【OBUコーチ】カットマンとカットマン以外のフットワークの違い

OBUコーチ フットワーク

『カットは足(脚)でする』

とは、私の尊敬する故藤井基男さんの言葉です。

相手のボールを受けるスタイルであるカットマンは、どんなボールでも動いてストライクにして打たなくてはなりません。

フットワークこそカットマンの命

野球のバッティングではストライクから外れれば見逃せば良いのですが、卓球ではそうは行きませんね。(^^;;

その土台となるのが足のさばき方、つまりフットワークです。

正確なフットワークを覚えると、守備範囲が飛躍的に広がり、今まで決して取れなかったボールが取れるようになります。

カットプレーにも余裕が出てきます。

プレー全体に、『リズム感』が出てくるのです。

また、上半身と下半身は連動していて、カットのスイング自体も良くなってきます。

身体全体を使って、カットが出来るようになるのです。

カットマンは、初心者の段階からフットワークをカット練習と並行して行い、『動きの中でカットする』ことを身体で覚えるべきです。

そうすることで、後々の上達のスピードが全然違ってきます。

ですから、『フットワークこそカットマンの命』と言っても過言ではないのです。

基本は『交差歩』

カットマンは前後左右に大きく動くので、動き方は『交差歩』が基本になります。

脚を交差させて動くので、『交差歩』と言われます。

例えば、バックカットした位置からフォア前のストップを処理する場合、

  1. 左脚で蹴って右脚を右斜め前方に出す。
  2. 左脚を右脚の前を交差させて出す。
  3. 最後に右脚を出し大きく踏み込んでストップをフォアツッツキで処理する。

という脚の使い方になります。

逆に、フォア前ストップ処理をした後、バックカットに戻る場合には、

  1. ストップ処理した右脚で蹴って、左脚を左後方へ出す。
  2. 右脚を左脚の後ろを交差させて出す。
  3. 最後に左脚を左後方に出す。同時にバックスイングを取り、バックカットの体勢に入る。

という脚の使い方になります。

※以上は右利きカットマンの場合です。

フォア前とバックカットの例を挙げましたが、

  1. フォア前とフォアカット
  2. バック前とフォアカット
  3. バック前とバックカット

も、基本的には同じ要領で『交差歩』を使います。

(ストップに対しては、基本的には右脚を踏み込んで処理しますので若干の違いはありますが、脚を交差させて大きく動く点は同じと考えて良いです)

カットマンのフットワーク練習

まずは、上述の『交差歩』をしっかり練習して体得していきましょう。

最初はゆっくりで良いので、正確な脚の動かし方を覚えるべきです。

成果を焦っていい加減な動かし方をして間違ったクセがついてしまうと、後で直すのに大変苦労することになります。

正確な脚の動かし方を覚えたら、徐々にスピードを上げていきます。

基本の『交差歩』を覚える過程で意識して欲しいのは、打球直前の微調整です。

待っているところにボールは来ません。

ですから、自ら動いてストライクにして打球しなくてはなりません。

『交差歩』はあくまで大きく動く手段で、打球直前にはさらに微調整が必要になるのです。

全てのボールを自分のストライクにして打球するのが理想ですが、実際は無理です。

その努力をしている過程で、自分のカットのストライクゾーンも徐々に広がってくるのです。

『横着』は厳禁ですが、『省略』はアリです。

余裕があるのに『省略』するのは『横着』です。

コーチは、その点を厳しく指導しなくてはいけません。

『交差歩(+微調整)』のフットワーク練習の次は、『切り替え』のフットワーク練習です。

  • フォアカットのやり易いスタンス
  • 基本姿勢
  • バックカットのやり易いスタンス

この3つのスタンスを『意識して』切り替えます。

最初は、ボールを使わず『空フットワーク』でスタンスを確認しながら、ステップを踏みつつ素振りしてみるのも一つのやり方です。

切り替えの際に使うステップは、通常のサイドステップで充分です。(交差歩の様な難しいステップはないです)

『切り替え』のフットワーク練習でも、打球直前には微調整が必要なことは言うまでもありません。

『交差歩』『切り替え』ときて、3つ目の最後は『ミドル処理』のフットワーク練習です。

ミドルはカットマンの泣き所ですから、攻撃マンは必ずここを攻めてきます。

しっかり練習して、対策しておきたいところです。

バックカットでミドル処理する時は、身体全体で伸び上がりながら上半身でボールに覆いかぶさるように打球します。

お腹を凹ませて空間を作り出します。

この時、軽くジャンプをする方法もあります。

カットは、身体(胸から腹)をえぐる様なスイングをします。

ボールの内側を捉えて、相手のフォアサイドへカーブカットする方法もあります。

フォアカットでミドル処理をする時は、左脚を軸に右脚を大きく後方に回し、完全に半身の体勢を作って空間を作り出します。

そうやって空間を作り出した上で、上から下にスイングしてボールを抑え込みます。

この時、

  • 手首をフルに使ってブチ切れカットをする。
  • ボールの内側を捉えて相手のバックサイドへカーブカットをする。
  • 切ったフリしてナックルカットを送る。

方法があります。

これを得意としているカットマンがいて、彼は「ミドル処理こそカットマンの見せ場だ」と言っています。

ピンチをチャンスに変える発想はさすがですネ!(#^^#)

  • 『交差歩』
  • 『切り替え』
  • 『ミドル処理』

この3つのフットワークを練習していきましょう。

カットマンのフットワーク練習の注意点

カットマンのフットワーク練習の注意点は、次の3点になります。

  • 頭の位置
  • 打球のリズム
  • 時間的余裕がある時とない時のフットワーク

注意点の1つ目は『頭の位置』です。

動くことに気を取られ過ぎると、頭の位置が上下にぶれることが多くあります。

頭に位置がぶれると、ボールを正確に追えなくなります。

正確に追えないと、球質の判断も出来ません。

大きく速く正確に動きつつ、頭の位置をぶらさないことが重要です。

2つ目は『打球のリズム』です。

カットマンのフットワーク練習は、自分のカットのリズム感を磨く練習とも言い換えることが出来ます。

  • 連続してドライブを打たれている時にするカット
  • いきなりスマッシュを打たれた時のカット
  • ストップされて前へ出る時のフットワーク

カットには全てリズムがあります。

一流カットマンの動画をたくさん観て、カットの『打球のリズム』を覚えましょう。

3つ目は『時間的余裕がある時とない時のフットワーク』です。

正確な脚の動かし方を覚えるまでは、少しゆっくり目のラリーで練習すれば良いのですが、それだけでは試合で勝てません。

試合において、相手は時間的余裕を与えないように、カットマンを大きく速く動かそうとしてきます。

しかも、練習とは違いランダムに打ち分けてきます。

フェイントも入れてくるかも知れません。

ですから練習においても、時間的余裕がある時のフットワーク練習と、時間的余裕のない時のフットワーク練習の両方をやっておくべきです。

わざと時間的余裕がない状況を作り出すのには、多球(ノック)練習が最適です。

カットマン以外とのフットワークの違い

以上、説明してきた様に、カットマンのフットワークの特徴を一言で言うと、『速く、大きく、正確に動く』になります。

カットマン以外のタイプ、つまり攻撃型のフォアへの飛びつきの様な瞬発力を要するフットワークは、カットマンの場合ありません。

あるとすれば、ロビングで相手の攻撃を凌いでいる時に、読みが外れてフォアに打たれた時に大きく飛びつくくらいでしょうか。

攻撃型のフットワークを短距離的と表すのなら、カットマンのフットワークは中・長距離的となります。

カットマンはラリーが長くなる分、リズム感の要素が大きくなりますし、体力的には持久力、精神的には粘り強さが必要になってきます。

この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
持久系プロテイン

ビーレジェンドプロテイン「スポーツ&ウェルネス」の 詳細はこちら