練習メニューを考える
初心者のシニアの方への卓球指導を続けています。
毎回、どんな練習をしようかと練習メニューに頭を悩ます日々です(笑)。
そうは言いつつも、結構これが楽しい作業なのです。
個人差もかなり生まれてきて、その人に合った練習内容を状況に合わせて行なっています。
私のやり方と現状をご紹介しますので、参考にして頂けたら幸いです。
選手の調子を確かめる
台についての練習の前に感覚練習を必ずやってもらいます。
具体的には、
・ボール突き(フォア、バック)
・壁打ち(フォア、バック)
・ボール突き(回転)
です。
指導を始めた一年前は、ボール突きさえままならず、あちらこちらを走り回っていました(笑)。
今では世間話をしながら、既定の100回を軽くクリアするレベルになりました。
2番目の壁打ちがなかなかレベルアップせず苦労しています。
単調な練習なので飽きが来ている面も否めません。しかし、動体視力をつける、打球の力加減を覚える、全体のリズム感を取り戻すには必要な練習です。
自宅でコツコツ練習してくる選手もいれば、私との練習の時だけ行う選手もいます。
感覚練習をほぼ毎日やるのと、一週間に一度やるだけとの違いは、調子の波という形で表れることが分かりました。
やはりほぼ毎日やっている選手の方が、調子の波が少ないのです。
一週間に一度の選手は、逆に調子の波が激しく、良い時は良いのですが、悪い時はすこぶる悪いのです。
それも一つの個性と捉えていますので、私は無理強いはしません。
良い時と悪い時を繰り返しながらも、均してみた時に成長していれば問題ないと思っています。
最後のボール突き(回転)は、2ヶ月ほど前から新たに付け加えたメニューです。
卓球には、
・ボールを弾く感覚
・ボールを擦る(回転を掛ける)感覚
が必要です。
後者の感覚を磨くために追加したものです。
練習初めの5~10分間で、これらを一通りやってもらいます。
フォアとバック、それぞれ100回が目安です。
連続100回が理想ですが、連続でなくても構わないので、トータルで100回やったらOKとしています。
私が観ているものは、選手のリズム感です。
リズムが一定な時はその選手の調子が良いと判断しています。
ボールがよく見えていて、ラケットの芯に当たっている証拠ですから。
外せない基本練習
どの選手の指導にも共通して外せないのが、基本練習です。
具体的には、
・バック対バック
・対フォアドライブのバックブロック
・対バックブロックのフォアドライブ
・フォアクロスでのフォア打ち(3種)
・フォアとバックのツッツキ
です。
このメニューは必ずやります。
フォアハンドから入る練習が日本では多いですが、私はバック対バックから入ります。
まずはリズム感を取り戻す練習です。
バウンド直後のボールの上昇期にミートし、私とのラリーでリズムが一定になる様に心掛けます。
慣れてきたら、私が時々回り込んで、フォアドライブを掛けます。
この時は、わざと打点を4番(下降前期)に落として、安定したドライブを掛けます。
バックハンドとは球威とリズムが違う事を体感してもらいます。
しかしタイミングと角度を合わせれば相手のドライブ回転を利用して簡単に返せることも分かります。
バックハンドで色々な球種を受けたら、今度は私と交代して私のバックブロックをバックハンドで打ったり、回り込んでフォアハンドで打ったりします。
バッククロスのラリーは試合で多く使うので、こういう練習をします。
次にフォアクロスでフォア対フォアの練習をしますが、打点を3種類変えて打ち合います。
3種類の打点とは、
1.バウンド直後(1番)
フォアブロックにほんの少し押しと回転を
加える練習。快帯やカウンターに繋がる。
2.頂点前(2番)
1.の延長で少しスイングを大きくし、
通常のフォアハンドを打ち合う。
3.頂点(3番)又は下降前期(4番)
回転をかけてドライブを打つ。
です。
単純にフォアクロスのフォア打ちをやるのではなく、その前に1.をやります。
こうすることで2.をやる時に打球点が遅れないのです。
3.はオプションで男性選手のみ行なっています。
最後にフォアとバックのツッツキをします。
基本練習は全て多球練習で、40球を1セットを目安として行っていきます。
課題練習
残った時間で課題練習を行います。
課題練習は短い周期で変化を持たせます。
サーブ練習だったりツッツキ打ちドライブを練習したりと変化させています。
最近はシステム練習をしています。
試合を意識して始めたのですが、ツッツキからツッツキ打ちドライブ、次球を強打する練習です。
技術を組み合わせるので、上手く強打を決められた時は、かなり達成感が得られるようです。
自分が上手になっている手応えを感じることは、初心者のみならず全ての選手にとって重要なことです。
今考えているのは、この練習に打つコースのバリエーションを加えることです。
クロスとストレートとミドルに打ち分けるのですが、ボールの深さにも拘りたいところです。
壁打ちの効果が出るのは、こういうところだと私は思っています。
壁打ちを普段からしっかりやっている選手は、コツを掴むのが早いだろうと私は期待しています。
また課題練習の中にフットワーク練習も付け加えたい所なのですが迷っています。
体力的にキツイ練習になりまして、シニア初心者の生徒さんには少し厳しいかと思っているのです。
いずれにしてもその時の調子を見ながら卓球の醍醐味を感じてもらえるように、工夫して練習メニューを考えていきます。