サイバーシェイプラケットを使ってみた!
あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願いします。
世界卓球で準優勝したスウェーデンのモーレゴード選手が使っていたラケットは、衝撃的な印象を残しました。
なにせ見たことも無い六角形の形状ですから、人目を引いたのは言うまでもありません。
私にはAさんという最先端を採り入れるのが大好きな先輩がいて、早速使っていました。
1月2日にA先輩の私設卓球場で私は初打ちをしました。
そこで試打をさせて頂きましたので、今号では私OBUの視点でその報告をさせて頂きます。
サイバーシェイプラケットの特徴
STIGA製のこのラケットの正式名称は、「サイバーシェイプカーボン」と言います。(以下、サイバーシェイプ)
公式ホームページからその特徴をピックアップしますと以下の様になります。
1.ブレードサイズが大きい
従来の丸形に比べ約5%大きい。
2.ラケットの先端の打撃エリアが広い
従来の丸型に比べて、シェークハンドで約11%、ペンホルダーで約9%大きい。
3.スイートスポットが広い
スイートスポットに当て易い。
4.形状が六角形のため台上がやり易い
ラケットを台に近づけた時に接する辺が丸形が約2.5cmに対して約6.5cmと長い。
特徴的なのは、4.の形状による利点です。
これによりラケットをボールの下に潜り込ませ易いし、短いボールでも広いスイートスポットに当てやすいのです。
実際のところ、どうか
メーカーの出している情報は、良い点のみを強調していることも考えられます。
ちょっと疑いの気持ちも実はあります。笑
そこで、A先輩のラケットをお借りして、私OBUが試打してみました。
先輩のはペンホルダー型なのですが、シェークに持ち替えて打ちました。
私のフィーリング(感覚)なので、参考までに読んで頂ければ幸いです。
まず重量なのですが、従来のラケットと比較してみて分かった事があります。
それは「軽く感じる」ということです。
従来のラケットは同じSTIGAのペンで、ラバーもディグニクス80の厚(裏面は特厚)を同じ様に貼っています。
先の特徴1.でブレードサイズが大きいにも関わらず、軽く感じるのです。
実際の重量はサイバーシェイプの方が数グラム重いそうです。
何故、こんな風に感じるかというと、重心の位置の違いだとA先輩は分析します。
従来のラケットは重心がより先端部分にあるために、持った時や振った時に重く感じるのだということです。
ラケットを選ぶ基本的な基準として、
「振り切れる範囲で重いもの」
というものがあります。
重たいラケットの方が威力が出ます。
しかし疲れた時でも振り切れなければ、意味がありません。
サイバーシェイプの方が威力が出るのは理屈にかなっています。
次に、打ってみました。
A先輩にロングサービスを出してもらい、フォアクロスでフォアハンド、バッククロスでバックハンドを打ちました。
「なんだ、これは!」という印象でした。
軽く当てただけなのに、面白い様に威力あるボールが打てたのです。
ラバーの性能もあるとは思いますが、バックハンドは軽く振っても、相手コートで加速する感じが分かりました。
フォアハンドに至っては、やや台から距離を取ってドライブを打ったところ、なんでも入る感じがしました。
カキン、カキィンとクロスにストレートに思うがままに威力あるドライブが何本も入るではありませんか!
試しにミートでも打ってみたのですが、結果は同じ。楽に打てるのです。
因みに従来のラケットでも打ってみたら、こちらも良い感じではあるのですが、入れるための調整が少し必要でした。
従来のラケットとは、同じSTIGA製のレガシーカーボンというシェークです。
そういう意味では、サイバーシェイプの方が楽に打てました。
ラバーは同じ80で同じ厚さなので、これはラケットの特徴だと思います。
ブレードの広さ、スイートスポットの広さの影響でしょうか。
あとラケットヘッドが回り易く、ドライブが掛け易い印象もあります。
モーレゴード選手が両ハンドをぶんぶん振り回して、世界選手権でいきなり準優勝したのも納得がいきます。(^^;
最後に下回転のボールを打ってみました。
A先輩にカットサーブを出してもらい、ツッツキとバックフリックをしました。
バックフリックなど私自身やったことなかったのですが、A先輩に教わりながらやってみたのです。
コツを簡単に説明すると、バックツッツキと同じ形でボールに近づき、3番(頂点)でボールを捉え、インパクトの瞬間にラケット角度を90度にしてミートするということです。
初めての技術だったので、入る精度は悪くミスも出ましたが、サーブの回転の影響を受けにくいのだなと分かりました。
A先輩に
「(下回転)サーブ、切っていますよね?」
と何度も確認したくらいでした。
それほどまでに、入った時はパンッと綺麗に入るのです。
A先輩によると、この技はモーレゴードが世界選手権で使った技だそうです。
「あいつはチキータをやらない。チキータはモーションで相手にバレる。これは直前までツッツキだから、相手に脅威だ!」
モーレゴード選手をあいつ呼ばわりするほど、A先輩はビデオで研究しているのです。
しかも大画面でスロー再生までして何度も観ているらしいのです。(どこまでピンキチなんだ!笑)
話が逸れました。
今度は下回転サーブをツッツキで返しました。これが切れるのです。
A先輩が3球目のツッツキを何本もネットに掛けました。
つまり相手の回転の影響を受けにくく、自分が回転を掛け易いということです。
ラバーの性能もあるとは思いますが、台上処理のやり易さはサイバーシェイプの特徴だと思います。
まとめ
では、改めて、STIGA製「サイバーシェイプカーボン」の特徴を、私の感想を含めて整理します。
1.ブレードサイズが大きい
従来の丸形に比べ約5%大きい。
2.ラケットの先端の打撃エリアが広い
従来の丸型に比べて、シェークハンドで約11%、ペンホルダーで約9%大きい。
3.スイートスポットが広い
スイートスポットに当て易い。
4.形状が六角形のため台上がやり易い
ラケットを台に近づけた時に接する辺が丸形が約2.5cmに対して約6.5cmと長い。
5.ラケットが軽く感じる
ラケットの重心が手前にあるため。
6.楽に威力あるボールが打てる
ラバーとの組合せで相手コートで加速するボールが楽に打てる。ラケットヘッドが回り易い。
7.相手の回転の影響を受けにくく、自分の回転を出しやすい
8.ただし、値段が超お高い
30,800円(税抜価格28,000円)
おまけ
私OBUの感想としては、
「これほど現代卓球に合った用具はないのではないか」
ということです。
楽に威力のあるボールが打てて、しかも相手の回転の影響を受けにくく、自分の回転を出しやすいのです。
日本人のメンタリティーとして、楽をすることはどうも美徳に反する気持ちがあります。
しかしながら、身体にハンデのある人が健常者と戦う場合、若い頃に比べて体力が衰えてきたベテランが残りの卓球人生を賭けて戦う場合などには、こういう選択もありではないかと思います。
若く元気な選手でも使えば良いではないかという考えもありますが、私個人としては日本の将来を背負う選手を目指すのであればしっかりとしたフィジカルを作った上で、こういう用具を使って欲しいと思います。
また、私はカットマンなので、攻撃型はこんな用具があっていいなぁと思います。
同時に、こんな用具で攻撃されたら、カットマンはカットするのに苦労するわけだとも思いました。
因みにAさんとの練習の中で、フォアカットも数本やってみました。
結果、弾み過ぎてボールの勢いを殺すのに苦労しました。
カットが入ったとしても、球速がとても速くまるでスマッシュの様なカットでした。
ん? スマッシュの様なカット??
そういえば尊敬する高島先生が、現代のカットマンは1球目のカットでスマッシュの様なカットをしなくてはならないって言ってたっけ・・・。
サイバーシェイプに食指が動きかける私なのですが、いやいや、ちょっと待てよと自制します。
日本列島に寒波が訪れていますが、一番寒いのは自分の懐ですから。(笑)
お後がよろしい様で・・・!
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)