【OBUコーチ】意識したいカットマンの基礎とは?

OBUコーチ カット 戦術

カットマンが、とても大切な事なのに、ついつい忘れがちな事とは何でしょうか?

それは「カットの基礎」であり、「カットマンとしての戦い方」です。

プラスチックボールへの移行という、カットマンにとって影響力の大きなルール改正の下、カットマンとしては大きな戦術転換が求められています。

しかし、

  • カットの基礎
  • カットマンとしての戦い方

は、確固たるものを持っておかなくてはなりません。

時代と共に、どんどん変えるべきもの。

時代が変わっても、変えてはならないもの。

物事にはその2つの側面がありますが、両方の考え方が必要なのです。

変えてはならないものを深く心に刻むことで、逆に変えるべきものが見えてくるものです。

カットマンとしての戦い方

元々、カットマンはどう戦ってきたか。

一口に言うと、「負けない戦い方」でした。

それは、「不敗の戦術」というものでした。

  • 相手が百本打ってきたら百一本返す。
  • 相手が千本打ってきたら千一本返す。

そういうやり方でした。

相手とすれば打っても打っても、必ず壁の様にはね返されるので、最後は根負けして自滅してしまいます。

ツッツキにせよカットにせよ、カットマンが自分からミスをすることはあり得ませんでした。

これが、カットマンの戦い方でした。

一方、「不敗の戦術」と対極にあるのが、「必勝の戦術」でした。

自分のサービスの時もレシーブの時も、全てのラリーが自分のスマッシュで終わる。

その仮定のもとに、その時打つ自分のスマッシュが決まる確率が51%以上であれば、迷わず打つべきであり、結果的に試合に勝てる。

これが故荻村伊智朗氏が考えた、「51%理論」です。

荻村氏は現役時代にこれを実際にやり、2度世界チャンピオンになりました。

著書の中で荻村氏は、

攻めている時は必勝の極にあり、守っている時は不敗の極にある。極と極を瞬時に切り替えることが大切だ。

と述べています。

要は、中途半端が一番いけない戦い方で、徹底的に攻めて徹底的に守るのが良い戦い方だということです。

この考え方からすると、カットマンは、

「まず不敗の極で戦い、機を見て必勝の極に転ずる」

という戦い方であったと言えます。

カットの基礎

一方でカットの基礎は、

  • カットは足でする。フットワークが命。
  • 相手コートに低く深く入れる。
  • ミスなく何本も入れる。
  • 身体全体(特に膝)を使う。
  • 体重移動をしっかり行う。

です。

これらは、相互に関連しています。

身体全体(特に膝)を使うから、しっかりとした体重移動が行えて、結果的に相手コートに深く入ります。

良いフットワークが良い体勢を作り、身体全体が使えるのです。

結果として、ミスなく何本も続けることが出来ます。

特に忘れがちなのが、カットを深く入れることです。

深いカットは、簡単にストップされにくく、長いラリーに持ち込むことが出来ます。

場合によっては、相手を押すことが出来ます。

逆に浅いカットは相手に踏み込んで打たれ、カットマン側が押される形になります。

打つ真似をして、ストップされたりもします。

どんどん、カットマンが苦しくなります。

たとえカットが浮いても良いので、深く入れることの方が大切なのです。

これからのカットマンの戦い方

ところが現代卓球では

  • 短期決戦の11本制。
  • あまり回転の掛からないプラボール。
  • 弾む用具(ラバー)が飛躍的に進歩。

という特徴があり、カットマンもそれに対応しなくてはならなくなりました。

どんな高い守備力を持つカットマンでも、相手の攻撃に慣れるまでにはある程度の時間がかかります。

短期決戦の11本制では、その時間の猶予がありません。

カットマンの試合で、勝つ時はフルゲーム・負ける時はストレートというのが多いのは、これが原因です。

相手の攻撃にアジャストする前に、ゲームが終わってしまうケースが多いです。

またどんなにカットを切っても、プラボールの場合は相手コートに着く頃には回転が減衰してしまいます。

プラボールになって以来、カットの回転の変化の幅は狭くなりました。

攻撃型に回転を見切られてしまうと、簡単に打ち込まれてしまいます。

ましてや、弾む用具が飛躍的に進歩し、以前と同じ力で打ったとしても、以前より打球の威力が増しました。

カットマンにとっては、本当に「受難の時代」になりました。

では、これからカットマンはどう戦うのか。

攻撃中心のプレーに、ならざるを得ません。

攻撃の中に、カットを入れていくイメージになっていくでしょう。

攻撃型と同じ様な攻撃をしても、おそらく簡単に跳ね返されてしまうでしょう。

ですので、独創的な攻撃が必要です。

攻撃も、威力よりも確実性の高いものが良いと思われます。

自身が攻撃している時は、ミスしない限り負けません。

ここでも、「不敗の戦術」が活きています。

これからのカットマンの戦い方については、青写真はあるものの研究中ということもあり、別途詳しく述べたいと思います。

この記事を書いた人OBUコーチ(小吹 真司)OBUコーチ(小吹 真司)
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)