最終ゲームの戦い方

メンタル 戦術

ゲームオールになり、最終ゲームを迎えたとします。

あなたは、どのように戦いますか?

苦しんだ末に辿り着いた最終ゲームです。泣いても笑っても決着が着きます。

冷静になれと言っても無理がありますね。

こういう時にセオリーを知っておくと頭を整理し易いです。

今号では、一般的な最終ゲームのセオリーと最近の試合での私の経験をお話します。

【最終ゲームのセオリー】

戦い方の基本は「先行逃げ切り」です。

最終ゲームの出足で、サーブ番ならば積極的に3球目攻撃を仕掛け2-0とし、レシーブ番ならば何とか1-1にしましょう。

つまり出足で、3-1のスコアにすること。(理想は4-0です)

とにかく先に5点を取ることです。

出足に3-1とするのを目標とするのは、先に5点を獲り易くなるからなのです。

ですから、出足の段階で、仮に2-2や、1-3となっても、先に5点を取れれば良しとしましょう。

問題は、その次の1本です。

チェンジエンドした直後の1本をなんとしても取ることです。

こうすることで俄然有利になります。

リードしても気を緩めず行けば、取って取られてを繰り返しつつ、11-8くらいのスコアで逃げ切れるはずです。

というのも最終ゲームまでもつれ込むのは、その時点でお互いの実力が拮抗しているからです。

リードしている時は、相手が挽回を焦るように、プレッシャーを与え続けることです。

こうやって、

  • 出足でリードして5本を先に取る。
  • チェンジエンドの最初の1本を取る。
  • リード後に、プレッシャーを与え続ける。

ことです。

最終ゲームは、この戦い方が一番勝ち易いです。

【私の経験】

そういうことが分かっていたはずなのですが、最近私は自分の未熟さを露呈するような試合を経験しました。

少し恥ずかしいですが、私の失敗談を皆さんにもシェアします。

先日行われた、全日本選手権マスターズの部50代男子の静岡県予選の出来事です。

私は昨年度の同じ大会で3位になったので、今大会では第三シードでした。

ベスト4以上に入り今年も本戦に進むことが私の目標でした。

当日の開会式で、本戦に進めるのは3人までとのアナウンスがありました。

今年は出場人数も増え、厳しい戦いになると予測していましたが、さらに厳しさを増す内容でした。

緒戦になんとか勝利した私は、4決定の準々決勝でA選手と対戦しました。

A選手は50代になりたてで、コース取りやボールタッチなどセンスのある選手です。

過去にも対戦したことがありましたが、いずれも大差で敗れていました。

実力・実績共に彼の方が上だと思ってましたが、やれるだけやってみようと覚悟を決めて臨みました。

案の定、先行されては追いつく展開となり、ゲームオールまで辿り着きました。

4ゲーム目の最後は、私が練習してきたYGサーブで得点しました。

夏の試合でお互いに体力を削り合う展開、私としては死力を尽くすしかありません。

5ゲーム目が始まりました。

4-4からA選手が得点し、チェンジエンドをしました。直後の1本はA選手が取り4-5。

そこからA選手の集中力が切れたのか、彼の方に凡ミスが連続して出て、なんと5本連続で私が得点したのです。

9-5。私の4本リード。俄然、有利。戦前には思ってもみなかった展開でした。

ここが勝負所。それは、お互いに分かっていました。

「練習してきたものを全て出そう」と、ここで私は思い直していました。

A選手のサーブで、彼は最も得意とするフォアハンド順横サーブを出して来ました。

非常に変化が分かりにくく、私は2本連続でレシーブミスしました。

それでも9-7。まだ2本リードです。そして私のサーブです。

練習してきたものを全て出そうと思っていた私は、フォアハンドサーブを選択しました。

ところが2本連続でレシーブエースを取られてしまいました。

2本目は4ゲーム目でエースを取った、YGサーブでした。

A選手のレベルになると2本続けてはミスをしてくれませんでした。それどころか、見事にアジャストして強打してきました。

9-9になり、A選手が1本先に取りました。これで9-10。

最終ゲームに5本連続で得点した後に5本連続で失点するという、私の中では初めての体験でした。

その後ジュースまで持ち込むのですが、結局11-13で敗れてしまいました。

私の試合を観戦していた複数の卓球仲間からフィードバックを貰ったのですが、共通して言われたことがありました。

それは、「お前は9-5から無理をしていたな」ということでした。

周囲からはそう見えたのだなと思いました。

私は「練習してきたものを全て出す」と思っていましたが、これは間違いではないのですが、試合の前半で思うことです。

あるいは試合の直前に覚悟を決める意味で思うことで、最終ゲームで思うことではないのです。ここが私は未熟でした。

そうではなく、最終ゲームで考えるべきことは、

「ここまでの展開で一番効いているものを勇気をもってやり続ける」

です。

9-5からの展開で、私はどうすべきだったのか。

それはカットでじっくり粘ることでした。

じっくりプレーして、A選手にプレッシャーを与え続ける作戦が今となっては正解だったのだと思います。

何故そう思うかと言うと、4-5で負けている所から得点したのが、ほとんどその展開だったからです。

その後、A選手はサーブとレシーブで4本連続エースを取るわけですが、長い勝負を嫌ったとも受け取れます。

私自身がどうこうではなく、A選手にとって嫌なことを断行すべきでした。

練習の成果を出すことよりも、試合の流れに乗ることの方がより重要で、その流れの中で成果を出せれば御の字と考えるのがちょうど良いのです。

この大会に向けて色々努力をして来ました。

目標に届かなかった、力が及ばなかったと思い返して、試合後に切ない気持ちになりました。こんな気持ちは初めてです。

貴重な良い体験をしました。次の試合に向けて、また頑張ります。

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