に切り替えられるかどうか。

これが大きな分かれ目になります。

奇跡の逆転劇は、いつもそこから始まります。

これが

「あぁ、もうだめだ」

という気持ちが少しでもあると、やはりその試合で勝つことは難しくなります。

そのためにも、カットマンには精神力が必要なのです。

精神力という言葉のイメージは、眉間に皺を寄せて何か苦行をする様な印象がありますが、そうではなく発想の転換というか明るい気持ちのものです。

良い意味で「開き直る」のです。

ピンチそのものを楽しむ気持ちで、どこかに必ず逆転のチャンスがあるはずと、ただ一生懸命に可能性をさぐるのです。

劣勢であるという、

「現在状況を受け止めて『転じる力』」

が必要なのです。

この力をつけるには、普段から精神的な鍛錬が必要です。

夜更かしや暴飲暴食をしないなど、自分を律する生活が基本になる事は言うまでもありません。

ご紹介した筋トレは、精神的な鍛練にもなります。

いや、トレーニングの本当の意味は、この精神的な鍛練にあるのだと私は思います。

身体を鍛えつつ、心も鍛えていきましょう。

この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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