カットマンが起こすオーバーミスの対策方法とは?
カットマンのミスは大別して、
- カットのオーバーミス
- カットのネットミス
の2つです。
カット初心者の頃は、これにサイドミスが加わります。
しかし、カット技術が上達するにつれて左右よりも長短、つまりカットをどの深さまで飛ばすかにミスが絞られてくるのです。
オーバーミスする時は、何が原因でどういう対策を取るべきでしょうか。
オーバーミスが出る場面
自分のカットが、相手のエンドラインをオーバーするオーバーミス。
これは、どんな場面で起きるのでしょうか。
ある程度カットが続けられるレベル(ある特定のドライブに対して連続して10本以上)のカットマンでも、オーバーミスを連発する時があります。
これは、ミスするつもりはないのに何故かオーバーミスを繰り返すという、「感覚が狂っている」状態です。
オーバーミスの主な原因は、相手のドライブの回転量ですが、この回転量を見誤っている時に起きます。
カットを飛ばす感覚を言葉で表現するのは難しいのですが、「このドライブボールにはこれくらい」というスイングの加減が存在します。
その加減(ものさし)が、狂っている時があるのです。
例えば、
- 相手のスイングからは想像できない回転量のドライブが来た。
- 普通に取れるロングサービスが予想以上の回転量だった。
などです。
前者は、相手が高性能のラバーを使っている時に起り得る事象です。
当たり損ねたようなスイングに見えて、回転が想像以上に掛かっている場合があるのです。(最近は特に多いです)
後者は、よく見ると「ぶっつけサービス」で出しているロングサービスだったのです。
「ぶっつけサービス」というのは、サービスのトスを真上ではなく、ラケット面にぶつけるサービスのことです。
ラバーに食い込むので、回転が掛かります。
現在のルールでは、禁止されています。
練習相手は、「練習の中で」という限定条件の下にこのサービスを使って来たのだと思います。
その対策は
ものさしが狂う原因は、今までの経験から来る「当り前」です。
今までの経験からの思い込みで、判断を誤っているのです。
オーバーミスを連発する時は、一度立ち止まって自身の常識を疑ってみるという「経験値の再点検」が必要なのです。
先入観を持たずによく観れば、必ず間違いの原因に気付くものです。
経験から来る思い込みがあなたにNGを出すのですが、一度違うやり方(この場合は、ラケット角度を抑える)をやってみることです。
結果が良ければ、そのやり方が正しいということになります。
ミスは、そうやって是正していきます。
一番いけないのは、自分の思い込みを捨て切れずに、同じミスを繰り返すことです。
「我を捨てる」ことは卓球の上達の秘訣ですが、ここでもそれが現れているわけです。
逆の発想もある
オーバーミスが出る状況は、ミスはミスですから、あまり良い状況とは言えません。
しかしながら、「オーバーミスが出るくらいエンドライン深くを狙っている」というプラスの面がある時があります。
気を付けなくてはいけないのは、「安定してカットが入っているから良いだろう」と安心してしまうことです。
安定してカットが入ってきたら、その次には出来るだけ深くカットを送ることを意識しなくてはなりません。
たまにオーバーミスが出ても良い、と思えるくらいエンドライン深くにカットを送る意識を持ちましょう。
カットを深く送るメリットは、
- 相手の攻撃の威力を減らす。(浅いと踏み込まれる)
- ストップされにくい。
- 左右に打ち分ける角度が狭くなる。(その分、こちらの動きは少なくなる)
- 反撃に結び付けやすくなる。
です。
オーバーミスするリスクは高まりますが、その半面良いことが沢山あるのです。
深くカットを送り、「カットで相手を押す」ことが出来て初めて攻撃型と対等に渡り合えるのです。
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昭和40年12月31日生まれ。血液型O型。兵庫県西宮市出身。現在は静岡市在住。
中学1年より卓球を始め、卓球歴は40年以上。中学高校時代は鳴かず飛ばずの成績。高校時代は県大会前の地区予選3回戦ボーイであった。インハイなど全国大会出場経験無し。大学時代飛躍的に卓球技術が向上。東海学生卓球リーグ2部で全勝しチームの優勝に貢献し敢闘賞を受賞。3人の元インハイ出場の選手に勝つ。30代の時に東海選手権(年代別個人戦)で、ベスト8に入る。高島規郎選手、古川敏明を選手を師と仰ぐ。現在も現役選手として試合に参加している。静岡市卓球協会の常任理事として静岡市の一般の試合の大会運営や広報活動を行う。また中高生の指導に当たる事もある。2005年から卓球のメールマガジンを発行中。現在も続いている。著書「OBUさんの初心者卓球上達法~卓球が上手くなりたい人へ」(文芸社)