【OBUコーチ】卓球を始めたばかりの初心者が知っておきたい戦術とは?
卓球を始めたばかりの初心者が初めて試合をする時に、どうやったら良いか戸惑うことがよくあります。
- 基本的な打法はマスターした
- ラリーもある程度続くようになった
- サービス・レシーブも出来るようになった
いざ試合・・・となった時、「はて、どうしたらいいのだろう??」となるものです。
今回は、そんな悩める初心者の皆さんに、簡単に取り組める試合のやり方(戦術)をご紹介します。
サービスを磨こう
試合は、サービス・レシーブから始まります。
そのうちサービスは、自分主導でできる唯一の技術です。
ルールの範囲内でという条件付きですが、自分のペースで自分の好きなようにサービスが出せるのです。
ですから、大いに興味を持ってサービスを磨いて行きましょう。(初心者に限らずどんな選手も!)
さて卓球は、
- コース
- スピード
- 回転
の、3つの要素から成り立っています。
サービスも同様で、この3つを組合わせて成り立っています。
ですので、それぞれの要素において、レベルを少しずつ上げて行けば良いのです。
初心者が最初に取り組むには、まず1.のコースから取り組むのが良いと私は思います。
まずは色々なコースに出せることを覚えて、そこからスピードや回転の要素を段階的に加えていくことをお勧めします。
初心者が覚えたいサービスの具体的なコースは、
- フォア前
- バックロング(もしくはミドル)
です。
同じサービスのモーションからこの2つのコースに出せるようになると、試合で有利に立てる可能性が高いです。
その理由は、2つあります。
①初心者のレシーブの立ち位置
初心者は、
- 台の中央
- 台の中央のややバック寄り
に構えます。
これは、フットワークがまだ未熟なので、半歩出せば台の全面を網羅できるようにと自然とそうなってしまうのです。
この構えから最も遠い位置にあるのが、「フォア前」です。
ここを処理しようとすると、前のめりになるように身体をぐっと寄せなくてはなりません。
初心者の選手にとっては、勇気の要る体勢だと言えます。
- 慣れていない
- 勇気のない
選手は、どうしても手を伸ばして恐々とレシーブする様になります。
こうして、レシーブが甘くなるのです。
3球目が、有利になりますね。(^^)b
次に「バックロング」ですが、一般的にバック側から強いボールが来ることはありません。
相手が初心者の場合は、当てるだけのレシーブになることが特に多いです。
しかも、レシーバーの意識がフォア前に行っている時は、なおさらです。
レシーバーの対応が予測できるので、こちらが有利になりますね。(^^)
②初心者に対する日本の指導方法
多くの日本の指導者は、なぜか初心者に対してフォアハンドから教える傾向があります。
フォアハンドがある程度出来てから、バックハンドを教えるのです。
初心者の選手は、直ぐに上手くなる選手もいますが、普通は上達するのに時間がかかるものです。
という事は、「フォアがまあまあ上手だけれどもバックはまだまだ未熟である」という状態の選手が多いということです。
ですから、
- フォア前に出してフォアを打たせない
- バックに長く出してバックを攻める
ことは、理にかなっているのです。
「フォアに短く、バックに長く」は、ラリーになった時も定石として使える戦術です。
バックへのロングサービスを相手のミドルに出せると、さらに効果的です。
相手の待ちを外すためにも、ミドルが狙えると相手は的を絞りづらくなり、こちらの攻めはより完全になります。
相手をよく観よう
サービスを出す前に、相手をよく観ましょう。
「見る」ではなく、「観る」のです。
違いが分かりますでしょうか?
単純に相手を見るのではなくて、相手の心理を観察するわけです。
苦手なレシーブがあり、そこに来たら嫌だなと思っているかも知れません。
次に同じコースに来たら、強打してやると狙っているかも知れません。
相手のレシーブへの入り方などをよく観ていると、強気なのか弱気なのか何となく分かるものです。
相手が強気ならば、
- こちらはそれを上回る強気で戦う
- 相手の強気をやり過ごしてこちらは冷静に戦う
かの2択です。
相手が弱気ならば、こちらはさらに強気で攻め立てます。
レシーブはリターンが基本
レシーブ番になると、立場が逆転します。
相手はどんなサービスを出してどう攻めてくるのか、分かりません。
まずは、冷静にサービスの種類と回転を見極めます。
最初は、判断ミスをしても仕方ないと割り切ることが大切です。
試合の前半では多少ミスが出ても、後半に進むにつれてノーミスになるように、何とか持って行きます。
相手の引き出しを全部開けさせることが、理想です。
サービスに出来るだけ早く慣れ、とにかくリターンすることが基本です。
相手も得点しようとしているわけですので、レシーブ番の時はそれで良いのです。
試合のコツ
試合のコツは、相手の弱点を見つけてそこに自分の長所をぶつけることです。
- フォアが弱いのか
- バックが弱いのか
- ミドルが弱点なのか
- 横の動きが良かったのなら、前後の動きはどうか
- 上回転系が強いのか、下回転系が強いのか
など、試合の前半で相手の長所と短所を見つけてしまいます。
相手の弱点を見つけたら、しつこいくらいそこを攻めます。
そして、リードを奪ってしまうのです。
まずリードして、優位に立ってから戦う。
こうすることで、試合で勝ち易くなります。
必勝の戦術、不敗の戦術
知識として知っておきたい戦術論が、「必勝の戦術、不敗の戦術」です。
- 全てのラリーが自分のスマッシュで終わる。
- そのスマッシュの決定率は100%である。
- つまりスマッシュを打てば必ず得点出来る。
と仮定した場合、スマッシュが入る確率が51%以上であればスマッシュを打つべきである。
これが、有名な故荻村伊智朗氏の「51%理論」です。
必勝の戦術とは、このことを指します。
最終的に必ず勝つわけです。
これに対して不敗の戦術とは、
- 相手が10本打ってきたらこちらは11本返す。
- 100本打ってきたら101本返す。
- どんなラリーも相手より1本多く返す。
というやり方です。
気の遠くなるような戦術ですが、絶対に負けないわけです。
- 自分が攻めているラリーの時は必勝の戦術で押しまくり、逆に相手に押されている時は不敗の戦術でとにかく凌ぐ。
- 必勝の極から不敗の極へ、そしてまた必勝の極へと瞬時に切り替えることが大切である。
- 中途半端が一番いけない。
という主旨のことを、荻村氏は著書の中で述べています。
私は、特に初心者のうちは不敗の戦術が良いと思っています。
守りを固めて攻めに出る戦い方が、最も勝ち易い戦術だと思います。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)