ラケットへの想い
中学1年生から卓球を始めて、もう45年が経過しようとしています。
その間、何本のラケットを使用しただろう?と改めて思います。
長い間、愛用したものもあれば、すぐにこれは自分に合わないと手放したものもありました。
卓球仲間には用具マニアみたいな人もいて、とっかえひっかえラケットやラバーを頻繁に変える人もいます。
色々試すのは良いことだと思います。
その時の状況に応じて、自分がベストだと思うものを選択すれば良いのです。
私はどちらかと言うと、これはと思った用具は年単位で使い続けるタイプです。
その間に沢山練習をやり試合にも出ますのでだんだん特徴が分かってきます。
その過程では、もちろん失敗もあります。
数年前から現在まで、私がどんなことを考えラケットを選んできたかをお話します。
皆さんがご自分の身に置き換えて、ラケットをはじめ用具を選ぶときに参考になれば幸いです。
【フィーリングで選ぶ】
最初のきっかけは、長年使っていたラバーが廃版になったことでした。
バック面に貼っていた粘着系のラバーだったのですが、もう後継は発売されないとのことでした。
そこで私は、もう一度カットマンとしての方向性を考えることにしました。
プラスチックボール時代に、両面裏ソフトのカットマンとして自分が生き残っていくためには「原点に戻らなくては」と思いました。
いくらカットを切っても、今の時代は、攻撃型に簡単に持ち上げられる、だから自分は微妙な変化のカットで勝負しよう、と考えました。
そこでカットのやり易い、弾みを抑えた用具を選択しました。
ラケットのメーカーは、高校時代に私が慣れ親しんだDARKERに決めていました。
知人とわざわざ横浜の国際卓球まで出向き、店員さんに事情を話してカットマン用のラケットを選んでもらいました。
自分でもボール突きをさせて貰いました。
そのうちの1本に、
「あ、コレはいい!」
と直感で閃くものがありました。
弾みを抑えてある上、手に響いてくる感じがとても良いのです。グリップも手に馴染んでいました。まるで一目惚れの状態でした。
ラバーを貼った状態でも、カットの打球感はとてもしっくりくるものでした。
スプラインというラケットです。
ラバーはフォア面にYASAKAのマークV特注を、バック面に同じくYASAKAのウォーリーを使いました。
コントロールが良いのが特徴なので、低く深く入れるカットを心掛けました。
ナックルカットを主体として、相手に分からない様に少しだけ切る、チョイ切れカットを混ぜました。
相手が力を入れるとオーバーミスし、逆に力を加減するとネットミスをする、という「カット地獄」をプレーの身上としました。
こちらの作戦に相手がハマってくれた時は勝てるのですが、如何せん勝ち味が遅く、こちらも体力を消耗する事が多かったです。
11本制では勝負が早いので、こちらの良さが存分に発揮できる前に負けてしまうこともありました。
このスタイルのままではダメだ、と感じていました。
そんな中、大阪で開かれた全日本選手権を観に行く機会に恵まれ、ベスト16に入った英田選手の活躍を目の当たりにしました。
なるほど今のカットマンは、英田選手くらい攻撃しないと勝てないのかと思いました。
英田選手がラバーでマークVを使っていると聞き、私も両面マークVに変えました。
サーブを持ったら3球目攻撃をする、相手がカットをツッツキで返して来たらすかさず攻撃をする、というように、攻撃的なプレースタイルに変えようと決心しました。
【ラバーに合うラケットで探す】
試合でも果敢にチャレンジしたのですが、攻撃に威力が足りませんでした。
いつも一緒に練習しているM先輩が、
「マークVの性能を活かすために作られた
ラケットがあるから、使ってみては」
とのアドバイスをくれました。
それがマークウッドであり、マークカーボンでした。よりアグレッシブに行きたかったので、私はマークカーボンを選びました。
しばらくはこの組合せで練習していました。
ある時、多球練習で球出しをしてくれるA先輩からテナジー19を勧められました。
試しにテナジー19でドライブを打つと、回転は掛かり球速は速くて、多球練習用の防球ネットを打球が駆け上がるのが分かりました。
攻撃用のラケットに攻撃用のラバーという組合せなのですが、こんなにも使う用具で球威が違うことに愕然としました。
これ以上スイングスピードが速くなることは考えにくいので、「ならば用具で補おう」と思い切って変えることにしました。
かなり攻撃偏重な選択でしたが、お陰様で攻撃の球威は上がりました。
フルスイングで上手くボールを捉えられた時には、ボールがラバーにしっかり食い込み、今までの自分とは思えないくらいの威力あるドライブが打てました。
大切な大会でも、この威力を増した攻撃力で勝てた試合がいくつもありました。
このマークカーボンにテナジー19という組合せで、1年2ヶ月ほど使いました。
これほど使い込んでいると、テナジー19は新品の時よりも、少しの間練習して使い込んだ時の方が、馴染んで使い易くなることや、同じ組合せで2本ラケットを用意したところ、同じマークカーボンでも弾みに違いがあることが分かりました。
【目指すべき戦型で選ぶ】
しかし万能な用具はなく、どうしてもクリアできない問題点もありました。
それはバックカットでした。
私が取れる範疇の回転量のドライブで、かつ私が万全の態勢で待ち受けている時には、抑えの効いた良いカットが出来ました。
しかしこちらの態勢が少しでも崩れると、弾み過ぎてしまってカットにミスが出てしまうのです。
またテナジー19は高価で、打球感が変わったからと言って、そう易々とは買い替えられないという切実な問題もありました。
カットも出来て、攻撃も出来る用具はないものだろうか・・・。
自分が目指すべき戦型は、カットで粘る守備型カットマンではなく、攻撃偏重の攻撃型カットマンでもなく、打って良し、守って良しの、超攻撃型のオールラウンドカットマンであったはずだ。
よし、ここは英田選手の使っている用具を試してみよう!と決心しました。
ラケットはYASAKAの政宗です。ラバーは、フォア面がラクザZエクストラハード、バック面が翔龍です。
YouTubeで、この用具を使って試打した動画がアップされていましたので、色々と調べました。購入前にとても参考になりました。
カットが大変やり易いこと、バック系技術がやり易いこと、グリップが太いこと、全体の総重量が重めであることなどが分かりました。
政宗は、定価で2万円ほどする大変高価なラケットでしたので、購入前にためらいがやはりありました。
ネットで代引きで注文したのですが、お金をいれた封筒に手を合わせて、感謝の気持ちを伝える儀式をしました。
君(お金)のお陰で、私は欲しかった高価なラケットを得ることが出来て、これでまた一歩、自分の夢に近づくことが出来ます。本当にありがとう。と祈ったのです。(私は少し変でしょうか? 笑)
現在は、この用具で練習し県外の大きな大会にも出場しました。
特徴はYouTubeで言われていた通りでした。
しばらくは、この用具で練習していくつもりでいます。
いつも大切に取り扱い、使用前と使用後にラケットに対して、感謝の意を伝えるようにしています。
【まとめ】
改めて自分のラケット変遷を振り返って何を模索してきたのかということが分かりました。
一見回り道の様に思えますが、必要なプロセスだったのではないかとも思うのです。現在は過去の結果なのです。
使ってみて初めて分かることもありました。
結局、用具選びは、
1.自分がどういうプレーをしたいのか。
2.用具はプレーに合っているのか。
3.用具の特徴をよく押さえておく。
ことが大切なのだと思います。