カットってどうやるんだろう?知っておきたいカット打法のやり方とは?

OBUコーチ カット トレーニング 技術

カット打法を知らない人に、「カットはどうやるのですか?」と聞かれたら、どう答えるのが良いか。

オーソドックスでシンプルな質問ですが、答えるのがかえって難しいです。(^^;;

動画でもなく連続写真でもなく、文章のみでカット打法のやり方を説明します。

想像力を働かせて、お読みくださいね。

カット打法習得の流れ

カットに限らず打法を覚えるためには、

  1. まず実際にコーチがやって見せたり、または選手に動画を見てもらい、全体イメージを掴んでもらう。
  2. 同時にポイント(注意点、コツ)を説明する。
  3. 選手に真似をして実際にやってもらう。
  4. 出来ている所、出来ていない所を大雑把に色分けする。
    (複数のポイントを同時に行なうのは初めての人には難しいことを理解する)
  5. 出来ている所は褒め、もっと上手く出来るためのポイントを伝える。
  6. 出来ていない所は、上手く行かない理由とその対策を伝える。
  7. 上記の1.~6.を繰り返す。

という流れになると思います。

何度も何度も繰り返し、練習します。

たまに、すぐに出来てしまうこともあります。

しかし、「すぐに出来た事はすぐに忘れてしまう」ものなのです。

逆に、「苦労して覚えたことは簡単には忘れない」のです。

だから、何度も繰り返して練習するのです。

昨日出来たからと言って、今日も出来るとは限りません。

昨日出来なかったからといって、今日も出来ないとも限りません。

だから、毎日練習するのです。

  • 凡事徹底
  • 点滴石を穿つ

の精神で、粘り強く練習することです。

自分が比較的出来ると思った技術でも、毎日やればそれが得意技術にまで高められます。

習得に時間のかかるカット技術でも、必ずマスター出来ます。

カットの基本姿勢

カットの基本姿勢の構えは、右足を少し前に出した中腰の姿勢で、ひざを軽く曲げてやや前傾を取ります。

ひざは締め、内側に重心を置きます。

肩の力を抜き、右腕は軽く前に出し、ひじは直角よりもやや曲げて、手首は真っすぐとします。

左腕もだらりと伸ばさず軽く曲げて、右腕に添えるイメージでいます。

両脇は締めます。

ラケットの位置は、あごの下が良いでしょう。

あごは引いて重心をあごの下に持って行き、どんなところにサービスが出されても、軽く動いて対処出来るようにします。

リラックスして余分な力を抜き、自然体を心掛けましょう。

バックカットのやり方

バックカットは、基本姿勢の状態からまず左足を小さくステップして、飛んでくるボールに対して左足が直角になるようにして半身の体勢を取ります。

この時に、重心は左足に移します。

この動きにつれて右ひざを入れながら、同時に右脇を締めて右肩をグッと入れながら、ラケットを左耳の近くまで振り上げます。

このあとボールを引き付け、体重を左足から右足に移しながら、ひじ中心にラケットを振ります。

打球点の高さは、ベルトの位置より少し高いところが良いです。

打球時に、ちょうどひじの角度が90度になると最も力が入るからです。

ボールの引き付けが肝心で、少なくとも両足の間までボールを引き付けて打球します。

ボールを打つ点は、ボールの斜め下です。

時計の針で言うと真横が3時なので、4時から4時半くらいのところです。

ボールの頂点を過ぎた下降前期から、下降中期辺りを狙ってカットをします。

両ひざを曲げて、身体が沈む感じです。

応用技術として下降後期を狙う方法もありますが、それはあくまで応用です。

振り終わった後は、右足に体重が乗っているので、左足右足の順にステップして元の基本姿勢に戻ります。

バランスとリズムを取るために、左手の使い方も重要です。

カットのスイング時に、左ひじを少し後ろへ引くようにすると、スムーズな動きになり手打ちになりません。

フォアカットのやり方

基本姿勢から、右足をステップして飛んでくるボールに対して、直角になるように半身の体勢を取ります。

この時に、重心は右足に移します。

この動きにつれて左ひざを入れながら、同時に右脇を締めて左肩をグッと入れながらラケットを右耳の近くまで振り上げます。

バックカットは、バックスイングをする時に自然に右肩が入りますが、フォアカットは意識的に左肩を入れるようにします。

右脇を開けてバックスイングをする方法もありますが、私は脇を締めてひじをたたむ方法を採用しています。

この後ボールを引き付け、体重を右足から左足に移しながら、ひじ中心にラケットを振ります。

  • 打球点の高さ
  • ボールの引き付け
  • ボールを打つ点

は、バックカットと同じです。

フォアカットは、バックカットに比べて打点が安定しない傾向があります。

利き腕側で、自由度が高いからです。

右足のつま先でピントを合わせるつもりで、この延長線上でボールを捉えると打点が安定して来ます。

少なくとも、両足の間までボールを引き付けて打球します。

手首の力を抜いて、なたを振り下ろすイメージでフォアカットをします。

フォアカットでよく有りがちなのが、顔や上体を右へ傾けることです。

これでは、カットが不安定になります。

戻りも遅くなるので、良くありません。

打球点

バックカットのところで詳しく述べましたが、カットで大切なのはボールの引き付けです。

カットをする時は、強いボールを打たれても、なるべく我慢してよく引き付けることです。

頂点を過ぎた辺りの下降前期、下降中期くらいを狙ってカットするのですが、相手の打球は1球1球軌跡が違います。

ボールの伸びを球足とも言いますが、軽打は球足が短く、強打は球足が長いです。

つまり頂点を過ぎてから床に着くまでの距離が、軽打は短く、強打は長いのです。

よく判断して、下降前期から下降中期を捉えられる様に前後に足を動かすべきです。

打球感覚

打球感覚とは、ラケットにボールが当たる感触を言います。

いくら綺麗なカットフォームを覚えても、打球感覚が無ければ良いカットは出来ないと断言できるくらい、打球感覚は大切です。

使う用具で、弾み具合回転の掛かり具合は違ってきます。

また同じ用具でも、新しいものと古いものでは違います。

天候や湿気にも、左右されます。

だから、どんな状況にも対処出来るように、自分の中に一定の「基準」を作っておかなくてはならないのです。

感覚ですから、他人に説明出来るものでもないので、「そうそう、この感じ」と自分の中で分かっていれば良いのです。

カットに関して言えば、「下回転を掛けてボールを飛ばす感覚」になります。

2人組になって4~5メートル離れて向き合い、カットボールを飛ばし合う練習が良いです。
(または壁に向かって一人で行っても構いません)

常に狙ったところに、ボールが送れるように練習します。

カットの軌道のイメージも、自然に覚えます。

リズム感

卓球は、リズム感がとても大切です。

特に、カットはそのリズム感が独特なので、リズムでカットするのだと意識すると、難しいボールもカット出来る様になります。

リズム感を生み出すものは、軽快なフットワークです。

ワンコースのカット練習でも、必ず細かいステップを踏んで、1球1球基本姿勢に戻ることを意識します。

  • 足首
  • ふくらはぎ
  • ひざ
  • 大腿

など、下半身とその上にしっかりとした腰と体幹がないと、リズムを生み続けるのが難しいです。

縄跳びやスクワットなど下半身を鍛える体力トレーニングで、しっかりとした足腰を作っていきましょう。

特に、踵を地面に着けないで跳ぶ縄跳びは、リズム感も同時に鍛えるので良いです。

但し、軽快なフットワークで動いても、視線を上下にぶらしてはいけません。

頭の位置を一定にする様に、心掛けましょう。

身体を動かすと当然視線はぶれますので、矛盾したことを言うようですが、どちらが大切かと聞かれれば、それは視線の方です。

正確に球質を判断する方が、優先されます。

まとめ

以上が、「カット打法のやり方」となります。

多岐に渡ってポイントがあるので、なかなか掴み難い点もあると思います。

経験に照らしてすぐ理解出来ることもあれば、時間が経って分かることもあります。

カットを練習しながら、本文を読み返して頂きたいと思います。

「OBUさんが言おうとしていたのは、 このことだったのか!」と、実感して頂ける時が来ることを信じております。

カットは一日にして成らず、と言われますが共に成長して参りましょう。

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この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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