【OBUコーチ】なぜ、カットマンがバックサービスをよく使うのか?
試合会場でカットマンの試合を観ると、多くの選手がバックサービスを使います。
フォアハンドサービスを多用する選手は、カットマンでは殆ど見かけません。
- なぜ、バックサービスなのか。
- そもそも、サービスの考え方とは何か。
この点を、掘り下げて考えてみましょう。
サービスの意義
サービスは、攻撃の第一球目です。
私が卓球を始めた頃、この言葉を聞いても全然ピンときませんでした。
私はカットマンでしたし、どうせラリーで粘る卓球でしたし、攻撃もしないし、私には関係ない。
そう思っていました。
逆に攻撃型の人は、これはもう当たり前の教えですよね。
現代の卓球では、もう守備型という考え方はないです。
カットマンも含めて、全て攻撃型と考えた方が良いです。
現代のカットマンは、「少しカットも使う攻撃型」です。
私は、そのように捉えています。
ですから、サービスは全ての戦型にとってレベルアップすべき必要な技術なのです。
サービスそのもので、得点してしまう。
もしくは、次のラリーを有利なものにする。
代表的な例が、サービスでチャンスを作って攻撃して決めてしまう、3球目攻撃です。
3球目でダメなら、3球目でチャンスを作って5球目を狙い、それでもダメならラリー戦に持ち込みます。
ラリー戦も、自分が主導権を握ったラリーで押し切りたいところです。
バックサービスの特徴
バックサービスの特徴は、以下の通りです。
- レシーバーを視野に入れやすい。
- 3球目の待ち方は、両ハンド待ち。
但しバック7割、フォア3割程度。 - 打ち終わりが右足前になっていて、バックハンドが振り易い体勢である。
まずは、レシーバーを視野に入れやすいという特徴についてです。
レシーバーの動きを察知し易いので、レシーブでどこに打たれても対応し易いというメリットがあります。
台の中央付近からバックサービスを出せば、大きく動かなくても1歩動くだけで両ハンドで台の全面をカバー出来ます。
相手のレシーブが乱れれば、両ハンドで攻撃が出来ます。
相手の動きを見ながら3球目に備えられるのは、バックサービスの大きなメリットです。
次に、3球目を両ハンドで待つことですが、どの位置からどんなサービスを出すかに因って、返球されるコースが変わります。
しかしながら、一般的にはバック側に返球されることが多いのです。
逆を突いてフォアに返球されることがありますが、ほとんどがバック側だとしても良いくらいです。
最後に、打ち終わりが右足前になっていて、バックハンドが振り易い体勢であることについてです。
バックハンドを多用する選手には、次の動作に大きく切り替えが要らないので、バックサービスはメリットが大きいです。
カットマンがバックサービスを使う理由
ここまで見てくると、なぜカットマンがバックサービスを使うのかという理由が分かります。
それは、「レシーブを自分のバックへ返させるため」です。
さらには、「自分のバックにツッツキレシーブをさせるため」です。
カットマンは一般的に、
- バックカット
- バックのツッツキ
が得意です。
一般的に、コートの7割をバック系技術で処理するカットマンが多いと言われます。
自分のバックにツッツキレシーブをさせて、3球目でバックツッツキでコースを突き、得意のカット戦に引き込みたいのです。
カットマンにとってサービスとは
3球目で上手くコースを突けると、相手の攻撃を自分の待っている所に返させることが出来ます。
相手の打つコースを限定できるのです。
攻撃型の3球目攻撃の様な得点力こそありませんが、3球目のツッツキはカットマンにとって非常に重要なのです。
サービスは、そのための布石なのです。
自分の待っている所に返させると、カットに変化を付ける余裕が生まれます。
また、カットのコースも選べます。
攻撃型は
- カット打ちをしたあと
- カットをストップやツッツキしたあと
には、守備の意識が下がり、攻撃に対する備えが手薄になるものです。
そういう時に攻撃すると、得点し易いです。
つまり、カットマンにとっては攻撃チャンスです。
この様に、
- サービス → 3球目ツッツキ →相手の攻撃を待ち伏せして変化カット → 相手が繋いだところを反撃
の一連の流れを考えることを、「ラリー設計」と言います。
色々なパターンのラリーを設計し、その中から得意技を磨いて行きましょう。
最終的に、自分が攻撃して終わるパターンのラリーが良いです。
一流選手の練習動画はとても参考になるので、真似をすると良いと思います。(^^)
その起点となるのが、バックサービスなのです。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)