【卓球】ラージボールでの気付き

OBUコーチ

私は硬式の卓球の試合の他にも、ラージボール卓球をやります。

ラージボール卓球で経験したことが、硬式にも活かせると思っています。

先日、久しぶりにラージボールの試合に出てきました。リーグ戦(団体戦)です。

長い間、試合はコロナで中断されていたので、試合が出来ること自体が嬉しく、とても楽しい一日でした。

今回もラージボールの試合を通じて気付いた事がありましたので、皆さんとシェアしたいと思います。

ラージボールの感覚

硬式をずっと練習してきて、いきなりラージボールに切り替えると、まず障壁になるのが「感覚の違い」です。

これを克服しないと、力ばかりが入ってボールが思う様に飛んで行きません。

所謂「空回り」という状態です。

前日に先輩のMさんと練習したのですが、何度練習しても最初はこの感覚の違いに戸惑います。(^^;;

私なりの調整のポイントを挙げると、以下の様になります。

1.よくボールを引き付けて、インパクトの瞬間だけ力を入れる。肩の力を抜くことがポイント。

2.ラージ固有のワンテンポ置くリズムに慣れること。

3.相手の強打をカウンターする時でさえ、少し押さなくてはならない。
※私が弾まない用具を使っていることも関係しています。
※ラージボールでは相手のボールの勢いを利用して当てて返すという選択肢はないと思っています。

事前の練習としてやっておいた方が良いのがロビングとロビング打ちです。

試合で必ずと言って良いほど使うシーンがあるからです。

ラージボールは硬式に比べてボールが伸びて来ないので、同じ感覚で打つと前のめりになってしまいます。

あまり伸びて来ない高いボールをしっかり踏み込んで打つ練習をします。

どうやってラージボールで勝つか

ラージボールは相対性だと思います。

  • スマッシュでノータッチを何本も喰らう
  • ループドライブを打たれオーバーミスする
  • ブチ切れカットが持ち上がらない

そんなことはラージボールの試合ではまず起こりません。

もちろん全国レベルの選手と対戦すれば、話は別です。

あり得ることだと思います。

しかし私が出場している市民大会レベルではほとんどありません。(^^;;

カットマンの私の勝ち方は、回転の変化で相手にミスをさせる戦術です。

一見、カットで粘っている様に見えますが、単純にカットで粘る戦術ではないのです。

私のカット戦術には3つの罠があります。

1つ目の罠は、ナックルカットを送ることです。

ナックルカットを低く送ることで、相手はオーバーミスを恐れて、強振出来なくなります。

但し簡単に持ち上げられるので、相手に怖さを感じさせることは出来ません。

長くラリーを引くと、大抵の攻撃型は得点を焦り、前後に揺さぶったり、強打を混ぜてきます。

相手が無理して強打してきた時に初めて、2つ目の罠である、よく切れたカットを送ります。

この回転のギャップで、得点出来ることもあります。

しかし、少し上手な人には、この2つではすぐに見破られてしまいます。

そこで3つ目の罠を仕掛けます。

それが「少し切れたカットを送る」です。

ナックルでもない、よく切れたカットでもない、その中間のカットを送るのです。

相手は対ナックルカットのカット打ちをしようとすると、ネットに引っ掛けます。

第3のカットに気付いていないことが多く、ナックルカットだと思っているからです。

その直後に再びナックルを送ります。するとオーバーミスします。

「(ナックルに対する)手元が狂った。もう一度、角度を調整しよう」
と相手は迷います。

点数が開いてリードしている時などは、ここで攻撃を仕掛けます。

この様に2段、3段に構えて、相手をカット地獄に誘い込むのです。(笑)

相手がネットミスするのは、

こちらがブチ切れカットを送った時(絶対的)」ではなく「ナックルカットと思わせた上で、少し切れたカットを送った時(相対的)」が圧倒的に多いのです。

ですから、私はラージボールは相対的だと思うのです。

試合で勝つコツ

試合で勝つコツは、簡単に言ってしまうと、

「相手の短所弱点に自分の長所をぶつける」ことです。

相手は何をしようとしているのかを試合の早い段階で読み取ることです。

例を挙げて説明します。

Kさんという選手と、初めてシングルスで対戦しました。

直前のダブルスで対戦した時は、ミスが少なく繋いでくるので嫌だなと思っていました。
試合の序盤で私はサーブ番の時に、

  • バック前
  • フォア前
  • フォアミドル前

と色々なコースへ下回転系サーブを出してみました。

Kさんはバック前の処理が上手く、チキータの様にやや横回転を掛けながら払ってきました。

フォア前は普通のレシーブでした。これもやや横回転を掛けるようなツッツキでした。

フォアへのフリックもあるかも知れない、と思いました。

フォアミドル前へ出した時は、バックで回り込んでバック前の時と同じレシーブをしてきました。

この時点で私はKさん攻略の糸口を掴んだのですが、それが何か分かりますか?

それは「バックハンドが得意である」ということです。

そうでなければ、フォアミドル前のサーブをわざわざ回り込んでまでバックハンドで処理するはずがありません。

バックハンドが得意ということは、比較的フォアハンドが不得意ということです。

ですから私は、「Kさんのフォアにサーブを集める」作戦を採りました。

私はサーブを出す位置を変えながら、違う種類のサーブを出すフリをして(重要!)、Kさんのフォア前へサーブを集めました。

切れた下回転、ナックル、横下・横上とKさんのフォア前へ変化サーブを出しました。

Kさんの意識がフォア前へ集中し出すのを見計らってバックへ深くサーブを出し、またフォア前にサーブを集めました。

この作戦が的中し私は有利に試合を進め、2-0のストレートでKさんに勝つことが出来ました。

もう1つ例を挙げます。

ある攻撃型(仮称Aさん)は、フォア側へツッツキを送るとフォアクロスにしか返って来ません。

結構、威力のあるドライブですし、少し曲がるクセ球なので、受ける側としては嫌なのですが、コースが読めます。

Aさんと対戦しフォアへツッツキを送った後は、私はほぼ100%クロスで待つことにしています。

それでも返球できないこともありますが、分かっていればそれなりに対処できるものです。

自分の中では「Aさんシフト」と呼んでいます。(笑)

一定のボールを送ると、一定のボールが返って来る。

これも相手の短所・弱点の1つです。

やはり団体戦はオーダー

オーダーにもそのチームの傾向が現れます。その傾向を読めば対策を立てられ、有利に戦うことが出来ます。

リーグ戦だったので、試合が進むにつれて次の対戦チームのオーダーの傾向が読めて来ます。

チーム内のメンバーと話し合って、民主的に(?)オーダーを決めている場合は、ずっと似たようなオーダーになりがちです。

皆さんの意見を尊重しようとするので、どうしても最大公約数的な結論になるからです。

そういうチームのオーダーは、相手にとって読みやすいと思います。

一定のパターンになると相手に読まれます。これはチームとしての弱点に繋がります。

オーダーは誰か一人が決めた方が良いかも知れませんね。

因みに私のチームは私が決めます。先輩たちが面倒臭がって私に決めろという消極的な理由からです。(笑)

もちろん、「今回はこれでやらせてもらいますね」と皆さんの承認を得る様にはしています。

まとめ

ラージボールのコツから、試合の勝ち方、団体戦のオーダーまで、色々な事が今回の試合で分かりました。

この体験を忘れない様にノートに残し、次回にも活かしていきたいと思います。

また硬式の練習にも活かしていきたいと考えているのです。

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この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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