【Jコーチ】ラージボールと硬式ボールの違い
こんにちは、Jです。
本日は、ラージボールと硬式ボールの違いについて書いていきたいと思います。
実は、私事になりますが、20代後半からラージボールを始め、早いもので競技年数で言うと8年目を迎えました。
8年間の競技年数の中で、全国大会出場は4回になります。※昨年2020年もエントリー自体はしていたのですが、新型コロナの影響で大会自体が中止になってしまいました。
今回、「ラージボールがせっかくできるのであれば、ラージボールについても少しずつ執筆をして欲しい」とのリクエストいただきましたので、書かせていただきます。
それではよろしくお願いいたします。
ラージボールは大きくて軽い
まずは各ボールについて、仕様の説明をしていきます。
一般的に使われている定番のボール、こちらを硬式ボールと言います。
- 硬式ボール:直径が40㎜、重量は2.7g
- ラージボール:直径が44㎜、重量が2.4g
つまり、ラージボールは硬式ボールに比べて大きくて軽いことが特徴になります。
スピードは出ず、回転はかかりづらい
ラージボールは、硬式ボールに比べて大きくて軽いということですが、実際のところ、どのような使用感になるのでしょうか。
大きくて軽いということは、主にボール自体が空気抵抗を受けやすいということになります。
ボールを使ってラリーをした際の現象としては、
- 空気抵抗を受け
- スピードは出ず
- 回転がかかりづらい
ということになります。
ボールのスピードと回転量が減少することにより、ラージボールの魅力の一つであるラリーの多さが引き出されるのです。
ボールのスピードと回転量の最大値ついて
こちらは、競技者の年齢によっても変わってきます。
例えば、同世代同士の対戦であるならば、お互いのスピードと回転量の最大値はそれほど変わりません。
硬式の場合は、全国大会に出場している選手のボールスピード・回転量はすさまじいものがあります。
この場合、一般の選手が全国クラスの選手と対戦した場合、全国クラス選手の繰り出すボールスピード・回転量自体に対応できず、勝負自体が決まってしまいます。
しかし、ラージボールの場合は、こういったボール自体のスピード・回転量で勝負が決まってしまうという現象は少なくなります。
ボール仕様の背景
ラージボールは、1988年に新卓球として生まれた競技です。
当時、「卓球を始めた子供達からお年寄りまでが楽しく卓球に触れられるボール※1」をコンセプトとしてボールは開発されました。
※1:卓球初心者にもラリーが続きやすく、老若男女楽しめるボール
このコンセプトによって、前題目の「スピードは出ず、回転はかかりづらい」現在の仕様になったようです。
ちなみにボールの最終決定については、様々な大きさ・重さ・色の中から、最もバランスがよく、選定関係者の間で長い時間楽しめたボールが選定されたそうです。
ラージボールと硬式卓球を両立している選手は増えています
ラージボールはお年寄り向けの競技と思われがちですが、実は年々、若い選手の競技人口は増えています。
メーカーによっては、ラージボールに20代の若い契約選手を迎えてプロモーション活動を行ったりと、積極的に力を入れているところもあります。
私は、2015年に全国ラージボール大会に初めて出場しました。
そこから、合計で4大会(4年連続)出場してきました。
毎年のように若い層のエントリー数は増え、さらにレベル自体も年々高くなっていったと感じました。
実は、ラージボールも硬式もボールの使用感は違えど、「卓球」という大きなくくりで考えた場合、違いはないと考えます。
むしろ、硬式からラージボールを始めた選手の多くが、「ラージボールを始めたことで硬式も上達した」と口を揃えて言います。
例えば、ラージボールからは、
- 身体の使い方(ボールの飛ばし方)
- 繊細なボールタッチ
- フィーリング
を学び、取り入れることができます。
若い選手がいざ始めてみると、このような効果があり、またそれが仲間内に広がり、徐々に競技人口を増やしているのだと思います。
ラージボールと硬式卓球を両立することで、両方の競技に良い効果をもたらすことができます。
今現在、ラージボールに少しでも興味を持たれている方がいましたら、積極的にチェレンジしてみることをお勧めします。
本日は、ラージボールと硬式ボールの違いについて、書かせていただいました。
今後もラージボールについて、技術的内容や私自身の経験などを書いていきたいと考えています。
それでは、ありがとうございました。

昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)