Tさんとの練習で思ったこと

OBUコーチ

ここ数日Tさんと練習させて頂いています。

Tさんは私よりも5歳ほど年長で、現役生活も長く公式試合で何度も対戦させて頂いています。

回転の掛かった両ハンドドライブ、スリムでしなやかな体つき、60代とは思えない軽やかなフットワーク。

私から見たTさんは「衰え知らず」です。若い頃から全然変わりません。
卓球が大好きで飽くなき探求心があります。

この高いレベルをずっと保ち続けているのは強い克己心と、並々ならぬ努力のお陰と推察します。

今号では、そんなTさんとの練習の中で、改めて気付いた点についてシェアします。

私より格上のTさんとの練習

私はTさんを非常にリスペクトしています。

まず卓球に取り組む姿勢が違います。

念入りにアップをして、丁寧に基礎練習を始めます。ほとんど凡ミスがありません。

主戦技術のフォアドライブを例にとると、丁寧にボールを入れる所から始めて、段々とギアを上げて行く感じです。

たまにミスもするのですが、それは殆ど入る予定だったものが少しだけ手元が狂って、たまたまミスになったという印象なのです。

私たちの様な最初から明らかなミスではないのです。私たちのミスは打った瞬間にミスであることがはっきりと分かります。笑

この違いが分かりますでしょうか。
同じミスでも雲泥の差があるのです。

プレー全体も丁寧な繋ぎを身上としているらしく、こちらとしては凡ミスが期待できないのです。

試合の前半こそ数本の凡ミスがありますが、あとは完全にアジャストされて、結果的にはこちらが封じ込められてしまいます。

尊敬すべき点の2つ目は、その姿勢をずっと継続しておられることです。

最初にお会いしたのは、まだ私が学生の頃、20代の前半の頃ですから30年以上前です。

当時の私は沢山練習をして、広い守備範囲で粘り強く戦うプレースタイルの守備型カットマンでした。

現在の私よりも数段素早く動けて、体力も自信もありました。

しかし、Tさんには全く歯が立たず、こちら粘っても粘っても、それ以上に粘られた上にカットを綺麗に打ち抜かれ、格の違いを思い知らされました。

当時、この人には一生かかっても勝てないのではないかと思いました。

30年の時を経て、一緒に練習をさせて頂けるなんて感激の極みです。

そんな格上のTさんとの練習で、まず私が心掛けたのは、こちらが簡単にミスをしないということでした。

私が簡単に凡ミスをしてしまうと、Tさんの練習になりません。
緊張感2倍増し(笑)で練習に臨みました。

幸いTさんのドライブは綺麗な曲線を描くので、私が集中力を切らさず正確なラケット角度と押しを加えられれば返球出来ました。

Tさんとのゲーム練習

練習の最後に、チームの皆でゲーム練習をすることになりました。

1ゲームマッチで、どんどん対戦相手が変わるやり方です。

私はTさんと対戦することになりました。

Tさんは昔と変わらず丁寧にボールを繋いでチャンスボールを無理なく強打してきます。

相撲に例えると、相手に突っ張られようが、投げを打たれようがしっかりと受け止めて、最後は回しをがっちり引いて寄り切るという横綱相撲の様な卓球なのです。

Tさんのペースで戦っては、私はとても勝ち目がありません。

こちらから先制攻撃を仕掛けていき、先行逃げ切りを狙っていくしかありません。

私は磨いてきたサーブと3球目攻撃を積極的に仕掛けてリードを奪うことに成功しました。

自分よりも実力のある選手と対戦する時は、とにかく自分の力を100%出し切ることが大切です。
積極的に向かって行くのです。

Tさんを慌てさせなくてはならないのです。

しかし最後はTさんに捕まってしまい、逃げ切れずに逆転負けを喰らいました。

攻撃のバリエーションと競った場面での正確性が必要だと思いました。

改めて自分が得たもの

得たものは反省点ばかりではありません。
自分の卓球を変えていく方向性は間違っていない、という確信です。

もし私が学生の頃と同じ様な卓球をしていたら、Tさんとの差は全く縮まらなかったと思います。

やはり守備一辺倒だったカットスタイルから攻撃をミックスしたスタイルに変えたので、中盤までリードを奪えるくらいにまではなれました。

課題が分かったのは有難いことで、私にはまだ伸びしろがあるということです。

自分の実力は上がっているのだと思うことが出来ました。

Tさんはこれから静岡県代表選手として県外の試合に臨みます。

ゲーム練習とはいえ本番さながらの集中力でTさんに挑んだのは、私なりのTさんへのエールのつもりだったのです。

ひと暴れしてきて欲しいと願っています。

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