【実体験】全体感(カットプレー全体のイメージ)の喪失とその対策
若い頃に出来ていたはずのプレーがいつの頃からか出来なくなっていました。
ある時、この事実に自分自身で気付き、愕然としました。正直とても焦りました。
もしかしたら、こういうことはベテラン選手の誰もが経験する事なのかも知れません。
今号では、私自身の情けない体験とその対策についてお話します。
カットマンに必要な全体感
私は初心者カットマンを指導する時に、「全体感を大切にしなさい」と言います。
全体感とは、「カットプレー全体のイメージ」のことを指します。(ちなみに全体感とは私の造語です。)
その人なりに、自分のカットプレーとはこういうものというイメージを持つことが大切です。
これは、個々の技術の組合せでは決して出来ないものです。
個々の技術が完全でなくても良いので、自分はこんなカットプレーをするのだというざっくりとした大きなイメージを持つことなのです。
カットマンとして使用する技術をある程度マスターしたら、可能な限り早い段階で全体感を持つことです。
全体感を持った後に、また個々の技術を練習すると上達が早いのです。
私の体験的にそう思います。
全体のプレーの中の1つとして、その技術を捉えることが出来るからです。
全体感を作っては個々の技術を磨き、また全体感を作り直すことの繰り返しで私は少しずつ上達してきたのでした。
これはカットマンに限らず、あらゆる戦型に言えることなのかも知れませんね。
全体感を支えるもの
全体感で培ったプレーに必要な物は、
1.大きく動くフットワークと小刻みに動くフットワーク
2.体幹を中心とした筋力
3.1球1球のしっかりしたスイングとニュートラルへの戻り
です。
これらのものが互いに関連して、初めてイメージ通りのカットプレーが出来るのです。
ところが、ふと気がついたら、私はこの全体感が無くなっていたのです。
いや、それは今に始まったことでなく、ずっと以前から無くしつつあったのです。
その時は無くしつつあることに気付かなかった、あるいは、試合で何とかなっていたので、私は気付こうとしなかったのです。
しかし、ここ最近の公式の試合や、チーム内のゲーム練習で負けることが多くなるにつれて、自分が全体感を喪失していることを認識せざるを得なかったのです。
初心者を指導する時に大切にしなさいと言っている張本人なのに情けないです。
どういう状態かと言うと、1つ1つの技が連携・連続しておらず、単発で終わってしまっているのです。
例えば、
せっかくサービス力を磨いて試合の中で使っても、サービスの行方を追ってしまって3球目の備えが出来ていない
良いレシーブをした後に、次の相手の返球を勝手に想像してしまって、予想外の返球に全く対応出来ない
などです。
とにかくプレー全体に粘りがなく、真剣にやっているはずなのに凡ミスを繰り返し、相手にあっさりと得点を許してしまいます。
カットで粘ることも出来ず、俺はどんなプレーがしたいのだっけ?と情けなくなる内容なのです。とほほ。
今まで勝てたのは、たまたまそれらが得点に繋がっていたから、あるいは、たまたま甘いボールが来て間に合ってしまっていたから、です。
このままでは、下り坂を転げ落ちるように試合で勝てなくなってしまうだろう、私は真剣にそう思いました。
自分が若い時分は練習量の多さでカバー出来ていたのでしょうが、体力が落ちた現在ではそれもかないません。
何故、そうなったのか
いくつか理由が挙げられます。
1つは「練習内容の偏り」です。
ワンコースでの基本練習や、規則的なフットワーク練習に時間を割き過ぎていました。
ランダムな動きをする応用練習や、ゲーム練習が少なかったのです。
もう1つは「体力の衰えからくる、視力と集中力の低下」です。
練習の前半はまだ良いのですが、後半になり疲れが出る頃になるとボールの追い方が雑になっています。
つまり、
・自分で動いているつもりでも、実際はそれほど動けていない
・ボールを見ているつもりでも、実際は目で追えていない
のです。
こういう状態だから凡ミスが出るのです。
思い当たる方も多いのではないでしょうか。
では、どうすれば良いのか
今の状況で工夫をするか、今の状況そのものを変えてしまうか、の2択になると思いますが、2者択一の考えではなく、私は両方をやろうと思います。
練習時間を区切って基本練習ばかりで終わるのではなく、最後に必ずゲーム練習を入れるとか、今日は基本練習を中心にやる、今日はゲーム練習ばかりをやる、というように日によって内容を変えます。
それと同時に、集中力が持続出来るように体力を付けます。
今からでも決して遅くはありません。体力トレーニングを再開します。
自家用車で行くところを自転車にするとか、ウエイトをつけて歩くとか、少しずつ身体に負荷をかけて行きます。
但し、無理はしないつもりです。
また時間を有効に使って休養も摂ります。特に睡眠時間を確保します。
無理をすると持病の腰痛を再発するので、気を付けて行おうと思っています。
効果が出るまでに時間がかかりますが、急がば回れの精神でコツコツ継続します。
何か気付きがあれば、またこの場を借りて報告します。(^^)
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)