卓球における女子カットマンについて
卓球選手を見渡すと、男子選手よりも女子選手の方がカットマンの比率が高いです。
男性に比べると女性の方がパワーボールを打つ選手が少なく、カットによる守備力が攻撃を上回るケースがあるからでしょう。
今回は、そんな女子カットマンについてお話します。
女子カットマンは有利
卓球を始めた小中高校生くらいまでは、女子カットマンは有利だと私は思います。
しっかりしたカットの基礎を固めてしまえば、なかなか負けにくい戦型だからです。
全国レベルを除けば、カットを打ち抜くパワーボールを打つ選手はまずいないので、こつこつミスなく粘る卓球で勝てます。
団体戦を考えても、カットマンが一人いるだけで相手チームにとっては脅威となり得ます。
メンバー全員がカットマンが得意、ということはまずないからです。
ですから、チームに一人カットマンがいると、オーダーを考える時に有利で、まさに「切り札」として使えるわけです。
問題は、「そのカットマンをどうやって育てるか」です。
負けないカットマンを育てるには、専属のトレーナーをつけて、他の選手とは別のプログラムにするのが良い方法と思われます。
カットマン専用の練習をするのです。
そのためには、
- カット打ちの上手い大人の男性
- カットマンの現役選手
が最低限必要です。
カット打ちの上手い大人の男性のボールを常に練習で受けていれば、試合でそれ以上の威力のあるボールを受けることは無いので、対処できるはずです。
また、カット打ちの上手い大人であれば、練習時には選手のレベルに応じてボールの強弱をコントロール出来ます。
それには、辛抱強い大人が相手する方が良いのです。
この様に、普段から試合の対戦相手以上の強い選手と練習しておくことは大切です。
一方、カットマンの現役選手も、選手よりも年上でカットのことを良く知っている選手が良いでしょう。
カット打法だけでなく、カットマンの動きや試合における戦い方なども、選手にとっての見本になります。
監督は選手に、「この上手なカットマンの真似をしなさい」と指導するわけです。
このカットマンの現役選手が大会に出る時は、必ず選手に観に行かせて応援させます。
現役選手の方は、教え子たちの前で簡単に負けるわけにはいかないと張り切ることでしょうし、
選手たちは、カットマンの試合を身近に観ることで、「いつかは自分も」という目標を持つことが出来るのです。
応援し応援されることで、コーチと選手の絆も深まりますし、良いこと尽くめです。
日本の女子カットマン
令和3年現在、日本の女子カットマンのトップと言えば
- 佐藤瞳選手
- 橋本帆乃香選手
でしょう。
2人は、ペアを組んで世界選手権で3位に入賞したこともある実力者です。
全日本選手権他の全国大会で、シングルスで上位に食い込んでいます。
特に佐藤選手は、中国の丁寧選手に2回も勝っているので世界でも有名になりました。
カットマンとして、とても質の高い修練を積んできたことが、そのプレーぶりから容易に想像できます。
両名ともすごく鍛えられたカットマンだなぁと、私は思います。
カットマンがシングルスで上位に進出するためには、ある特定の選手にだけは強いというのではダメで、色々なタイプの選手に強くなくてはならないのです。
口で言うのは容易いですが、実際にやるにはいかに難しいことか。
私もカットマンなので、その大変さがよく分かります。(^^;;
両選手ともにカットとしての守備力を鍛えつつ、攻撃力をつけることを努力していると思われます。
女子カットマンの可能性
女子カットマンは、男子に比べると従来のスタイルでもまだ生き残れるチャンスがあると思います。
でも、それは
- 日本のトップ
- 世界のトップ
を除く話です。
現在は、女子でも男子並みのパワーボールを打つ選手が出てきました。
日本では、早田ひな選手がその代表です。
世界では中国の
- 陳夢選手
- 孫穎莎選手
- 王曼昱選手
などです。
女子選手の「男子化」が、進んでいるのです。
こうなると、従来の打点の早さに加えてパワーが加わるので、従来のスタイルでカットマンが勝つのは難しいのです。
では、どうするか。
攻撃力のアップに活路を見出すしかないと、私は思います。
- 従来のスタイルの上に攻撃力を積むのか
- 思い切って従来のスタイルを捨て、新しい攻撃スタイルに生まれ変わるのか。
佐藤選手も橋本選手も、まさに今、正念場を迎えている事と思われます。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)