ボールの勢いを殺す感覚

OBUコーチ カット

私は両面裏ソフトのカットマンとして現在もプレーしています。

40年以上卓球を続けていますが、未だに悩んでいることがあります。

それが「ボールの勢いを殺す感覚」です。

この感覚を掴みかけては、また手から離れるを繰り返しています。

今号はそんな「感覚」の話です。

個人の感覚の話ですので、伝わり難かったらごめんなさいね。(^^;;

それはバックカット

カットの極意は、

「相手のボールの勢いを吸収し、それを利用しながら自分のボールにして返す」

ことだと、上手な人から教わりました。

その人は大学の一つ上の先輩で、自身は攻撃型ですが、カット打ちが大変上手い選手で、カットマンのことをよく知っていました。

当時の私は肩に力が入った状態で、力でボールを押さえつけるようなカットをしていた様に思います。

そんな私を見かねてアドバイスしてくれたのだと思います。

対外試合に行った時も、他校の上手いカットマンのプレーを私に見せては、何が違うのかを教えてくれました。

先輩が言うには、上手いカットマンは、

・全体的に力が抜けている
・よくボールを引き付けてスパッと振り切る
・カットのボールが深い

ということでした。

ある大きな大会を前に行なった合宿で、へとへとになるまで練習して、ようやく先輩が言っていたことを覚えました。

足をよく使って最適打球点まで動き、身体全体を使ってカットすることが少しずつ出来上がってきました。

今から思えば、カットマンとしてのスタート地点に立ったのは、その頃だったのだと思います。

そこから約30年の年月が流れるのですが、その間ずっと悩み続けていたことが、バックカットの感覚だったのです。

上手くボールの勢いを殺す感覚が、バックカットに関してはどうしても掴めないでいるのです。

名カットマンだった羽佳純子さんの講習会でも、

「ボールとケンカしない」

とカットのコツを教わりました。(とても分かり易くて良い言葉ですね!)

お陰様でフォアカットに関しては、自分でも何となくコツを掴んだのです。

いつもいつも出来るわけではないのですが何球かに1回は自分でも納得のいくカットが出来る様になりました。

ただバックカットに関しては、特に強いボールに対して、バチンと強くラケットを当ててしまうクセが抜けないのです。

フォアカットでそれが出来るのだから、バックカットでも出来るだろう、と考えるのは早計です! (^^;;

今まで何回もトライして来ましたが、納得いくものは未だに出来ないでいます。

このままマスター出来ずに選手生命が終わってしまうのではないか、という焦りも感じ始めています。

何故、その技術に拘るのかと言いますと、現在私は自身の卓球を変えようとしているからなのです。

それはより攻撃的なカットマンへのシフトなのですが、攻撃力をいくら高めたとしても結局はバックカットの甘さを相手に突かれ、攻撃も不発に終わるのではないかと思うのです。

ラケットに軽く当てる

そこで、強いドライブボールを打てる選手を相手に色々と試してみました。

まずは、バチンと強くラケットに当ててしまう癖を見直そうと思いました。

最初はラケットに軽く当てる様にしてみました。

軽く当てるのは良いのですが、何とも頼りないカットボールが返るだけでした。

相手のボールの勢いにも負けている感じがしました。

やはり、軽く当てるイメージで入りながらもしっかりカットのスイングをしなくては、相手にとってのチャンスボールが返るだけだと分かりました。

全体的に力を抜く

一時期私はサーブ練習を沢山やりましたが、その時に掴んだ感覚を、次にカットに採り入れてみました。

それはバックスイングとフォロースルー時に殆ど力を入れず、インパクトのみ力を入れるやり方です。

これは、やってみて良い感触でした。

まだまだ練習が必要ですが、自分のものに出来れば、大学時代に先輩に教わった、上手いカットマンに近づけるかも知れないと思いました。

芯を外す

ドライブボールはボールの飛来方向に前進回転が掛かっています。

この方向に対して垂直にラケットを当ててしまうと、回転の影響をまともに受けてしまいます。

回転に負けないスイングの持ち主か、粒高ラバー使用者ならば、それでも行ける可能性はあります。

しかし私は裏ソフトで、しかも攻撃用の弾むラケットとラバーに替えたので、まず回転に負けてしまうと判断しました。

そこで芯を外すことを意識しました。

台からの距離が近い時には、ボールの外側を捉える様にしました。

バッククロスの場合、右利きの相手の身体に食い込む様な弧を描いて入ります。

バックスイングは高く取り、ラケットヘッドを立て、脇を締める感じで行います。

左ひじも身体の後方へ引きます。

その体勢から上体を倒す様に、相手コートへ押し込むイメージでスイングします。

このカットの難しい所は、高い打点をキープして連続して捉えることと正確なタイミングを捉えることです。

少しでも間違うと良いカットが入りません。

その上こちらには時間的余裕もありません。

相手の打球を身体で覚えて、よく軌道を見て「点で捉える」つもりでスイングして行かなければなりません。

台からの距離が離れた位置にいる時には、ボールの内側を捉える様にしました。

右利きの相手の身体から逃げて行く様な弧を描いて入ります。

カットはこちらの方が切れます。

ただ自分から切ろうとすると、どうしても力が入ってしまうので、あくまでも力を抜いて芯を外しているかを意識してやることが大切です。

特に今の私のスキルレベルでは、力を抜いて芯を外すことに主眼を置き、「何かの拍子に切れたらラッキー!」程度に捉えて置くのが良いと思っています。

そのために必要な物は?

取り組んでみて分かった事があります。

それは、これらをやるための必要な物、つまり前提条件があるという事です。

これがないといくら努力しても、砂上の楼閣となってしまうというくらい大切なことです。

その前提条件とは、大きく2つあります。

1つは、しっかりとした足腰です。

カットは膝を少し曲げた状態で前後左右に動きますので、その状態でも上体がぶれずキープ出来る下半身の強さが必要です。

自分の出来ない技術を習得するための練習にチャレンジする時は、いつも以上に体力を使うものだと私は痛感しました。

練習の後半は疲れてきて、良い状態をキープ出来ないのです。情けない!

もう1つは、動体視力です。

芯を外す練習をした時には、やはり動体視力の重要性を感じました。

集中力が切れてくると、それにつれて動体視力も落ちてくるので要注意です。

適度の休憩も必要だと思いました。

なぁんだ、どちらも卓球の基本じゃないか。

そう思われた方もおられると思います。

そうです、その通りです。

私はもう一度基本からやり直さなくてはならないことに気付いたのです。

私の目標は、この練習を通算2万球やることです。

何故、2万球かと言いますと、私の尊敬する高島先生ならきっとそれくらいの数を自分で試行錯誤しながらこなして来なさいとアドバイスするだろうと思うからです。

2万回も打てば、そのうちの何球かは全ての条件が揃い「これだ!」というものが掴める気がしています。

現状は、まだ200球に満たないですから、まだまだこれからです。(^^;;

最後に

この「ボールの勢いを殺す技術」に関して、何か良い練習方法やコツなど、もし、あなたが知っている情報があれば、是非教えて頂きたいのです。

もちろん自分の感覚は、自分で試行錯誤して掴み取るしか方法はないと分かっていますがそれでも藁をもすがる気持ちでいるのです。

よろしくお願い致します。<(_ _)>

 

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この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)
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