私の目指す卓球 その2
前号で私OBUの目指す卓球について、項目ごとにお話して来ました。
今号はその続きです。前号と併せてお読み頂ければ幸いです。
その2 用具
取組みを始めたのは3年弱前からですが、ずっと試行錯誤を繰り返しているのが、どんな用具を使うか?ということです。
両面裏ソフトの守備型カットマンからの脱皮の一歩は、両面をマークVに変えたところから始まりました。
ラケットは攻撃型のマークカーボンを経て、今は英田選手と同じ政宗を使っています。
ラバーは前述のマークVからテナジー19を経て、英田選手と同じフォアにラクザZ、バックに翔龍を使いました。
なるほど回転は掛かりましたが、ラケットの総重量が私には重すぎて、ある大会に出た直後にテニス肘になってしまいました。
その大会は試合数が多く、ラケットを振り回して懸命にプレーしたので肘に多くの負担がかかったのだと思われます。
そこで少しでも軽くしようとバック面のラバーをマークVに戻しました。
それでも200グラム前後なので、政宗を使うとしてもラバーの組合せを変えて行かないといけないと考えています。
候補は以前使用していたマークVです。
YASAKAのマークVは愛用者が多く、人気の高いラバーの1つです。
シリーズも豊富でどれにしようか迷うところですが、プラスチックボール時代に対応したHPSを使用してみようと思います。
その3 ドライブ攻撃
せっかく両面裏ソフトを使っているので、理想は両ハンドによるドライブ攻撃です。
しかしながら、バックドライブは練習はしているものの、一朝一夕には打てるようになりませんでした。
そう簡単にマスター出来るものではないということがよく分かりました。
今は、ある一定のボールに対してはバックドライブが綺麗に入るのですが、少し外れると途端にミスが目立ちます。
ですから試合ではバックドライブは多用せずワンポイントの使い方をしています。
確実に入ると思われるボールに対してだけ、用いるようにしています。
今後はさらに確実性と威力を増すと共に、ストライクゾーンを拡げる練習をします。
逆にフォアドライブは弾む用具を使用したことで、かなり球威が付きました。
サービス力が向上するにつれて打つチャンスも増えて、攻撃力がアップしました。
球威が増したことと、打つチャンスが増えたことでフォアハンド攻撃はかなり良くなりました。
私のフォアハンドドライブ攻撃のパターンは大きく2つあります。
1つは、少し浮いた相手の甘いツッツキを踏み込んでフォアドライブを打つパターン。
もう1つは、相手が打ちあぐんで軽く繋いだボールをカウンターで打つパターンです。
後者はさらに台の近くで打つパターンと、台から距離がある位置で打つパターンに分かれます。
この2つ目のパターンが出来てきたことで、攻撃力が上がった気がします。
相手が無防備な態勢の時に攻撃を仕掛けるので入れば得点率が高いのです。
試合でもかなり使えてきているので、この調子でもっと経験値積んで精度を上げて行きたいところです。
英田選手の打つコースを真似しています。
両コーナーを狙うふりをしてミドルに打つ、あるいはフォアストレートに打つなど、仮に返球されたとしても次に連続攻撃できるコースに打つ練習をしています。
対カット(下回転)のドライブは、8の字打法にチャレンジしていますが、全くマスター出来ていません。
練習中に意識して少し真似が出来る程度で、試合では使えていません。
相変わらず4番(頂点後期)を持ちあげるイメージの古いドライブをしています。
これではカットマンと対戦した時に苦しいので、私にとって大きな課題の1つです。
その4 カット
前号で紹介した通り、英田選手のカットはブチ切れで相手の選手が打ちあぐんでしまいます。
私も切れたカットに取り組んだものの、イマイチ成果が得られていません。
元来私はナックルカットを混ぜるのが得意でそれを見せた上で相対的な回転差で勝負するスタイルのカットマンでした。
なので、カットに関しては私流と言いますかこちらの路線で行こうかと思っています。
昨年、義弟のご縁である大学の監督をしておられる方に卓球指導を受けました。
その方も両面裏ソフトのカットマンで、高校時代はIHに出場したほどの腕前です。
頭脳明晰で物理学に基づいた卓球理論を持っていて、ほんの数時間の指導でしたが私は大変影響を受けました。
その方が模範で見せてくれたカットが見事に力が抜けていて、今の私が目指すべきカットであることを直感したのです。
一見すると何の変哲もないカットですが、ゆっくりしたスピード、カットの軌道、正確なコントロールに尋常でないものを感じました。
カット打ちの上手い選手には、打ち込まれるとは思います。
しかしながら、言葉や文字で表現するのは難しいのですが、相手を包み込んでしまうような世界観がその方のカットに感じられたのです。
英田型にマッチしないタイプのカットかも知れませんが、私は自分の得意を活かす道を選ぼうと思っています。
逆に英田型をアレンジした自分独特の型が生れる可能性も無きにしも非ずで、これから開発していく「楽しみ」でもあるのです。
その5 試合の設計
憧れの英田選手の試合を観ていると、全てのラリーがその1本を得点するために設計されているように思えます。
ここが従来のカットマンと大きく異なる点です。
先ずサーブで得点してしまう、それがダメなら3球目5球目攻撃で得点してしまう、カットは1ゲームに数本で切るカット1本で得点してしまう、カットで粘るラリーはほとんど滅多に引かない、など。
11本制の短期決戦向けに作られています。この点は非常に見習う点です。
サーブを持った時の基本的な考えは、これを見習えば良いと思います。
問題はレシーブ番の時です。
攻撃的なレシーブを覚えないと、この考え方は実行できません。
攻撃的レシーブ力を身に着けること。これも私の大きな課題の1つです。
昨年、攻撃的なゲーム展開に挑戦した試合がいくつかあったのですが、上手く行った時は私はカットから試合に入っていました。
いきなり攻撃を仕掛けて試合に入るのではなく、まずはカットで試合に入り、隙を見て攻撃を織り交ぜる、というやり方です。
そして試合の中盤で一気に攻撃を仕掛ける、という方法でした。
私自身が試合のリズムに入り易いことと、相手に私がカットマンであることを思わせる効果がありました。
私がカットマンであると相手が思うと、攻撃的なレシーブが少なくなり、私としては3球目攻撃に結び付けやすかったのです。
これが最初から攻撃から入ると、逆に私はリズムを崩して苦戦することが多かったのです。負けてしまうこともありました。
まとめ
前号と今号で私の目指す卓球について、具体例としてご紹介しました。
私自身が自分の現状を棚卸する形になり、頭の中を整理する良い機会となりました。
ここまで長々とお読みいただき、ありがとうございました。
私の目指す卓球は英田型なのですが、出来始めている部分と全く出来ていない部分があり、それらに対してどう取り組んでいくのかを書いたつもりです。
出来ていない部分を強化すると同時に、出来始めている部分を磨き上げて、さらに自分の個性を融合させていく。
私の今年一年の練習は、おおよそこういう形になると思います。
私の例を挙げましたが年の初めは、「目指す卓球」という大きな目標を明確にして、今年一年かけてどんな練習をしていくのかを考えると良いと思います。