なんで、ラバーの色は黒と赤なの?
卓球を始めたら、最初に何を持ちますか?
そう、ラケットです!
今回は、そのラケットのラバーについてお話していきたいと思います。
なんで、赤と黒なの?
卓球を始めたばかりの選手や、卓球をやったことのない方の中には、なぜラバーが赤と黒なのかが疑問に思われているかもしれません。
じつは、ちゃんとした経緯があって、今のラバーの色に決まったのです。
卓球のラケットラバーは、両面同じ色にしてはいけません。
また、赤と黒にしないといけないというルールもあります。
じつは、黒と赤だけでなく、黄色・青・緑などのラバーが使われていたこともありました。
そのようなたくさんの色の組み合わせの中から、赤と黒が選ばれたんです。
赤と黒の組み合わせが、どちらの面で打ったのかが分かりやすいからです。
また、ボールが白いため、ボールとラケットが識別しやすいことも理由の一つです。
このように、選手・観客にとって見やすい色の組み合わせを考えた結果、赤と黒に決まりました。
なんで、同じ色はダメなの?
理由は、先ほどお話ししたこと同じなのですが、どっちの面で打ったのかがわからないからです。
もし、同じ色で性質の違うラバーを張っていた場合、どっちのラバーで打ったのかが分からないですよね。
フォアとバックでラバーの性質が変わると、回転やスピードなどが大きく違います。
試合前にラケット交換で相手のラバーを確認し、どっちで打ったかを確認して返球します。
そのため、相手選手がどっちの面で打ったかというのは、とても重要なんです。
それが分からないと、どのようなボールが飛んでくるかが分からないため、ミスが増えてしまいます。
ミスが増えるとラリーが続かないため、観客としては面白くないですよね。
こんなのスポーツじゃない
じつは、昔の世界選手権でこのような事例があったんです。
当時無名だった蔡振華選手が、正反対の性質である黒色のラバーを両面に貼ったんです。
相手は、当時“卓球史上最高の選手”と言われていたワルドナー選手です。
もちろん蔡振華選手は、両面を上手に使って打ち分けます。
しかし、両面とも黒色のラバーのため、ワルドナー選手はどっちで打ったかが分かりません。
結果としては、当時史上最高の選手と言われていたワルドナー選手を、無名の蔡振華選手が倒して勝ちました。
しかし、その試合を見ていた観客から
- こんなのスポーツじゃない
- なぜミスしたかが分からない
- 面白くない
という意見が多く挙げられました。
この一件から、同じ色のラバーを使うことは禁止され、両面違う色のラバーを使うようにルールとして定められました。
しかし、東京五輪後にラバーの色の自由化が決まっています。
片面が黒色なのは決まっていますが、もう片方は自由になりました。
まとめ
このような経緯があって、ラケットのラバーの色は黒と赤に決められています。
時代に合わせて、試合のルールだけでなく道具のルールも変わってきます。
卓球自体の歴史を学ぶことも楽しいですが、一つ一つの道具の歴史を学ぶことも楽しいですね。
私たち編集部は、坂本竜介選手や三田村宗明選手、松平賢二選手など元プロの選手などから、直接ノウハウを教えていただき、そのノウハウを取りまとめ、DVD教材として制作しています。
このブログでは、関わった元プロの選手のノウハウや上達方法なども含めて上達につながる有益な情報を発信していきます。