用具のダウングレード
ラバーやラケットなど卓球用具で何を選択するかは選手共通の悩みです。
長い選手生活の中で、私も悩みながら用具を選択して来ました。
用具を変更する時の多くは、「自分が目指すべきプレーをするため」のものでした。
つまり、今よりも向上するため、さらに卓球が上手くなるためにグレードの高い用具に変えて来たのです。
ところが、生まれて初めて、それとは逆行する流れを経験しています。
用具(ラバー)のダウングレードです。
高過ぎた目標
過去のメルマガでご紹介してきた通り、私は英田理志選手の様に両ハンドの攻撃とカットを混ぜるスタイルを目指しました。
ラケットとラバーも英田選手の使っているものと同じものを、しばらくの間使ってみました。
練習内容も攻撃6割カット4割というように攻撃の割合を増やして、自分の卓球の改造に励んで来ました。
なるほどフォアハンドの攻撃力と、攻撃パターンのバリエーションは増えたと自分でも思います。
しかしバックハンドは理想にほど遠く、試合でも思う様に振れません。
因みにバックのラバーはYASAKAの翔龍の厚で、粘着系なので回転が掛かります。
攻撃もカットも出来るラバーですが、難点は重量が重いことです。
使用しているラケットの政宗も比較的重いラケットで、ラバーを含めた総重量は200g前後となりました。
全国大会に向けて色々な大会に出場し、試合勘を養っていく過程で、ついに私は右肘を故障してしまいました。
テニス肘というもので、肘を酷使するにより肘の腱が慢性的に炎症を起こす怪我です。
英田選手はプロの卓球選手として体力トレーニングも相当こなしているでしょうから、故障もなく使いこなせているのだと思われます。
残念ながら私は体力的にそこまで強くは無かったのです。
英田選手のプレースタイルを目指したものの、技術的にもこのラバーをとても使いこなせていなかったのです(ただし「切るカット」だけは、このラバーのお陰で試合で得点に結び付きました)。
そこで私はバックのラバーを変える決心をしました。以前使っていたYASAKAのマークVにラバーを戻します。
ラバーのグレードとしては、上級者のクラスから中級者のクラスにするわけですから、ダウングレードとなります。
目指すは巻き返し
この様にラバーをダウングレードしながら、まずは肘の負担を軽減するために、総重量を180g前後に収まる様にラバーの厚さを調整して行きます。
その上で今の自分のプレースタイル+αをどこまで実現できるのかを、試しながら練習していく予定です。
私の目指す卓球は、英田選手の様なオールラウンダーであることは変わりありません。
用具(ラバー)のダウングレードと言うと、今よりも後退するという様なマイナスのイメージがありますが、私はむしろ逆です。
そもそも使いこなせていなかったラバーを従来の形に戻すだけですから、より自分のプレーがやりやすくなるのではないか、と。
今以上に体力トレーニングとストレッチによるケアを行い、しなやかでシャープで強い身体を作って行きます。
1.そういう体力的なベースの上に、
2.自分に合った適切な用具を使いこなし、
3.今の自分の技術+αの練習をする
ことをして行けば、さらにワンランク上の自分になれるはずだと思っているのです。