名刀、政宗
ラケットをマークカーボンから政宗に変え、約1ヶ月が経過しました。
この間に私が感じた政宗の使用感を、今回は皆さんと共有したいと思います。
但し、まだまだ練習中で、この用具に慣れていっている途中です。
もう少しこの用具で色々体験して、使い込んでみないとはっきりしたことは申し上げられないと感じています。
ですので、今回は中間報告として捉えて頂けるとありがたいです。
あくまで私個人の感覚ですが、読者の皆さんの参考になれば幸いです。
【以前の用具との比較】
私が以前使用していたラケットとラバーは以下の様なものでした。
ラケット:マークカーボン(YASAKA)
ラバー:テナジー19特厚(フォア)
テナジー19厚(バック)
総重量:180g
攻撃を重視した組合せでした。
※以前のメルマガ「ラケットへの想い」参照
それに対して、新しいラケットとラバーは以下の通りです。
ラケット:政宗(YASAKA)
ラバー:ラクザZ
エクストラハード 特厚(フォア)
翔龍 厚(バック)
総重量:199g
攻撃型のラケットとラバーの組合せから、いきなりラケットはオールラウンド用、ラバーは高弾性から粘着と微粘着に変えたわけですから、ギャップがあって当然です。
この点は差し引いて考えなくてはならないと思っています。
【政宗の第一印象】
グリップが太い、ラケットの総重量が重い、この2つが持った感じの私の第一印象です。
しばらくは、そのままを受け入れて練習してみました。
というのは、どんな用具を使おうとも、最初は違和感があることを知っているからです。
何回か練習を繰り返すうちに、だんだんと違和感が少なくなり、私の方が慣れてきました。
しかし、どうしてもグリップが馴染まないので、そこで初めて紙やすりで削りました。
柄が少し細くなるようにしました。この状態でまたしばらく様子をみることにします。
ラケットの重さの方も、気にならなくなってきました。確かに重いは重いのですがプレーには支障がありません。
逆に今は力を抜く練習をしていて、かえって重い用具は良いかも知れません。
と、ここまでは第一印象の中の悪い面について述べました。
お待たせしました。ここからは良い面です。
【ラケットの形状とバック系技術】
ラケットの形状が特徴的です。
ブレード面が長さ154ミリ、幅155ミリと、ほぼ正円に近い形状なのです。
通常のシェークラケットであれば、縦長の楕円形で、ラケットを振った時に遠心力を感じます。
政宗にはこれがないです。
ちょうど日本式ペンドラの角ラケットから中国式の丸いラケットに変えた時の感覚に似ています。物足りない感じです。
しかし、その分、バック系技術がとてもやり易いのです。
ブロックにしてもバックハンドにしても、バックドライブにしても、とても振り易い。
ヘッドが小回りが利くから微調整がやり易いのだと思われます。
加えて私は脱力の練習をしているので、ラケットとラバーの性能で威力ある良いボールが出せるのです。
力を抜く練習と言うのは、
「無駄な力を入れず、本当に必要な時だけ力を入れる練習」
なのです。
この方がかえって用具の良さが引き出され、ボールに威力が出ます。
今までの自分は自分の力で威力を出そうとし過ぎていました。
これらのことが打球のたびに実感できるほど、このラケットは「良いラケット」です。
バック面のラバーは翔龍の厚で、いわゆる中国ラバー(粘着系ラバー)です。
バックに粘着系を貼るのは2度目ですが、以前よりも断然良く感じています。
以前はNittakuのPF4-CS、廃版後はキョウヒョウ2の中を使っていました。
独特の打球音は変わらないのですが、相手のドライブをブロックした時に、翔龍の方が上回転系で返り易いのです。
中陣からバックドライブにしても、力まずラバーに食い込ませることが出来れば走るドライブが打てます。
ツッツキに対してバックドライブを掛ける時も、力を入れない方が良く入ります。
テナジー19を使っていた時は、やり過ぎると肘が痛くなりましたが、今はほとんど痛くなりません。
【カットが非常にやり易い】
政宗はカットが非常にやり易いと感じます。
直前まで攻撃型の用具でカットをしていた経緯もありますが、あまり弾み過ぎず、とてもカットがやり易いです。
深くて低い良いカットを、自分で出そうとしなくても、ラケットを信頼して普通にスイングするだけで良いカットになります。
どうやらここでも力を抜くことが、良いカットを出せるかどうかのポイントになるみたいです。
最適の打球点でカットが出来るように、特に足を動かして、体勢をしっかりと作り、後はインパクトの瞬間だけ少し力を入れるつもりでスパッと振り切るのです。
そうすると、すごく良いカットが出せます。
(言うのは容易く、やるのは難しいですが)
カットがゆっくりスーッと飛んで行きます。
常にそういうカットが出せる様に、練習していくわけですが、今のところ自分でも納得のいくカットがこの用具では出し易いです。
カットのやり易さだけを言ったら、以前使っていた柳合板のラケットの方が勝りますが、政宗は攻撃面も良いのです。
これだけカットがやり易いのに、ドライブ攻撃もやり易いのです。
まさにオールラウンド仕様のラケットです。
ラクザZエクストラハードの性能もあると思いますが、微粘着ラバーでありながら、テンション系を思わせる回転と球の伸びを出すことが出来ます。
同じラクザZでも、ノーマルタイプよりも、エクストラハードの方が威力あるドライブを安定して打てる様です。
試打の動画が複数あり、同様の意見が寄せられていました。
(この点は私自身は試していないので何とも言えません)
フォアドライブの引き合いは、攻撃型と同等に打ち合えました。
対下回転のドライブも、カウンタードライブも遜色なく打てます。
フォアドライブに関しては、私自身が技術的にまだまだ未熟だと思っています。
改良の余地がまだまだある、と。
どうやら、ここでも、いかに無駄な力を抜くかがキーポイントになるみたいです。
(ここまでは分かっています)
ドライブは、威力を出そうとして、どうしても力が入りがちなのですが、そこを我慢してしっかり回転を掛けることに専念していくと上手く行きます。
フォアハンドグリップが定まっていないのとノーマルグリップでさえもまだしっくりしていないのも原因の1つです。
しかし、これらが安定するのと同時にフォアドライブも安定してくると思っています。
まだしばらくは練習を積み重ねて行きます。
【名刀、政宗】
政宗に関しては、試打動画が複数あり、バック系技術のやり易さ、カットのやり易さに関しては、数名の方が紹介されていました。
政宗を購入する前にそれらを観ていました。
ここ1ヶ月強の練習の中で、自分なりの感覚で動画で言われていたことを1つずつ確認する形になりました。
もしかしたら先入観があったかも知れませんが、概ね動画で言われていた通りでした。
攻撃型のラケットにテンション系ラバーという組合せから転向した私から、これらに付け加えて言えることがあるとしたら、政宗は刀の様なラケットだということです。
フォアドライブを例にとると、テナジー19の時は思いっ切り力を入れて振り抜くと力がそのままボールに伝わった感じがしました。テンション系の打球です。
ドライブボールですから、実際は弧を描いて飛んで行っているはずですが、私のイメージの中では、急上昇し直線的に飛び急下降するという横から見て台形の様な飛び方なのです。
オーバーミスかと思うボールが、急落下してエンドラインぎりぎりに入る、しかも速くて伸びがある、という球種です。
一方の政宗は、インパクトの瞬間までは脱力し、直後にほんの少しだけ力を入れてスパッと振り抜く感じです。
打球は弧を描くのですが、一瞬ゆっくりに見えた後にどんどん加速して伸びてくると言った球種です。
力は要らず、スイングの鋭さが命。
ラケットの性能の良さが成せる技です。
その鋭い切れ味は、まさに名刀の様です。
私は、この名刀・政宗の性能の3割程度しか使いこなせていない気がするのです。
剣豪の様に精進して参りまする。(笑)