楽しい卓球指導 その6

OBUコーチ

前回、書き切れない部分があったので、今号はその続きから書きます。

では早速、始めて行きましょう。

卓球教室と卓球個人指導

卓球教室というのは、卓球の上手な指導者が一人いて生徒さんが10名強いるような、1対多の関係のスクール形式です。

一方で卓球個人指導は、一人の指導者に対し一人あるいは二人の生徒さんがいる、ほぼ1対1のマンツーマン形式です。

私はそれぞれ一長一短があると思います。

私がやっているのは後者の方で、一人一人に向き合って指導しております。

私は、卓球が上達するには自分よりも上手な選手と出来るだけ多く球を打つことだと思っています。

私は卓球歴45年になります(長いなー)。

卓球の上手さは年数ではありませんが、それでも初心者の生徒さんから見た場合、かなり上手な選手に映ると思います。

そんな私と一時間みっちり練習するので、生徒さんはかなり上達が見込めます。

しかもボールを沢山使って練習します。

ラリーは多くの場合、どちらかのミスで終わるのですが、球拾いをしている間に打球感覚をどんどん忘れてしまいます。

ボールは散らかりますが、どんどん次の球を打つことで感覚を忘れないうちに、もう一度先程と同じ事を試すことが出来るのです。

ミスした時や良いボールが打てた時の感覚を意識して繰り返すことで、ミスした原因が分かって補正出来たり、良い感覚を定着化させることも出来たりするのです。

ただ沢山ボールを使えば良いかというとそうではなくて、その瞬間を意識しないといけないわけです。

ただ、特に初心者はどこを意識して良いか、自分では分からないものです。
ですから、ラリーの最中でもこちらが指摘するのです。

「今のボール!」
「このコース!」
「そう、それ!」
「乱れても、リカバる!」

などは私が指導中によく言う言葉です。

リカバるとは私の造語で(笑)、リカバリー(回復)するの省略形です。

結局のところ、卓球の感覚は個人的なもので、教えられて身に付くものではなく、自分で掴み取るものなのです。

ですから、私からすれば主体はあくまで生徒さんご自身で、私はその手助けをしているに過ぎないという考えなのです。

私の生徒さんは、私の個人指導の他にも、卓球教室や卓球同好会に所属して卓球を楽しんでいます。

と言うか、そちらが最初はメインでした。

Kさんご夫婦も、Sさんも初心者でしたので卓球教室でクラス分けがあると初心者クラスに入れられてしまいます。

仕方がないことなのですが卓球が上手な人は上手な人同士、下手な人は下手な人同士で打つハメになってしまいます。

先生やコーチに当たる人も、自分たちのためだけに指導の時間を割いてもらうわけにも行かず、上手くなっている実感が持てないまま時間が経過してしまっていた様です。

「もっと卓球が上手くなりたい」
「もっときちんと卓球を教わりたい」
という想いがあり、私の指導を受ける様になったのです。

卓球教室の良さ

個人指導には無くて卓球教室にはある良さも当然のことながらあります。

それは色々なタイプの人と打てることです。

個性豊かな(クセのある?)サーブや打球を受けて経験することが出来ます。

人間性や性格の分析力なども、自然と身に付きます。
要するに経験値が増すのです。

この経験は、個人指導では決して出来ないことです。

将来的に試合に出場する様になると、今まで見たことも無いタイプと対戦することもあり得ます。

沢山経験しておいた方が、そんなシーンになっても慌てる確率が下がります。

「なーに、私はもっとクセの強い球を普段から受けているのさ」と、開き直ることが出来たり、

「あ、このタイプはいつも練習しているAさんの球質に似ているな」と、比較分析出来たりします。

色々なタイプと打った経験があると、初めて対戦する相手に対しても、そうやって落ち着くことが出来るのです。

相乗効果を狙う

理想は、卓球教室と卓球個人指導の良い所を上手に利用することです。
さらには相乗効果を狙うことです。

卓球の個人指導で自分よりも上手な人と打ち、基礎練習をみっちりやったり、フォーム固めをしたり、自分の中で基準を作ります。

そして卓球教室や卓球クラブで、それらを多くの人に対して実際に試してみるのです。

練習の通り出来る場合と、そうでない場合が必ずあるはずです。

それらを個人指導の場に持ち帰り、対策を立てて強化するのです。

良い循環を生み出せれば、めきめきと実力がついていくと思うのです。

個人指導の落とし穴と求められる資質

個人指導にも落とし穴というべき、注意点があります。

それは指導する側の力量や姿勢です。

指導者の方が自分のやり方に固執していたりするケースは危険です。

指導者が信念を持って指導している内容が、実は現代卓球にはマッチしないケースもあり得るのです。

これは私自身も厳に慎まなくてはならないことですが、卓球そのものがルール改正や使用する用具の変化により、凄いスピードで変わってきているのです。

指導者自身も常に新しい情報を得ながら、勉強し続けることが大切かと思います。

「自分の指導はもしかしたら時代遅れかも知れない」というセルフチェックは、常に必要だということです。

しかしどれだけ卓球が進化しようとも、変わらない「基本」はやはり存在します。
卓球指導では「基本」はとても大切です。

私は身体全体を使って打てと教わりましたが状況によっては間違いです。
しかし腰を中心に身体全体を使うシーンも依然あるわけです。

ボールをラケットに当たる瞬間まで、首を回して打てと教わりましたが、それでは間に合わないケースも多々あります。

ボールを見ないで相手を見ることの方が正解な時だってあるのです。

1つの言葉を一面的に捉えると矛盾だらけなのが卓球の「基本」です(笑)。

きっと真実はその言葉の奥にあって、それを伝えるのが指導者にとって難しいところです。

また、指導者として生徒さんにどこまで強く言うかも悩ましいところです。

前述したように卓球の感覚は個人的なものですから、基本は生徒さんの主体性に任せたいところです。

しかし強く言葉を発して力強く導かなくてはならない時もあります。横着や怠惰なプレーをしている時は特にそうかも知れません。

生徒さんの様子を見ながら、状況により指導法を使い分けることも必要です。

「常に自分の思考も行動も自分自身で変化させていく事が出来る」

指導者に求められる資質とは、こういった「しなやかさ(柔軟性)」ではないかと私は思うのです。

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