プレーの幅を広げるために覚えておきたいYGサーブを取り入れた戦術
あなたは、YGサーブを出せますか?
それは真似する程度ですか?
それとも試合で使えるレベルですか?
私は約8ケ月前からYGサーブの練習を始め、やっと試合で少し出せるレベルになってきました。
まだまだ工夫の余地はあります。正直言ってあり過ぎなくらいですが。笑
なのでYGサーブの戦術を語るには、経験が少ないのですが、それでもYGサーブの使い方として、「これは上手い!」というシーンを見たのでこれを戦術として真似しようとしています。
今回はその戦術をご紹介します。
YGサーブの特徴
まず、YGサーブの特徴をおさらいします。
私が思う特徴は以下です。(別の人が挙げれば違うかも知れません)
1.見た目よりも回転が掛かっている。
2.ゆっくり飛んでよく曲がる。
です。
まず手首が返らないので、切れた!という印象がありません。
初めてYGサーブを受けた時は、レシーブし易い印象を受けました。
しかしインパクトの瞬間には、その印象はすぐに消えました。
意外に切れているということが分かり、警戒心が生まれました。
やがて回転が読めて、返し方が分かり、最初程の意外性は感じなくなります。
しかし次に出てくるのが、「相手に3球目を待たれている」という印象です。
ボールがゆっくり飛んでくるので、こちらもよく待たなければなりません。
その間に相手が十分な体勢となり、どこに返しても待たれているのでは?と余計なことを考えてしまうのです。
実際にはそうでなくても、時間があるとかえってダメなのかも知れませんね。
相手がこちらのレシーブを見ているのを感じると、心のどこかで焦る気持ちが生まれてくるから不思議です。
レシーブを単純化する
このYGサーブの特徴がよく出たシーンがありました。
皆さんも記憶に新しい、東京オリンピックの混合ダブルス決勝です。
中国ペアが2ゲーム先行した次の第3ゲームで水谷選手は許昕選手に対してYGサーブの割合を増やしました。
それまでは許昕選手の裏面チキータの横回転に伊藤選手が苦しめられていました。
YGサーブにすることでチキータのスピードが落ち、まっすぐ飛んでくる取り易いボールが返って来るのです。
これで伊藤選手がやり易くなり、次第に許昕選手のボールを恐れなくなりました。
おそらくYGサーブがゆっくり飛んでくるので許昕選手としてはより攻撃的にスピードを出そうとして縦回転の多いチキータになっていたのではないでしょうか。
相手の焦りを煽る
もう1つあります。
日本ペアが3~5ゲームを取り返して、いよいよ試合後半に入った時です。
私の記憶では第6ゲームだったように思います。
水谷選手のYGサーブを劉詩ブン選手がレシーブミスしているシーンがありました。
これもYGサーブがゆっくり飛んでくる効果だと私は思いました。
後がない中国ペアは絶対に取らなくてはならないゲームでしたし、早く攻めたい気持ちを水谷選手が焦らしているように見えました。
劉詩ブン選手が今までと同じタイミングでレシーブする感覚が残っていて、YGサーブが待ち切れない感じでした。
早くパートナーの許昕選手にスペースを空けることなども、もしかしたら頭によぎったかのも知れません。
心理を読んだ上手さ
以上の2例は、「水谷選手のサーブの使い方の上手さ」が光った例でした。
サービスエースを取るには、
・サーブそのものが良いこと
・サーブの使い方が上手いこと
の2つですが、一流選手はその両方が上手いです。
後者は経験がものを言うところです。
サーブの特徴を知り尽くしていた、相手の心理を読んだ、素晴らしいYGサーブの使い方でした。
数々の経験を積んできた水谷選手だからこそ出来た技術だと言えると思います。
いつもブログ記事を読んでいただき、ありがとうございます。アマチュア卓球上達塾では、卓球上達のためにブログやSNSで情報発信をしています。また、卓球上達のためのDVD教材の販売も行っております。卓球に関するご質問やお問い合わせ、ブログ記事に対するコメントなどがありましたら、下記のメールアドレスまでお気軽にご連絡ください。
メールアドレス:info@real-style.co.jp
昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)