相手の力を借りて打つ

OBUコーチ

先輩のAさんとマンツーマンの練習を再開しました。

多球練習を中心にやるのですが、単純に練習をこなすだけでなく、お互いに様々な情報交換をします。

私より一回り以上も年上のAさんは、お仕事は既にリタイヤして卓球三昧の日々を送っています。

アスリートとしての生活スタイルを今でもずっと続けていて、体型もスリムで、かつ、考え方が常に若々しいです。

食事制限やトレーニングもこなしており、少々変わり者の一面もあるのですが、私もAさんからかなり刺激を受けています。

情報源はYouTube動画

Aさんの情報源は、YouTube動画のようです。

多くの一流選手(またはそれに近い選手)が沢山の動画をアップしていますので、情報収集するには事欠きません。

今はとても有難い状況ですね。

今回の「相手の力を借りて打つ」も、元中国のトップ選手で日本に帰化した西沢ご夫婦の動画だとすぐ分かりました。

実は私も観ていたからです(笑)。

Aさんの素晴らしい所は、良いと思ったことはすぐに練習に採り入れ、「まずやってみる」ところです。

環境が揃っているという理由もありますが、すぐに実行に移せることは、通常の場合なかなか出来ることではありません。

時間的な制限(仕事などで)と、空間的な制限(練習場が遠い)があり、どうしてもタイムラグがあるのが普通です。

西沢ご夫婦の動画

ここで西沢ご夫婦の動画を観たことがない人のために、簡単に内容を説明します。

相手の力を利用して打つことを覚えると、ラリーに非常に強くなると教えています。

中国語で「借力(ジェーリー)」と言うそうです。技術的には「快帯(かいたい)」という技を紹介していました。

快帯は、ブロックとカウンターのちょうど中間的な技術で、カウンターほどではないけれどもブロックよりもかなり攻撃的です。

ブロックは当てただけですが、快帯はそこに押しと回転を加えてあげます。

カウンターとの違いは、快帯はバックスイングがほぼないことと、自ら力を加えて打つ割合がカウンターに比べると低いことです。

ここに「借力」という打球感覚が必要となってくるのです。

あくまで相手の打球の力を利用するのですが、そこにほんの少しだけ自分の力をプラスしてやるのです。

動画の概略は以上です。

じゃ、やってみよう

Aさんの口から「相手の力を借りて・・」と話題が出た時に、「あ、アレですね!」とすぐに返すことが出来ました。

多球練習で色々な技を練習しますが、今日の練習の共通のテーマとして、「借力」に取り組むことが暗黙の了解となりました。

相手のボールの威力を感じながら、身体全体で(体重を乗せて)跳ね返す、あるいは回転を掛け返して行きます。

私の使用ラバーは粘着系ですので特にこの表現が該当するのですが、ラケットにボールを強く当ててしまうと、かえってネットに掛けてしまいます。

ですので、ボールを薄く捉えるイメージで優しくインパクトしながら、ラバーにグッと食い込ませて回転を掛けて行くのです。

カットする時にこの打法が出来た時は、「ぬ~ん」とカットが飛んで行きます。

オーバーミスするかと思わせて、エンドラインぎりぎりに落ちます。

カットマンを指導する際に、

「カットする時にボールとケンカをしない(ラケットをボールに強く当て過ぎない)」

「自分のボールにして返せ」

などとよく言われますが、私はこれらも一種の「借力」だと思っています。

多球練習の後は、通常のフォア打ちやバック対バックをやり、感覚を整えて練習を終えます。

この時のフォア打ちやバック対バックは、Aさんとお互いに「借力」を意識して行うので、とても良い感じのラリーが続きます。

特にバック対バックのラリーでは、自分のボールの行方や、それに対する相手の打ち方を見ながら調整していくことが出来ました。

実際にやってみた

Aさんとの練習の数日後に、今度はMさんと練習しました。

練習の成果を試す、絶好のチャンスです。

Aさんは隣の台で、別の方の指導を行っていました。

まず、私自身のカットですが、最初はMさんのドライブの威力を利用して返球することに注力しました。

そこからだんだんと、回転を掛け返すことを意識しました。カットを切るというよりかはドライブ回転を上書きする感覚です。

バックカットはわざと芯を外して内側を捉えシュート回転を掛けるつもりで、スイングをしました。

フォアカットは芯を外さず、ラケット面を被せ気味でインパクトしながら床に向かってなで斬るスイングを心掛けました。

すると、どうでしょう!
身体が上手く使えてスイングも上手く行った時は「ぬ~ん」とカットが飛んだのです。

※敢えて擬音語で表現しています。
※前々号「カットの進化の手応え」参照。

初対面の選手がこのカットを受けると、カットがオーバーするように見えます。

見送るとエンドラインぎりぎりに落ちるのでカットがノータッチで抜けるという、奇妙な現象が起きました(笑)。

これはすぐに慣れられる種類のものですが、良いカットの1つの目安だと私は思っています。

もう1つは、バックドライブの練習中に発見したことです。

バックカットを引いておいて、相手が打ちあぐんで繋ぎのドライブをした時に、バックドライブで狙い打ちます。

この時もラケットに薄く優しく当てて、相手のボールの威力を感じつつ、よくラバーに食い込ませた上で回転を掛けて行くと、良いボールが入ります。

3球目攻撃の練習でバックドライブする時も一度薄く優しく当ててから、ラバーに食い込ませるイメージで回転を掛けると良いことが分かりました。

特にレシーブがストップ気味に短く来た時はチキータをするイメージでドライブすると、回転が掛かって、かつスピードもあるボールが打てます。

これらは粘着系ラバーを使った打ち方ですが、「借力」を意識することで派生して生まれた感覚だと私は思っています。

広い意味では、これも「借力」ではないでしょうか。

傍で観ていたAさんには、

「以前よりスイングが鋭くなった。全然違ってきている」

と褒められました。

以前はテンション系のテナジー19を使用していました。ドライブもカットも違う打ち方をしていました。

やっと粘着系に慣れてきた感じがします。
なかなか良い兆候です。(^^)

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