人数が多いチームの練習
中学校の部活など人数が多いチームで練習する時は工夫が必要になります。
使える台に対して選手の数の方が多い場合などは、特にそうです。
チームに大勢の選手がいて、それぞれの選手を強くしたいとした場合、どんな工夫が出来るかを今号では考えます。
グループ分けと台の割り当て
子供たちの卓球を指導する場合、どうしても選手間で技術的に差があります。
中学校で初めて卓球を始める選手と、小学生の頃から卓球に慣れている選手では技術的にどうしても開きがあります。
こういう選手たちを一緒にしてしまうと、どちらの選手もあまり伸びません。
従って、指導者が力量を見極め、大体同じ技術レベルの選手同士でグループ分けをしてやることが大切です。
理想は、2人又は3人を1グループとして、各台に割り当てるくらいがちょうど良いです。
例えば、練習台が8台あるとしたら、16名~24名が練習する形です。
コーチが複数人いる場合は、コーチのいる台を固定とします。
そして、時間を測ってグループ毎に台を移動します。
移動の際に練習内容を変えると、選手の目先が変わって飽きが来ず、集中力を保ち易いと思います。
場合によっては、同じ練習内容を続けても良いでしょう。
コーチの台では、練習内容はそのコーチに任せても良いです。
ポイントは「数を多く打つ」
台と台の間に練習ボールを沢山入れたカゴを置き、選手はそこから複数個ボールを取り、間髪入れずにどんどんボールを打ちます。
例えば、コーチの台ではコーチ相手に3人の選手が交代で打つのですが、1人の選手が3球続けて打ち、その後で交代しても良いのです。
ボールが床に散らかりますが、頃合いを見て選手全員で拾うと良いでしょう。
見学の父兄が虫取り網を使って球拾いをしているクラブチームもあります。
ポイントは、ボールを数多く打つことです。
それも、出来るだけ自分よりも上手な相手に対してです。
これが一番の上達の近道です。
球出しの上手いコーチがいる場合は、そのコーチの台は多球練習も良いでしょう。
ある技術を取り上げて、集中的に練習するには最適の練習法です。
初心者に対してはフォーム固め、初中級者に対してはボールの威力と安定性を増すために多球練習をすると良いです。
カットマンや粒高ショートマンは、専属コーチに多球練習をしてもらった方が効率が良いです。
選手同士でやらせてもラリーが続かないのでそれぞれにコーチが付いた方が練習になります。
この様に、練習に参加している全ての選手が沢山ボールを打てるように工夫します。
ゲーム練習
例えば台が8台ならば、シングルスのゲームなら16名しか試合が出来ません。
台に付けない選手は、1列に並び、試合を観て待ちます。
1ゲームマッチにして、負けた選手は列に並び、次の選手が素早くコートに入ります。
負けた選手は必ず監督に結果と学んだ事を報告しなくてはならないというルールを決めます。
コーチは対戦したら、必ず何かしらアドバイスを授けます。
勝ち残る選手がコーチと対戦できなくなるのを避けて、頃合いを見てその選手とコーチが試合をする様にします。空いた台は列に並んでいる選手が入ります。
全体の時間を決めて、その時間内で全員が数多くの試合をこなすようにするのです。
王様ゲーム
最後に「王様ゲーム」を紹介します。これは、1台に3~4人で行うゲーム練習です。
1人を王様と決めて、台に入ります。他の人は挑戦者となります。
挑戦者のサーブから試合を始めます。2本のサーブのうち、1本でも王様が取れば、挑戦者の敗退です。次の挑戦者に交代します。
2本とも挑戦者が取った場合、チェンジサーブで王様がサーブを出します。
王様のサーブは1本です。この1本を王様が取れば、王様の防衛です。
挑戦者が取れば、政権交代です。挑戦者が新しい王様となり、次の挑戦者の挑戦を受けます。
このゲームの良さは、短期決戦で最初から全力で取り組むクセがつくことと、回転が速く待っている選手の待ち時間が少ないことです。
それこそゲーム感覚で臨むことが出来ます。
気を付けなくてはならないのは、プレーが雑になり過ぎることです。
ミスを恐れず思い切ってプレーすることは、殻を破るという意味では良いのですが、そこに真剣さが伴わないとただの遊びになってしまうのです。それでは試合で使えません。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)