練習と調整

スキルアップ

「練習してもこれ以上、上手くならない」という声を聞くことがあります。

私も同じように思う時期がありました。

「自分は一生懸命、練習をやっている。今の実力をキープするのがやっとで、もうこれ以上、卓球が上手くなることはないだろう」
と。

しかし、それは間違いです。

今の私は、こう考えています。

「私は練習はすればするほど上手くなるし、試合で勝てる様になるであろうし、自分にはまだまだ伸びしろがあるのだ」

今号では、上記の様に考えるようになった背景と、練習とは何かを一緒に考えたいと思います。

陥り易い誤解

多くの人は学生から社会人になった時、仕事と卓球の両立が難しくなり、思う様に卓球が出来なくなります。

社会人として仕事を覚えることが先決ですから、それは当然のことなのだと思います。

ただ卓球選手としては、今まで出来ていたプレーが出来なくなり、かなり焦ります。

負けるはずがないと思っていたライバルに不覚を取るのも、この頃です。(^^;;

「練習さえ出来れば負けないのに」と悔しい思いをします。

この時点で卓球を止めてしまう選手もいます。

その人の選択ですから、余計な口出しする事ではないのですが、私は少しもったいない気もします。

頑張って続けた選手は、何とか練習時間を確保して、卓球の練習を再開するのですが、ここである誤解が生じます。

自分は練習をしているつもりになっているのですが、多くの人は(私も含めて)、「過去の自分のプレーを取り戻し、一定のレベルにキープするため」の時間になっているのです。

それは練習と言えるのでしょうか。

私はそれは「調整」だと思います。

何故なら、過去に自分が出来ていたことをやろうとしているだけだからです。

その努力は尊いものですが、100%出来たとしても、それは過去の全盛期の自分に過ぎません。

そして、多くの場合、体力の衰えから100%などとても無理で、全盛期の遥か手前で足踏みしてしまいます。

若く体力があった時は、同じ練習をしてもそこに創意工夫を加えられて、それに連れて技術も向上しました。

体力が衰えた今は、それは叶いません。

また、私はあるチームに所属して、そのチームメートの数人と練習していますが総合的な練習になりがちです。

基礎練習やゲーム練習は出来るのですが、相手がいることもあり、自分だけが新しい技術を習得するための練習はしづらいです。

私がこのチームメイトと行っているのは、やはり、練習と呼びつつもその内容は調整だと言わざるを得ません。

ルール変更と卓球のスタイル

プラスチックボールにルール変更なって早いもので6年が経過しますが、私は未だにその対応に苦しんでいます。

回転とスピードの減衰が多くなり、ラリーが続くようになりました。

球威の衰えを補うべく用具は格段に進歩し、前陣速攻のプレーが主体となってきました。

私の様に守備的カットマンだった選手には大変苦しい時代になりました。カット自体が速攻とは相容れない技術だからです。

中陣でドライブを引くのが主体の選手にも同様の事が言えて、速攻選手のプレーに押されがちになります。

今までのスタイルを全て捨てて、速攻型の攻撃マンになるのは、無理な話です。後発過ぎるからです。

そもそも、ずっとカットマンをやってきた速攻は私には不向きな技術です。

それよりかは、今までのスタイルの中に速攻の要素を加える方が現実的かと思われます。

私が考える速攻の要素とは以下です。

1.サーブ
・エースが狙える
・頂点前で捉える3球目攻撃

2.台上レシーブ
・容易に打たせないストップ
・先手の取れるチキータ
・得点力のあるフリック
・コースを限定させるツッツキ

3.カウンター
・相手に打たせて前陣でブロック
・やや下がった位置での強打

私はカットマンですが、11本制ということもあり、短期決戦の考え方にシフトしています。

どうやって1点を取るか、ということです。

攻撃マンは攻撃的な技術で点を取りますが、カットマンはその組み立てにカットが1本挟まるだけだと考えています。

練習とは何か

ここで、もう一度、「練習とは何か?」を読者の皆さんと考えたいです。

私は、練習とは今まで使ってこなかった新しい技術を習得することだと思います。時代の変化に柔軟に対応することです。

皆さんはどうお考えでしょうか。

今まで出来ていた技術に磨きをかける、それは必要ですが、あくまで調整だと私は思います。

それにプラスアルファして、時代に即した新しい技術を組み込んでいく、これが練習ではないでしょうか。

私の場合で言うと、それは速攻の要素です。

コロナ禍となってから、私は先輩のAさんの練習場で多球練習をやらせて頂いています。

ここでは、球を沢山使って感覚を磨きつつ、自分にとっては足りていない、かつ新しい、速攻の技術を習得する事を目指しています。

一方でクラブのチームメイトと打つ時は、既存の技術に磨きをかけつつも、A先輩の練習場で覚えた新しい技術を試しています。

「練習」と「調整」を交互に繰り返しているので、とても良い循環が出来ています。

しかし、まだまだ、本当に身に付いたとは思っていません。

最終的には実際の試合で使えるところまで高めて行きたいと思っています。

 

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この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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