試合勘

OBUコーチ メンタル

コロナ禍で練習環境が整わず、基本練習中心の練習になっていました。

ゲーム練習の時間があまり取れていません。そのため、試合勘が鈍ってしまいました。

試合に大切な要素の1つである、試合勘。

今号では、そのことについて、掘り下げてみたいと思います。

【試合とは何か】

試合とは読んで字のごとく試し合いです。

つまり練習で磨いてきた技術を、お互いに試す場であります。

昔の剣豪は、剣の道を極めんとし、己を律し自分を高めることを目指しました。

真剣勝負。相手の命を奪うわけですから、試合では無く「果し合い」だったわけです。

負けた方は、そこで命が尽きるので、相手の(剣の)道を閉ざす(果たす)という意味もあったのではないでしょうか。

卓球の試合は命を懸けてまでやるものではありませんが、せめて練習の成果を試す機会であって欲しいものです。

【練習の成果を出す】

ところが、この「練習の成果を出す」というのがなかなか難しいのです。

卓球は相手がいる相対的な競技だからです。

相手に上手くやられてしまって、実力の半分も出せないことは、卓球の試合でよくあることです。

これが重量挙げや走り高跳びであれば、競争相手はいるものの、彼らの直接的な意図による影響は受けないはずです。

自分との戦いがメインで、相対的なスポーツの卓球に比べると実力を発揮しやすいはずです。

卓球の試合に於いて、一番練習の成果を出し易い技術は何か。

それは、サーブです。相手の影響を受けないからです。

いかに自分の思ったところに、思った通りのサーブを出せるか。

これで練習の成果をある程度、測ることが出来ます。

【試合の目的は?】

しかし、試合の目的はあくまで勝利です。

試合に勝つこと。練習の成果を出すのは二の次です。

ここをはき違えない様にしないと、何時まで経っても好成績に繋がらないでしょう。

練習の成果は遺憾なく発揮しました!でも試合にはボロ負けでした・・・これでは、何をしに試合に行ったのだ!?となります。

練習では「正解」と思われることが、試合でも正解であるとは限りません。

これが卓球の試合の面白い所でもあり、難しい所でもあります。

例えばカットを例にとると、低くて深くて切れたカットが、練習では良い(正解)とされます。

しかし、試合では高かったり、浅かったり、切れているのかいないのか、よく分からない荒れたカットの方が、かえって相手がやり難かったりするのです。

この場合は、こちらが正解ということになります。

【試合勘】

この試合では何が正解(有効)なんだろう?と、試合を進めて行く中で判断していくのが「試合勘」というものです。

この試合勘が狂っていると、「今自分は何をすべきか」が分からなくなり結局のところ、試合に負けてしまいます。

試合をやる上で、とても大切なものなのですが、残念ながらいくら練習をしても、試合勘は鍛えられるものではないのです。

ましてやYouTubeなど動画を観ても、「試合勘」を取り上げているものは、まずありません。

動画は技術が中心ですから、無理もありません。

あるとすれば本メルマガの様に、文章で書かれたもの(雑誌や本)です。形に表しにくいものですから。

では、試合勘はどうすれば身に付くか。

それは沢山試合を行い、試合を行いながら自分の頭で考えて試行錯誤し、自分の力で体得していくしか方法はありません。

【試合勘を磨くヒント】

これは1つの例です。

あなたのサーブから3球目攻撃が決まり、見事に得点したとします。

あなたはヨシっと思いますが、同時に、相手の心理を読まなくてはなりません。

相手が困った様子をしていれば、心理的にダメージを与えられた証拠です。

本当は困っているけど、あなたに悟られまいと振舞っているケースもあります。

相手の演技に惑わされてはいけません。そこをあなたの勘で見抜きます。

心理的ダメージを負った相手は、あなたのサーブを警戒します。

同じ攻撃パターンを喰らいたくない、そう考えているはずです。

そこで次の手を打って行きます。

似たようなサーブのモーションから別の攻撃パターンで攻めるのです。

これが得点に繋がれば、俄然有利です。

最初の攻撃パターンが効いているのです。

やるぞ、やるぞと見せかけて、別のパターンでチクチクと攻めます。

カットブロックを入れるとか、ストレートやミドルにも打ってみるとか、攻撃にバリエーションを持たせると、より効果的です。

そして相手の動揺を誘ったところへ、最初の攻撃パターンでズドンと攻めます。

相手は心理的に防戦一方となり、かなり苦しい状況に追い込まれます。

あなたは精神的に有利に立ち、練習した通りの技術を発揮できます。

練習の成果を十二分に感じることが出来るでしょう。

試合中に攻め方を工夫する余裕さえあるかも知れません。

以上は、「一発かました後に有利になる」という展開の一例です。

試合勘が冴えると、こういうこともあり得るということです。

試合勘とは「相手の心理を読む洞察力」と意味としてはニアリーイコールです。

「そろそろ、相手がこういう攻撃を仕掛けてくるはずだ(そうら、来た!)」

「相手はおそらくこんな心理状態に違いないから、次は無理してくるかな」

「こういう展開にしておけば、きっと相手が勝手に崩れて行くだろう」

これらは全て「試合勘」です。

一番は試合経験を積むことですが、普段から相手の立場に立って考えるとか、心理学を勉強するとか、卓球以外の事も試合勘を育むのに役に立ちます。

是非、興味を持って自分自身で開拓して行って欲しいと思います。

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