負けパターンについて
プロ野球を観ていると、アナウンサーが「これが勝利の方程式です!」と話すことがあります。
試合も終盤に差し掛かっていて、先発ピッチャーから継投が始まったタイミングでよく言われます。
つまり、この場合は「勝ちパターン」です。
卓球でも「勝ちパターン」があるのかも知れませんが、正直、私は知りません。
しかし逆の意味での「負けパターン」は、きっと存在すると思っています。
今私は「負けパターン」を研究中です。(^^)
以前の号『勝敗を分けるポイント』の後半部分でも少し取り上げましたが、今号ではこの「負けパターン」を掘り下げます。
【自分の負けパターンを知る】
先日の地元の試合で、私は現役高校生に競り負けました。
試合の序盤から中盤に於いて、彼は得意のブロック気味のフォアのカウンターで、私の渾身の攻撃を跳ね返しました。
しかし、それさえ外せば、私の攻撃が彼に効いているのが分かっていました。自信もありました。
ゲームカウント1-2で迎えた4ゲーム目の終盤の8-10で、私にサーブが回ってきました。
本当は、最低でも9-9くらいにしておきたかったのですが、先にマッチポイントを握られてしまいました。
1本目は私の得意の3球目ドライブが決まり、9-10となりました。
2本目も同じ様な攻撃を仕掛けたのですが、相手が少しレシーブを工夫したため、私はミスをしてしまいゲームオーバー。
試合直後に私は、
「競った状況で今まで最も効いていた攻撃を仕掛けて負けたのだから仕方ない。これで良いのだ」
と思っていました。
後で冷静に考えると、これこそが私の「負けパターン」だったのです。
「今まで最も効いていた」というのは、あくまで私の主観であり、相手にとって本当に効いていたかは分かりません。
確かに得点してはいましたが、攻撃ミスも出ていました。
入ったら取れないけどミスも多いからそれほど脅威ではない。
相手はそう思っていたかも知れません。
最近の私の負け試合を振り返ると、自分が最後に攻撃を仕掛けてミスして終わることがいかに多かったか。
私はまた同じ轍を踏んでしまったのです。
9-10で相手にマッチポイントがある状態で、何故安易にその選択肢を選んだのか。
それは私の精神状態が関係していそうです。
恐らく結論を急いだのだろうと思います。
早く10-10にしてタイに持ち込みたかった、負けるにしても自分の力を全て発揮したと言いたかった・・・
つまり、
「この苦しい状況を早く終わらせたかった」
のです。
競った状況で終盤を迎えた時の戦い方が、私の重要課題だということが分かりました。
【相手の負けパターンを知る】
自分に負けパターンが在るように、相手にも負けパターンが存在します。
実際に対戦して相手が崩れていく様子や、他人同士の試合で負けている方の様子を観ていて気付きました。
何か頭の中にシナリオを考えているのです。
この1本が勝負という緊迫したシーンが試合ではあります。
この時に簡単なミスをしてしまうと、
「あー、終わった~」
という素振りを見せるのです。
傍から見ていると、
「いやいや、まだ勝負はついてないのに!」
と思います(自分の事は棚に上げますが)。
そして以降の展開を観ていると、かなり集中力の下がった状態でプレーして、そのままあっさりと負けてしまうのです。
まるで自分で負けを選択している様に私には見えました。
(自分の事は棚に上げて言いますが)
また、10-8で私がリードしている時に、いやそのボールは無理でしょ!というくらい難しいボールを果敢に打つ選手がいました。
一か八かで勝負している感じを受けました。
そして、やはりミスをして私が勝ちました。
この2つのケースから、負ける選手はおそらく頭の中にシナリオを持っていて、そのシナリオの通り負けるのだと思います。
途中でそのシナリオを一旦捨てて、もう一度リスタートすれば良いのにな、と思いました。(私も含めて)
【何故「負けパターン」なのか】
今回取り上げたのが、何故、「勝ちパターン」でなく「負けパターン」なのか。
それは、「負けパターン」を知ることで「負けないパターン」を作るためです。
「負けパターン」に陥らなければ、それだけで「負けにくく」なるわけです。
よく世界選手権などの試合の解説で、
「中国選手は、試合のヤマ場になると、必ず回転を掛けて確実に入れてくる」
と言っています。
これも「負けないパターン」の1つです。
おそらく中国選手は試合のヤマ場に来ると、自分は決して無理をせず、逆に相手には無理をさせて、自分が「負けにくい」状況を意識的に作り出しているのだと思います。
「負けパターン」は自分では気付きにくい特徴があります。
何故なら、その正体はその人の思考のクセだからです。
誰もが持っているものなのです。
だからこそ、その存在を認め、知り、陥らない様に軌道修正する必要があります。
あなたの「負けパターン(思考のクセ)」とは、どんなものでしょうか?
「負けパターン」を克服する、精神的なキーポイントは、
「局面の打開を焦らないでじっくり行く」
ことだと私は思っています。