最高の言葉~ありがとう~

OBUコーチ メンタル

いつの頃からか、何をやる時にも、私は物事を雑に取り扱う様になっていました。

時間に追われ、締め切りに迫られ、いつも心に余裕がないから、そうなってしまったのだと思われます。

時代はより高速化し、

・先んずれば人を制す。先手必勝。
・Time is Money
・チャンスの女神は前髪しかない。

など、限られた時間を大切に有効活用し、チャンスを逃さないことの重要性を説いた諺や格言の意味が重みを増して来ました。

しかし、と私は思います。

そもそも何の目的でやるのかという自覚と、「今、ここ」を大切に扱う心が伴わなければ折角の金言の真意も空回りするでしょう。

どうすれば本末転倒の状況から立ち返ることが出来るのか。

色々回り道をして私が辿り着いたのが、

「ありがとうございます」

という言葉だったのです。

卓球に関係のないことの様に思いますよね?

いやいや、これも卓球に大切なことなので、今回、採り上げてみようと思いました。(^^;;

【競り合いに強くなった私】

最近の私は競り合いに強くなりました。

競った試合で負けることが以前は多くあったのですが、最近では、負けることの方が以前よりも断然少なくなってきました。

その勝因を考えると、その時の心境が大いに影響していると思えるのです。

もちろん、試合を通じて私は「勝ちたい」「負けたくない」と思っています。

あまり表面には出ない方ですが、心の根底ではそう思っているのです。

とても無念無想の境地や、無欲の人にはなれそうもありません。(笑)

しかしそんな私でも、最終ゲームのヤマ場に差し掛かった時に、逆に妙に気持ちが落ち着く時がありました。

その時の心情を表すと、だいたいこんな感じになります。

————————-(ここから)—–

この勝負に勝ちたいか?と聞かれれば、もちろん勝ちたいとは思う。しかし、勝負はいったん横に置いておこう。

こんな好敵手と、自分はここまでとても良いゲームメイクが出来ている。

昔の自分では考えられなかったことだ。何と幸せなのだろう。

点を取ったり取られたりするのが楽しい。この試合がこのままずっと続けば良いのに。なんなら明日の朝まで続けても構わない。

さあ、勇気をもって自分史上最高のプレーをしようぜ。

相手も自分もブラボーだ。この時、この場に感謝しよう。ありがとうございます!

————————-(ここまで)—–

心の底からこう思えると私は俄然強いです。
小さいことは全く気にならなくなり、目の前の一本、目の前の一球に集中します。

丁寧に、慎重に、大胆に。

スイッチが入ると言いますか、自分でも「無敵モード」に入っているのが分かります。

私は愚直に得点を重ね、対戦相手の方が先に自ら崩れて行きました。

【人間はわがまま】

ところが「無敵モード」に入ることはそんな簡単には出来ないのです。

切羽詰まった、緊張した場面において、

「一旦、勝負を横に置いておく」

ことすらなかなか出来ません。

何故なら、私を含めて人間はわがままだからです。
本来的に我欲があるからです。

この我欲を捨てないといけないと分かっているのですが、これが難しい。

野生のライオンは満腹の時には、たとえ目の前に獲物が横切っても襲わないそうです。

こうして自然界のバランスが保たれているのだそうです。

しかし人間は、たとえ満腹でも目の前に好きな食べ物があれば、せっかくのご馳走だからと言って食べてしまいます。

これも一種のわがままです。

緊張した場面でいきなり我欲を捨てようとしても、そう簡単に捨て去ることは出来ません。

そのためには、普段からその訓練をしておかなくてはなりません。

試合の競った展開の中で私が無敵モードに入れたのは、普段の生活の中で我欲を捨てる訓練を少しだけしているからだと思います。

それと、日常の些細なことに「ありがとうございます」と感謝する生活習慣があったからこそだと思うのです。

【「ありがとう」に宿る不思議な力】

そもそも「ありがとう」という言葉には不思議な力が宿っている様で、色々な物に「ありがとう」を言い続けていると、身の回りに不思議な現象が起こります。

何かにつけて、とにかく「ありがとう」と言うのです。

例えば、試合会場や練習会場に行ったら、

「今日はここで最高のパフォーマンスをやらせて頂きます(頂きました)。
ありがとうございます(ございました)」

と言って一礼して入退室します。

練習の前後に、ラケット・タオル・シューズ・ユニフォーム・卓球台・ネットサポートに対して、

「今日も使わせて頂きます(頂きした)。
お陰様でとても良い練習が出来ます(出来ました)。
ありがとうございます(ございました)」

手で触れて拝む様に感謝をします。

トイレ・更衣室を使う場合には、スリッパ・便器・洗面台・ロッカー・ベンチに対して、

「これから使わせて頂きます(頂きました)。
ありがとうございます(ございました)」

と丁寧に頭を下げます。

特に体育館のスリッパは乱れていることが多いので、スリッパ全部を綺麗に揃えます。

洗面台が水浸しの場合は、出来る範囲で、ペーパータオルでサッと拭き取ります。

更衣室にゴミが落ちている場合は、サッと拾ってゴミ箱に捨てます。
他人のゴミでも関係なく拾って捨てます。

この様にして場を整え、次に使う人が気持ちよく使えるように心を配ります。

肝心なのは、これらの行為を行う時の心持ちです。

「自分がやってあげている」という気持ちが微塵でもあると意味が無くなります。

逆に「喜んでやらせて頂きます。ありがとうございます」という気持ちで行うと効果抜群です。

この様にして「ありがとう」を言い続けると、モノ本来が持っているエネルギーが発揮され生き生きとし出すのです。

いざと言う時に怪我から守ってくれたり、大事なところでエッジやネットがついたり、自分を応援してくれるようになるのです。

そして、それに呼応するように、自分自身の本来の力が十分に発揮できるようになるのです。

直ぐに起きる効果としては、気付きの感度が良くなることです。

例えば、ネットの少しのたるみに気付いたり、卓球台上に落ちている細かいゴミに気付くとかです。

そして、物事を丁寧に扱う様になります。
卓球のプレーぶりも丁寧になります。
忘れ物などの取りこぼしも少なくなります。

「ありがとう」を連発しながら、物事を雑に扱う人はまずいません。(笑)

また、直感も冴えてきます。
次に起きることが事前に分かってしまうことさえあります。

仏教に「全機」という考えがあるそうです。

これは、人間界における人とモノ全てが本来持っている機能を充全に発揮する、という考え方だそうですが、おそらくこういう状態を指すのだろうと私は思います。

「ありがとう」という言葉は、全機を発動させる最高の言葉なのです。

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