『ベテランの怪我』
もうかれこれ2ヶ月半~3ヶ月前、試合の最中に肘を痛めてしまいました。
試合の最中は夢中になってプレーしているので、気付きませんでした。
試合後にどうも肘が痛むのです。この痛みは初めての経験でした。
今回は自身に突然見舞われた、怪我について考えてみました。
怪我の正体
卓球の先輩や仲間に色々聞いてみたら、この肘の痛みの正体が分かりました。
正体は「テニス肘」だそうです。
卓球をやっていてテニス肘というのも変だと他人事のように思っていました。(^^;;
私は練習や試合で身体が痛くても、数日間休んでいれば回復していましたので、あまり気にしていなかったのです。
ところが、何日休んでも、この肘の痛みが引きません。
少し痛みが和らいだので練習をすると、また痛みがぶり返す、の繰り返しでした。
なかなか痛みが完全に引かないので、ようやく「これはマズイことになった」と焦り出したのです。
重すぎるラケット
痛みの原因になったのは、ラケット全体の重さです。
両面とも厚いラバーを貼り、バックはさらに中国ラバーなので、総重量が200グラムもありました。
試合では調子に乗ってこの重いラケットをぶんぶん振り回していました。
その試合では序盤こそ調子が出なかったのがだんだん調子が上がってきて、終わり頃にはカットも攻撃も絶好調になっていました。
それが肘にとっては良くなかったようです。
特にバックカットを振り切って、肘を伸ばした時に負担がかかっていました。
バックカットに関しては、腕の力だけで相手のボールを抑え込もうとする傾向が強くありました。
長年に渡るその悪い癖が、今回の肘の怪我を引き起こしたのでした。
消極的対処と積極的対処
長く卓球を続けていると、色々なところに故障が出たり怪我をしたりするものです。
私も、アキレス腱を切ったり膝を痛めたり、腰を痛めたりと様々な故障や怪我を経験して来ました。
その都度、色々な対処法を試みて、なんとか乗り切ってきました。
それは、およそ以下の3つの方法です。
1.怪我が完全に治るまで休む。
アキレス腱を切った時がこの方法でした。
卓球はおろか生活そのものがままならない状況だったので安静にして過ごし、回復につれてリハビリに専念しました。
2.だましだまし卓球を続ける。
腰痛や膝の痛みの対処法はこれでした。
いくら休んでも完全に痛みが引くことはないことが分かったので、無理のない範囲で練習を続けました。練習後はケアをし、痛みが和らいだらまた練習をしました。
コルセットやサポーターを巻いていた時期もあります。
と同時に卓球のフォームを工夫したり、腰回りや膝周りの筋肉を鍛えました。
体重も落として負荷がかからない様にしました。
時間は長くかかりましたが、今では、コルセットもサポーターも巻くことなくプレー出来るような身体になりました。
3.むしろ鍛える。
故障をするということは、その周辺筋肉が衰えているという証拠です。ですから、もう一度その周辺筋肉を強化すれば良いわけです。
1.は、動きたいのをじっと我慢するわけで、消極的対処と言えると思います。
3.は、故障で痛む箇所を能動的に対処する、積極的対処と言えましょう。
2.はその中間というところでしょうか。
怪我の状況により1.~3.を使い分けるのが賢いやり方だと思います。
無理してばかりでも、休んでばかりでも、ベテランの場合はダメみたいです。
私の選択
では、今回のテニス肘にどう対処するか。
私はずっと2.のやり方で来ていたのですが、最近になって、3.をやり始めました。
先輩のAさんが同じテニス肘になり、Aさんがやっているトレーニングを私に教えてくれたのです。
やり方は、以下の通りです。
・上体を倒して左手をテーブルの端につく。
・右手をだらりと垂らし、重りを持つ。
・その体勢から右手を引き上げたり、下ろしたりする動作を繰り返す。
Aさんがやる動作を見ながら、真面目に説明を聞いていましたが、内心では何かの動作に似ているなぁと思っていました。
後になって、はたと思い当たりました。
お笑い芸人の小島よしおのギャグの「そんなの関係ねぇ♪そんなの関係ねぇ♪」に動作がそっくりなのです(笑)。
というわけで、私はこのトレーニングを小島よしおと命名し、毎日笑いながら楽しくやっています。
これなら私でも続けられそうです(笑)。
こうして鍛えながらも、患部を毎日マッサージして、薬を塗ってます。
また、ラケットの総重量を180グラム位まで落とせないかと画策中です。
怪我から学ぶ
怪我は私に色々なことを教えてくれました。
最も学んだ事は、力を抜いたフォーム作りを本気になって取り組む時期が来た事です。
バックカットのフォームなのですが、今までの癖で力を入れていると、すぐに肘が痛くなってしまうのです。
意識して練習するのですが、腕の力だけで抑え込む様なフォームになると、肘の痛みが「そうではないぞ」と教えてくれるのです。
下半身はしっかりと安定させて、その反面、上半身は脱力してリラックスし、柔らかいタッチでカットする。
これが私の理想です。
相手のボールの威力を利用しつつ、ドライブのボールの回転を上書きして、カットが出来るのです。
近いフォームが出来ている時は、前号でお話した「ぬ~ん」と飛ぶカットが出来るのです。
怪我は私にとって大切な先生となってくれているのです。